. Vol.39 DAVID LEE ROTH - EAT ‘EM AND SMILE | 僕の体の半分は音楽で出来ている
Vol.39 DAVID LEE ROTH - EAT ‘EM AND SMILE | 僕の体の半分は音楽で出来ている
Vol.39 DAVID LEE ROTH - EAT ‘EM AND SMILE | 僕の体の半分は音楽で出来ている

僕を形作った洋楽アルバムたちVol.39 DAVID LEE ROTH - EAT ‘EM AND SMILE

技巧派プレイヤーを集めて作ったソロ1stアルバム DAVID LEE ROTH - EAT ‘EM AND SMILE

VAN HALEN(ヴァン・ヘイレン)在籍時のソロ活動

1984年リリースのVAN HALEN(ヴァン・ヘイレン)のアルバム1984は世界中で大ヒット。 アメリカだけでも 1000万枚以上 を売り上げています。

その主要な立役者はやはり2枚看板の二人と言えるでしょう。 一人は、バンドの顔であり、 底抜けに明るいキャラクターでエンターテイナー でもある、David Lee Roth(デヴィッド・リー・ロス、通称デイヴ) もう一人は、その天才的なギタープレイで ロックギターに革命を起こした とも言える、Edward Van Halen(エドワード・ヴァン・ヘイレン、通称エディ)

もちろん、Michael Anthony(マイケル・アンソニー)のベースもAlex Van Halen(アレックス・ヴァン・ヘイレン)のドラムスも、重要ではありますが、 デイヴとエディのキャラクターが突出していた ことは誰もが認める事実といえるでしょう。

しかし、アルバム、1984の製作にあたっては、デイヴとエディに、 方向性の違いによる軋轢 が生じてしまいました。 最新のシンセを取り入れて時代に合わせようとするエディ、それまでの方向性を保とうとするデイヴ。

結局、 自宅にスタジオまで作ったエディに押し切られる形でシンセを導入した アルバムは大ヒット。 もちろんデイヴもこのヒットを喜んだはずだが、内心は穏やかではなかったのではないでしょうか。

そしてアルバム1984リリース後のツアーの頃には バンドは分裂し始めます。 その理由の一つは、やはり、バンドのサウンドとイメージの変化ということになるでしょう。 エディが望むものとデイヴが望むものが大きく違ったことが大きな要因として挙げられます。 また、この頃、エディはバンド以外でもプレイすることが増えていましたが、バンドのチェックなしにそれをやっていたのにデイヴは腹を立てていたようでもあります。

そうした理由で必然的にデイヴは自身の活動に目を向け始めました。 その大きなものが、自身初のソロEP、CRAZY FROM THE HEAT(クレイジー・フロム・ザ・ヒート)です。 このカバー曲全4曲入りのEPからはCALIFORNIA GIRLS(カリフォルニア・ガール)が大ヒット、シングルチャート 第3位 を記録します。 またもう一曲、MEDLEY: JUST A GIGOLO/I AIN’T GOT NOBODY(ジャスト・ア・ジゴロ〜ノーバディ)は 第12位 とそこそこのヒットとなります。

このEP、クレイジー・フロム・ザ・ヒートは 第15位 を記録、アメリカで 100万枚 を売り上げました。

これで行けると踏んだのかどうかわからないが、ついにデイヴはヴァン・ヘイレンを脱退、 ソロの道を歩み始める のでした。

VAN HALEN(ヴァン・ヘイレン)脱退後の1stソロアルバム、EAT ‘EM AND SMILE

デイヴは、ソロアルバムを作成するに当たって、自身のバンドとして 強力な布陣を立てる ことに成功します。

まずはギタリストはSteve Vai(スティーヴ・ヴァイ)。 すでにこの頃にはアルカトラスから脱退したYngwie Malmsteen (イングヴェイ・マルムスティーン) の後任を務める など、ギタリストとしてはかなりなテクニックを持っていました。

ベースはBilly Sheehan(ビリー・シーン)。 後にMr.BIGのベーシストとしても活躍する 技巧派のベースプレイヤー です。

ドラムスはGregg Bissonette(グレッグ・ビソネット)。 スタジオミュージシャンで、後にリンゴ・スターやスティーヴ・ルカサー、ラリー・カールトンといったアーティストのアルバム製作やライヴに参加することになる実力派のドラマーです。

こうして集めたバンドを見ると、間違いなく、デイヴは 超技巧派のバンドを作り上げたかった のがわかります。 なぜか。 それは当然古巣の ヴァン・ヘイレンと張り合うため と言って間違いないでしょう。

