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U2最高傑作『Joshua Tree』解説

2. 終りなき旅 “I Still Haven’t Found What I’m Looking for”

ゴスペルミュージックに影響を受けたコーラスワーク、ボノのソウルフルな歌唱、広大な自然を想起させるゆったりとした大陸的なリズムが一体となった壮大な一曲。

この曲はドラムのフレーズからどんどん発展して作られていった曲なんですけど、U2のドラマーであるラリー・マレン・ジュニアのドラミングって実は独特で面白いんです。

「僕はまた探しているものをみつけちゃいない」I Still Haven’t Found What I’m Looking for

そしてこの曲のゆったりとした大陸的なグルーヴを支えているのはやはりアダム・クレイトンによるスタッカート気味のベースラインが作り出すノリだと思います。

3. ウィズ・オア・ウィズアウト・ユー “With or Without You”

U2名曲ランキングとかを見ていくと欧米ではU2の代表作といえばこれか、「ONE」なんじゃないでしょうか。

また、この曲のアレンジで面白いのはギターで、インフィニット・ギターという音が減衰せずにずっとのびてくれるギターが使用されて、前半部分では、非常に装飾的で、バイオリン的なギタープレイが展開されます。

4. ブレット・ザ・ブルー・スカイ “Bullet the Blue Sky”

聴きどころはなんといってもジ・エッジのギターです。

ピンク・フロイドのギタリスト、デヴィッド・ギルモアと一緒で、 彼は無駄なフレーズは弾かず、引き算の美学でバシッと決めてくるというか、最小の動きで最大の効果を生むフレージングが得意なんですよね。

5. ランニング・トゥ・スタンド・スティル “Running to Stand Still”

よくよく冷静に聴いてみると、ダニエル・ラノワによる装飾的なリズムギターのプレイと全体を包み込むようなピアノが全体の雰囲気を支配する、 音響的にはアンビエント歌謡的な作り になっています。

6. レッド・ヒル・マイニング・タウン “Red Hill Mining Town”

実はこの曲のキモはベースで、スロウなファンクやソウル、R&B的なベースラインが実に心地よいリズムを作り出しているんですよね。

ミュージックビデオは『クライング・ゲーム』という映画で有名なニール・ジョーダンが監督。

7. 神の国 “In God’s Country”

8. トリップ・スルー・ユア・ワイヤーズ “Trip Through Your Wires”

これも ハーモニカやカントリーっぽいシャウトが入っていたり、ブルースロックっぽい要素があるんですけど、サウンドの透明感がとにかく異常(特にジ・エッジのギター)なんで、5曲目同様、全くコテコテのブルース/カントリーになってなくて新しさがあるのがやはり面白い です。

その点この曲は、 カントリー/ブルーステイストがありつつも、U2らしい個性をきちんと乗っけて、こういう曲に落とし込んでるのはやはり上手い と思いますよね。

そしてこの曲の透明感のあるサウンドメイクにかなり貢献してるのがプロデューサーのダニエル・ラノワが演奏するオムニコードという楽器です。

オムニコードというのは電子ハープみたいな楽器で、これのおかげで トロピカルな雰囲気もプラスされててなんとも言えない味わいになってる んですよ。

ちなみに、プロデューサーのダニエル・ラノワが本作より2年あとの1989年に発表した初のソロアルバム『アカディ』(Acadie)も伝統と新しさが融合したなかなか奇妙で味わい深いアルバムですので、興味ある人は是非聴いてみてください。

9. ワン・トゥリー・ヒル “One Tree Hill”

プロデューサーのブライアン・イーノは実はトーキング・ヘッズのフロントマンのデヴィッド・バーンと『My Life In The Bush Of Ghosts』という、アフリカ音楽の影響を全面に取り入れたアルバムを作成してるんですね。

そのアルバムを受けてトーキングヘッズの最高傑作といわれている1980年のアルバム『リメイン・イン・ライト』が作られたんです※。

例えばポール・サイモン『グレイスランド』であったり、ピーター・ガブリエルの一連のソロであったりが、実際にアフリカのミュージシャン達と組んだり、アフリカ音楽の影響を取り入れた曲をやっていたりするんですけど、この曲もその流れの一つとも言えるかもしれないですね。

そのGreg Carrolとはニュージーランドでのツアーで知り合い、彼がボノに案内した場所がOne Tree Hilなんです。

※『My Life In The Bush Of Ghosts』の発表(1981年2月)は『Remain In Light』(1980年10月)の発売より後だが、録音されたのは『My Life In The Bush Of Ghosts』の方が先)

10. エグジット “Exit”

このアルバムの中ではかなり異質な曲と言うかとっつきにくい曲ではあるんですけど、これまでのU2の歩みを振り返ってみると「Bullet the Blue Sky」同様、決して特異ではない曲、むしろ今までのU2のアルバムに入っていても全然違和感がない一曲ですね。

ボノが、ノーマン・メイラーのノンフィクション、『死刑執行人の歌―殺人者ゲイリー・ギルモアの物語』に触発されて書きました。

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