. Track06~小坂由美子「マスカレード」(『宇宙の騎士テッカマンブレード』)~ - ぽすたるワイド in Hatena Blog
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フレーズ付きで紹介したいアニソン Track06~小坂由美子「マスカレード」(『宇宙の騎士テッカマンブレード』)~

■仮面の下の涙を拭(ぬぐ)え 『宇宙の騎士テッカマンブレード』は1992年に放送されたタツノコプロ制作のテレビアニメ。1975年に放送された『宇宙の騎士テッカマン』の世界観を一新したリメイク作品です。 上述の小見出しは『テッカマンブレード』の次回予告に使われたフレーズで、『テッカマン』というタイトル自体も「鉄仮面」に由来います。そして素性や本心を覆い隠すという意味での「仮面」は物語の重要なキーワードにもなっています。 物語は謎の宇宙生物"ラダム"によって滅亡に瀕した地球に、主人公"テッカマンブレード"が現れる所から幕を開けます。記憶を失ったと語る彼は"Dボウイ"と名付けられ、共に戦う仲間にも頑なに心を開こうとしなかった。やがて物語が進むと、仮面の下に隠されたDボウイの素性が明かされる。その正体は学者一家の息子・相羽タカヤ。彼は宇宙探検の最中でラダムに遭遇し、他の肉親や仲間と共に地球侵略の先兵"テッカマン"に改造されてしまう。ラダムの洗脳を逃れたタカヤだったが、その結果としてラダムのテッカマンとなった肉親たちと戦う宿命を背負うことになった。そして何より宿敵として何度も刃を交える"テッカマンエビル"の正体は双子の弟・シンヤだった。 やがて物語はタカヤとシンヤという家族の中でも最も近しい存在であり、それ故に愛憎をぶつけ合う双子による激しい骨肉のドラマを軸に展開されてゆきます。

■地球の運命を賭けた仮面舞踏会(マスカレード) そしてこの曲「マスカレード」について。挿入歌として使われたのは最終回1話前となる第48話。サブタイトルはズバリ「壮烈!エビル死す」で、長きに渡って描かれ続けたタカヤとシンヤの決着が描かれる、事実上のクライマックスとなるエピソードです。 この曲をバックにテッカマンブレードとテッカマンエビルは、否、タカヤとシンヤは地球の運命を賭けた死闘を繰り広げる。衛星軌道上を飛び回り、その姿を見た地球の人々は、まるで仮面舞踏会の観客のように、或る者は無言で見守り、また或る者は祈りを込めて声をあげる。やがて激闘が、この曲の終演と共に終る。そして皮肉にもタカヤに斃され死に瀕したことで、シンヤは憎悪の仮面の下に隠れていた想いを打ち明け最期を迎えます。 その姿はまさに上で紹介した「マスカレード」の歌詞「愛していたはずのものさえも 罪とゆう名の仮面をつけたら 忘れられる」を彷彿させます。

■燃え尽きたアーティスト・小坂由美子 そしてこの曲のみならず『テッカマンブレード』という作品を語る上で、アーティスト・小坂由美子さんの存在は欠かせません。小坂さんは『テッカマンブレード』の前期OP曲『REASON』(カップリングはED曲)でアーティストデビュー。続いて後期のOP曲・ED曲や挿入歌も担当。伸びやかなハイトーンの歌声で作品のハードな世界観を見事に表現しました。そして作品の事実上最後の曲となった「マスカレード」は自身で作詞作曲も手掛けていて、まさに『テッカマンブレード』の集大成に相応しい一曲になりました。 そんな小坂さんですが『テッカマンブレード』の終了後は、直後の1993年4月に放送開始した『GS美神』のED曲『BELIEVE ME』をリリースしたものの、同年6月に2ndアルバムをリリースしたのを最後に活動が途絶えてしまいます。現在ネットなどで調べても、その後のアーティスト活動自体が確認できず、完全に引退してしまったと推測されます。 『テッカマンブレード』はOAVで続編が制作され、新たに主題歌を歌唱したのはデビュー直後の奥井雅美さんでした。その奥井さんは今なおソロアーティストとしてはもちろん、日本を代表するアニソンユニット"JAM Project"のメンバーとして長年に渡り第一線で活躍しています。それ故に小坂さんが1年余りで活動停止したことが対照的で惜しまれます。

『テッカマンブレード』の幕開けと共に突然現れ、激しく鮮烈な印象を残して、幕を下ろすと人知れず去って行く。そんなアーティスト・小坂由美子さんのキャリアは主人公・Dボウイの姿とも重なります。 『テッカマンブレード』最終話のサブタイトルは「燃え尽きる命」。そのラストシーンは戦いを終えたDボウイが燃え尽きたかのような様子で、でもその顔には満足そうな笑顔を浮かべて静かに暮らす。まさに戦士として「燃え尽きた」姿を描いて幕を下ろしました。それは一見するとバッドエンドかも知れませんが、激しい戦いを終えた彼だけに許される「救い」として、今なおファンの間で語り継がれています(作品自体は上述のように続編OAVが制作されてDボウイも登場するのですが、それはまた別の講釈)。 そして小坂さんも『テッカマンブレード』が終った時に、集大成としてこの「マスカレード」を歌った時に、アーティストとして燃え尽きたかのようです。それは寂しいことではありますが、Dボウイの姿や上述のラストシーンと相まって『テッカマンブレード』に相応しいアーティストとして語り継がれることでしょう。

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