エディの超絶ギターテクに対抗するため、 超絶技巧派のミュージシャンを集めて戦いに打って出た のです。 アルバムのタイトルはEAT ‘EM AND SMILE(イート・エム・アンド・スマイル)。 その意味は 「奴らを食って、微笑んで」 という具合で、明らかに古巣の ヴァン・ヘイレンに向けての対抗心むき出しのタイトル となってます。

では1986年にリリースされたデヴィッド・リー・ロスの1stソロアルバム、EAT ‘EM AND SMILE(イート・エム・アンド・スマイル)をご紹介したいと思います。

EAT ‘EM AND SMILE(イート・エム・アンド・スマイル)の楽曲紹介

アルバムのオープニングを飾るのは、YANKEE ROSE(ヤンキー・ローズ)。

イントロではデイヴの声に応じて、 スティーヴ・ヴァイのギターがしゃべっている!! デイヴの強烈なダミ声に対抗して、ヴァイのギターが 変幻自在のプレイ を披露しています。 ギターソロはそれほど強力なものが準備されているわけではないのだが、ところどころでキラリと光るヴァイのギタープレイ。

ヴァイはアルカトラスで既に活躍していたとはいえ、 この人の強力な個性がこのアルバムで花開いた という感じです。 とにかく好き放題にさせてもらってる感があり、非常にギタープレイが楽しめるアルバムになっています。 これが デイヴのソロ活動の一番の収穫なのかも しれません。

このノリノリの陽気なデイヴの魅力全開の曲は、アルバムの先行シングルとしてリリースされ、ビルボード誌シングルチャート 第16位 のヒットとなりました。 また同誌Mainstream Rockチャートでは 第10位 を記録しています。

2曲目は、SHYBOY(シャイボーイ)。

これはまさに超絶技巧ソングですね。 疾走感あふれる楽曲の中で ヴァイのギターが暴れまわって ます。 イントロからいきなりフィードバックからのアーミング、超速弾きからの鋭いバッキング。 それだけでない、途中何度も現れるオブリでは、ヴァイはこれでもかと弾きまくってますが、それに途中からビリー・シーンのベースも絡んできます。 ギターソロは当然超絶な早弾きを披露しているが、その裏での高速ベースプレイにも注目です。 後半の エレキとベースの高速ユニゾンは鳥肌ものの出来 となってます。 これはヴァン・ヘイレンとはちょっと種類の違うハードロックを楽しめる名曲となってます。

3曲目はI’M EASY(アイム・イージー)。

これはオールディーズ風の、いかにも エンターテイナーのデイヴの好きそうな曲 です。 この雰囲気も超絶ギター・ベースコンビはうまくこなしています。 ヴァイのイントロやギターも、弾きすぎず、オールディーズの感じをうまく再現しています。 でも、 一番楽しそうなのはデイヴ です。 陽気にノリノリで歌ってます。

4曲目は、LADIES’ NITE IN BUFFALO?(レイディース・ナイト・イン・バッファロー?)。

一変してシリアスな曲調のシンプルな楽曲ですが、やはり ヴァイの控えめなバッキングが際立って います。 ギターソロも、この渋い楽曲を引き立てています。

5曲目はGOIN’ CRAZY!(ゴーイン・クレイジー!)。

キャッチーでポップな楽曲です。 ギターフレーズもまたも凝ってますし、ソロもいかしてます。 さらにギターソロ後の ビリーのベースによるタッピングハーモニクス も、さすが超絶ミュージシャン、とうならせてくれますね。

この曲はアルバムからの2ndシングルとしてカットされ、 第66位 を記録。 Mainstream Rockチャートでは 第12位 まで上がっています。

6曲目はTOBACCO ROAD(タバコ・ロード)。

これはThe Nashville Teens(ナッシュヴィル・ティーンズ)の楽曲のカバーソングです。 デイヴらしく、ハードなアレンジで再び世に出してくれました。 この曲に関してもヴァイは見事なプレイで、楽しく聴かせてくれてます。 彼のギターテクの引き出しの多さを再確認 させてくれる楽曲となってます。 この曲はMainstream Rockチャートで 第10位 を記録しています。

