【26課】教案:~んです、Vていただけませんか、Vたらいいですか
動詞のグループ分けの呼び方は、教科書によって違います。学生が違う教科書を使って、あるいは独学で初級前半を学んでいた場合、一度 グループ分けについて確認 したほうがよいです。 1グループ等のほかによく使われるのは、「うverb/るverb」です。これは、その語の語幹ではない部分が、辞書形でどのような形をしているか、から名前が付けられています。 ・1グループ=うverb(u-verb)例:書く(kak-u、kak-i-masu、kak-a-nai等) ・2グループ=るverb(ru-verb)例:食べる(tabe-ru、tabe-masu、tabe-nai等) ・3グループ=irregular verb
「~んです」と「~ます」の違い様々な用法がある「~んです」ですが、原則として事実を淡々と描写する文には使えず、 話し手の何らかの「気持ち・意図」を見せたい ときに使われるものです。したがって、一般的に「~んです」のほうが「~ます」より語調が強くなります。
例: 地球は回っています。(事実の描写) 地球は回っているんです。(「回っている」ということを相手に伝えたい、理解してもらいたい、という話し手の意図がある)
「~んです」のニュアンス、使用場面は説明しきれません。「とにかく日本人と話すしかない。よく使うけど、どこでも使えるわけじゃないからね」 と教授しましょう。
練習A-1:~んです 導入◆この課で扱う「~んです」をいくつか紹介する T:(スーツケースを持った人の絵と、それを見かけた人の会話)この人は、これから何をすると思いますか。 S:旅行に行きます。 T:そうですね。大きい鞄を持っていますから。でも、本当にそうですか?わかりません。このとき、「旅行に行きますか」もいいですが、「旅行に行くんですか」のほうがいいです。
りょこうにいく ん です か。 どうした ん です か。 どうしてかいしゃをやめる ん です か。T:「~んです」の前は何形ですか。 S:ん~・・・普通形ですか? T:そうです。普通形です。動詞だけじゃなくて、い形容詞、な形容詞、名詞もあります。
動詞のグループ分けだけではなく、「○○形」の呼び方も教科書によって違います。普通形(=Plain form)は「Short form」と呼ばれることもあります。
練習◆フラッシュカードやキュー出しで確認 T:「~んです」にしてください。「かきます」 S:書くんです T:行きません S:行かないんです T:食べました S:食べたんです T:ありませんでした S:なかったんです T:寒いです S:寒いんです ・・・
◆文字で確認 『文型練習帳』26ページを使うなどして、「~んです」を文字で確認する。
スリーエーネットワーク 練習A-2:~んですか(確認/情報求め) 導入:確認◆先ほどの絵を使って再び導入 T:大きい鞄を持っています。旅行ですか?本当にそうですか?わかりません。このとき、「旅行に行くんですか」を使います。 T:(酔っぱらっている夫を見た妻)じゃ、これは? S:お酒を飲んだんですか。 T:そうですね。 S:先生、お酒を飲みましたか、じゃだめですか。 T:いいですよ。 S:何が違いますか。 T:「お酒を飲みましたか」は、「飲みましたか?飲みませんでしたか?YES?NO?」を聞きます。でも、「お酒を飲んだんですか」は、「私は、あなたがお酒を飲んだと思いますが、本当にそうですか?」という気持ちがあります。本当にそうですか?確認したいです。チェックしたいです。
りょこうにいく ん です か。 おさけをのんだ ん です か。◆答えるときは「~んです」を使わないことを教授 T:はい、じゃ、また旅行です。旅行に行くと思います。何と聞きますか。 S:旅行に行くんですか。 T:そうですね。じゃ、答えはなんですか。はい、旅行に? S:はい、旅行に行くんです。 T:いいえ。答えるとき、「はい、旅行に行きます」と言います。「んです」を使いません。
りょこうにいく ん です か。 ・・・はい、 (りょこうに)いき ます 。なぜ答えの時に「~んです」を使わないのかというと、「旅行に行く」というのは 事実の描写 にすぎないからです。 一方、のちに「~んです」で答える場面が出てきますが(「どうしたんですか」「頭が痛いんです」等)、これは 理由を述べている ので「~んです」を使います。 また、この課では特に扱いませんが、上記の質問でも 情報を追加して答える 場合は「~んです」を使うことができます(「旅行に行くんですか」「ええ、1か月休んで、ヨーロッパを周遊するんです」等)。 冒頭でも述べたように、この辺りを細かく説明するのは困難です。詳しく知りたい学生には、『翻訳・文法解説』や参考書を紹介するのも手です。
練習B-1◆拡大した絵を用いて行う T:(「例」の見せて)絵を見てください。右の人は傘を持っていますね。雨が降っていると思います。左の人は何と聞きますか。 S:雨が降っているんですか。(リピート練習) T:答えは? S:はい、降っています。(リピート練習) (同様に1~4も行う)
練習◆相手の様子・状況を見て、推論を確認する練習 T:(眠そうなSに)眠いんですか (おしゃれなSに)今日はデートなんですか (嬉しそうなSに)いいことがあったんですか ↓ T:様々なジェスチャー(病気・喜怒哀楽) S:先生、具合が悪いんですか 今日はデートなんですか 結婚したんですか 恋人に会いたいんですか 雨が降っているんですか ↓ T:(眠そうなS1を指さし、S2に発話を促す) S2:S1さん、眠いんですか
