Vampire Weekendが3度目のフジロック大トリで示した、バンドの新章とささやかな希望
この8年間で、実に3度目となるフジロックGREEN STAGEのトリを務めたヴァンパイア・ウィークエンド。しかし過去2回は、どこか心残りな印象もあった。というのも、本来であれば5年ぶりの新作を携えて出演するはずだった2018年はアルバムの制作が遅れ、ハイムのダニエル・ハイムがゲスト出演するというサプライズはあったものの、ほぼ完成していたという新曲は披露されることなく終了。一方、そのダニエルが全面参加した2019年のアルバム『Father of the Bride』を携えて出演した2022年は、スケジュールの都合からかダニエルは帯同せず、機材トラブルの影響もあって、演奏時間の短縮を余儀なくされてしまったからだ。
Courtesy of Sony Music Japan International
96ポイントまで拡大されたFutura──というのは彼らの代表曲「Holiday」の歌詞の一節だが、まずはトレードマークとも言えるFuturaのフォントで書いたバンド名が掲げられたバックドロップの前に、ボーカル&ギターのエズラ・コーニグ、ベースのクリス・バイオ、ドラムのクリス・トムソンというオリジナル・メンバー3人だけが登場。1stアルバムの1曲目だった「Mansard Roof」、2ndアルバムからの「Holiday」と立て続けに演奏すると、今度は「ただいま」という第一声の後にエズラがひとりで最新作『Only God Was Above Us』からの「Ice Cream Piano」を弾き始め、バックの演奏が入ってくると同時に幕が降り、サポートを含めた8人全員のメンバーが現れる──新生ヴァンパイア・ウィークエンドのスタートだ。
ここからは名物ローディーであるジョシュア・ゴールドスミス氏が間奏でダンスを披露する「Classical」など新作からの曲が立て続けに演奏されたが、実際この日のセットリストには『Only God Was Above Us』からの曲がもっとも多く、7曲も含まれていた。新作をリリースしたばかりのバンドでも、フェスティバルでは自然と過去の代表曲が多くなってしまうのが世の常だが、そうすることを選ばず、しかも新曲がセットリストの核になっていたのが、ヴァンパイア・ウィークエンドというバンドの凄さだろう。
前作『Father of the Bride』からの「Sympathy」でアクロバティックなヴァイオリンのソロを披露していたのは、そのウィルの妻でもあるイザベル(ちなみに彼女や黒子のスタッフが蛍光反射ベストを着ていたのは、新作のテーマにもなっている海中トンネルや、道路工事作業員へのリスペクトらしい)。メドレーで披露されたSBTRKT「New Drop. New York」のカバーでは、元ベッカ・スティーヴンス・バンドのコリン・キアレアがエズラとのツイン・サックスを披露するなど、サポートを含む各メンバーのスキルの高さも窺えた。
PICK UPS
- Music Traveler 06 feat.岩田剛典 「旅の醍醐味はインプット」初のソロアジアツアーと思い出の旅
- Rolling Stone Japan / ツタロックフェス 採用情報 新規メンバーを募集します!詳細はバナーをクリック!