7曲目はELEPHANT GUN(エレファント・ガン)。

これも 超絶技巧曲 です。 いきなりAメロからベースは超高速ラインを奏でています。 その周りできらびやかにギタープレイが曲を飾り立てています。

もはや デイヴのヴォーカルを聞いてる暇はない ほど、 ヴァイとビリーの技のバトル状態 ですね。 間奏はまずはビリーが高速ベースソロ、そしてそれに負けじとヴァイの高速ギタープレイ。 最後は 高速ユニゾンプレイ で決めだ。 すさまじい楽曲になってます。

8曲目はBIG TROUBLE(ビッグ・トラブル)。

少し地味でクールな楽曲ですが、ここでもヴァイが楽曲を引き立てています。 特にギターソロは完璧です。 アームを微妙にコントロールしながら、メロディアスで高速なプレイを披露 してくれています。 曲が地味なだけに、こんな天才的なプレイが埋もれてしまうのはもったいないですね。 逆に言えば、この時期のヴァイは、持っているものを全部注ぎ込んでいたのだろうと思えます。 そして実際それは彼自身のキャリアアップにつながっていったとも言えるでしょう。

ラスト前の9曲目はBUMP AND GRIND(バンプ・アンド・グラインド)。

ゆったりしたロックンロールナンバーです。 これもヴァイが聴かせてくれます。 ソロの 変態プレイ もいけてますし、かっこいいリフにたびたび加わるオブリがその存在を常に主張してます。 しかし、 デイヴを引き立てる、というところはわきまえているところがヴァイの腕の見せ所 だと思われます。

アルバムラストは、カバーソング、THAT’S LIFE(ザッツ・ライフ)。

やはり、前のEPでも見せたように、 デイヴはこういう楽曲を聴いて育ったんだろうな 、と感じさせられます。 彼の究極の目標は、ハードロックのヴォーカリストより、 アメリカンポップスのエンターテイナー なんじゃなかろうかとも思ってしまいます。 なんでもありなデイヴのソロアルバムは極上のポップスのカバーで締めくくられました。

この曲は3rdシングルとしてカットされ 第85位 を記録しています。

まとめとおすすめポイント

1986年リリースの、デヴィッド・リー・ロスの1stソロアルバム、EAT ‘EM AND SMILE(イート・エム・アンド・スマイル)はアルバムチャートで 第4位 を獲得、アメリカで 200万枚 を売り上げました。

では、デイヴは、ヴァン・ヘイレンの「奴ら」を食っちまうことはできたのでしょうか。 セールスやチャートアクションだけを考えると、 食い損ねた感は否めません。 1984を超えることはできませんでしたし、この後の5150にも完敗でしょう。

しかし、 インパクトは絶大 だったと思います。 やはり、デイヴにはヴァン・ヘイレンの「奴ら」にはない 華 があります。 場を一気に盛り上げる 陽気なヤンキーの代表 のような存在です。 そういう意味では、彼のチャレンジは そこそこ成功した と僕は思います。

結局、彼の目指すものがヴァン・ヘイレンのそれとは大きく異なっていた、ということでしょう。 前のEPやこのアルバムを聴く限り、 彼はエンターテイナーになりたかったんだろう と思われます。 集めたメンバーがヴァイやビリーといったハードロック界の超絶集団だったから、そのようなハードな作品も収められたものの、普通のミュージシャンを集めていたとしたら、 完全なポップスアルバムになってた可能性 もぬぐえません。 なので、このアルバムがそこそこの高い評価を受けられたのは、ひとえに彼のバンドメンバーの人選によると言えるでしょう。

とりわけ スティーヴ・ヴァイは水を得た魚のように、縦横無尽にアルバムの中でそのギターテクを披露 しています。 なので、デイヴは「奴ら」を食い損ねただけでなく、 ヴァイに食われてしまった感さえ あります。

というわけで、デイヴの エンターテイナー的な魅力 が好きな人はきっとこのアルバムを気に入るでしょうし、そこが苦手な人にも、 ギターとベースのテンションの高い高次元なバトル を楽しみたい人にとってもいいアルバムだと思います。

チャート、セールス資料

アーティスト:DAVID LEE ROTH(デヴィッド・リー・ロス)

1stアルバム、EAT ‘EM AND SMILE(イート・エム・アンド・スマイル)

1stシングル YANKEE ROSE(ヤンキー・ローズ) ビルボード誌シングルチャート第16位、同誌Mainstream Rockチャート第10位

2ndシングル GOIN’ CRAZY!(ゴーイン・クレイジー!) シングルチャート第66位、Mainstream Rockチャート第12位

3rdシングル THAT’S LIFE(ザッツ・ライフ) シングルチャート第85位

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