レディー・ガガ来日ツアー総括 愛と芸術で包み込んだ「The MAYHEM Ball」6日間完遂
このうち東京初日の1月25日の東京ドーム公演は、いつものようにガガの“Ball(舞踏会)”を楽しむべく思い思いに着飾ったリトル・モンスターたちが見守る中で開幕。今回のショウは過去のツアーと同じく章立てで、『Of Velvet and Vice(ベルベットと悪について)』『And She Fell into a Gothic Dream(そして彼女はゴシックな夢に没入する)』『The Beautiful Nightmare That Knows Her Name(彼女の名を知る美しい悪夢)』『Every Chessboard Has Two Queens(どのチェス盤にもクイーンはふたりいる)』の4幕と、フィナーレ『Eternal Aria of the Monster Heart(モンスターのハートの永遠のアリア)』で構成。彼女自身がディレクションを担当し、壮大なヴィジョンを具現化するにあたってステージ・パフォーマンスのトップ・クリエイタたちー――ショウ・ディレクションにベン・ダルグリーシュ(ポスト・マローン、ドレイク)、プロダクション・デザインにエス・デヴリン(U2、アデル)、振り付けにパリス・ゲーベル(リアーナ、ドージャ・キャット)――を起用。ドームの一端を広く切り取るオペラハウスを模したステージに、20人近いダンサー(日本人ダンサーのAmi Takashimaも参加)とバンドを従えて立ったガガは、ポップ・ミュージックとオペラ、ヴィジュアル、ダンス、シアターをミックスし、無数のコスチュームを身に付け、彼女ならではの過剰主義をさらに推し進めてゴシックな様式美で貫いたスペクタクルを展開したのである。そのかつてなく壮大なスケールに、隅々に満ち渡る美意識に、一瞬たりともブレない圧巻の歌に、常に変わり続けるマジカルなヴィジュアルにただただ圧倒されているオーディエンスは、一幕終わるごとにふと呪縛から解けたかのように拍手喝采を送るしかなかった。
※昨年7月、LA公演にて撮影(Photo by Kevin Mazur/Getty Images for Live Nation)
第1幕のトーンを方向付けたのも、『MAYHEM』からの1曲「Abracadabra」だ。ここでガガが口にする“The category is, Dance or Die”こそ、この曲のMVにもフィーチャーされていた『The MAYHEM Ball』のキーワードであり、今宵は「踊るか、死ぬか」と日本語で選択を迫る。もちろん彼女が選ぶのは前者だ。
次いで第2幕はライトサイドのガガの独り舞台。墓地で幕を開ける殊にゴシック色が濃厚なこの章では、『MAYHEM』で鳴っていたインダストリアル・ロックサウンドが前面に押し出されており、あの「Paparazzi」も「LoveGame」もダーク&ヘヴィにアレンジが刷新されている。しかし第3幕では一転して、ステージ上の巨大な頭蓋骨がゴシック色を引き継ぎながらも、ファンキー&レトロな路線にシフト。「Zombieboy」「Applause」「Just Dance」と、華のあるポップ・ソングが並ぶ。また第4幕にも「Shadow Of A Man」を筆頭にラヴとエンパワーメントのダンス・アンセムが詰め込まれ、中でもドームを揺るがさんばかりの歓声に迎えられたのはほかでもなく、クィア・コミュニティに捧げた「Born This Way」だ。「あなたたちは私にとって本当にスペシャルな存在。世界にとっても。でもそんなこと、わざわざ私が言う必要はないよね。あなたたちは、自分がスペシャルな存在だと百も承知なんだから!」と付け加えて。
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