活動:『もしかして・・・?』- 様々な指示が描かれたカードを教室の真ん中に広げ置く。
- 例で教師が一枚ジェスチャーを披露する。 S:先生、寒いんですか T:違います S:先生、寂しいんですか T:正解!1ポイント
- S1とS2、二人呼ぶ。それぞれに違うカードを見せる。S1とS2でそれぞれジェスチャーをする。他の学生はそれぞれのジェスチャーが何かを当てる。 S:S1さんは暑いんですか S:S2さんは寒いんですか
★指示カードの例↓ 英語ができる 旅行に行く 家へ帰る 疲れた 消しゴムを探している 頭/歯/足/目が痛い デートなんですか パスポートをなくした 宿題を忘れた トイレへ行きたい 眠い 暇な 暑い 寒い 涼しい 辛い 甘い 重い 寂しい 気分が悪い 気分がいい
導入:情報求め「疑問詞+んですか」で、具体的な情報を求める表現になります。この「~んですか」には、「もっと知りたい」という話者の気持ちが含まれます。 過剰に使いすぎると 興味津々 、という感じで少々違和感が生まれてしまう のですが、その辺をどこまで教えるか学生の様子を見て判断しましょう。
T:(Sの持ち物を使う)素敵なかばんですね。どこで買ったんですか。 S1:中国で… T:買いました S1:中国で買いました。 T:S2さん、いいシャツですね。いつ買ったんですか。 S2:先週買いました。 T:S3さん、大きい財布ですね。どこで買ったんですか。 S3:もらいました。 T:誰にもらったんですか。 S3:父にもらいました。
どこでかった ん です か。 ・・・ ちゅうごくでかい ました 。 練習B-2 練習A-3:どうして~んですか(説明求め/理由求め) 導入:説明求めT:(最初の導入で使った、気持ち悪そうな男の人と、それを見かけた女の人の会話)女の人は、男の人を見つけました。え、どうしたんですか!? S:「どうしましたか」と何が違いますか。 T:「どうしたんですか」は、えっ!?なに?!なんですか!?大丈夫!?どうしたんですか!?(大げさに)というイメージです。ですから、医者。病院の医者は、「どうしたんですか!?」と言いません。「どうしましか」(平然と)と言います。でも私たちは、え、大丈夫ですか!?なんですか、説明してください!この気持ちがあるとき、「どうしたんですか」と言います。
どうした ん です か。T:男の人は、答えます。何と答えますか。 S:気分が悪いです。 T:そうですね。それもいいですが、このときは、「気分が悪いんです」と、「んです」を使ったほうがいいです。 S:どうしてですか。 T:これは、「気分が悪い」ということを説明していますね。この男の人も、気分が悪い、をわかってほしいです。「~んです」は、「本当に?」とか、「知りたい」とか、強い気持ちの時、よく使います。何かを説明するとき、わかってほしいですね。この「わかってほしい」という強い気持ちがありますから、「~んです」を使います。
練習B-3◆拡大した絵を用いて行う T:(「例」の絵を使って)はい、じゃあ、まず左の人。どうしたんですか。(リピートを促す) S:どうしたんですか。(リピート練習) T:答えは? S:頭が痛いんです。(リピート練習) T:そうですね。じゃ、つぎ。1の店員は? S:どうしたんですか。 T:答えは? S:財布を忘れたんです(リピート練習) (続けて2~4も行う)
練習◆いろいろな絵を見せて、「どうしたんですか」に対する返答を考える。 例: 1.財布を無くした人 2.けがをしている人 3.落ち込んでいる人
導入:理由求め◆クラスや学生の状況を話題に導入展開 T:S1さんは今日どうして遅刻したんですか。 S1:すみません、電車が遅れました。 T:電車が遅れたんです。これも、電車が遅れた!をわかってほしいですね。ですから、「~んです」を使います。
どうしておくれた ん です か。 ・・・ でんしゃがおくれた ん です 。(クラスの状況を使うのが難しければ、最初の紹介で使ったものを使用する) T:(男の人と女の人の会話)男の人は言います。「来月、会社を辞めます。」女の人は「え?どうして?」と思います。そして聞きます。「どうして会社を辞めるんですか。」 どうしてだと思いますか。 S:ん~YouTuberになります? T:いいですね。YouTuberになるんです。これも、YouTuberになります!をわかってほしいですね。ですから、「~んです」を使います。
どうしてかいしゃをやめる ん です か。 ・・・YouTuberになる ん です 。 練習B-4 活動:どうして!?- 一人が、もう一人に「どうして~ですか」という質問をする
- 質問をされた側は、「~んです」を使って答える
- 上記を繰り返す
◆理由をつけることで否定が和らぐことを伝える T:(男の人と女の人が会話している絵を見せる)女の人は男の人に聞きます。「毎朝新聞を読みますか」。男の人は答えます。「いいえ、読みません」(ちょっと強めに) S:……。 T:……。 S:…先生? T:もう一つ見ましょう。パーティーをしています。女の人は男の人に聞きます。「ビールはいかがですか」。男の人は答えます。「すみません」(ちょっと強めに) S:……。 T:……どうですか? S:ちょっとこわいです。 T:そうですね。もちろん、いいえ、読みません。すみません。これはいいです。NOがわかります。でも、質問をした人は、「えっ、そうですか…どうして…」と思いますね。ですから、「どうして?」と質問する人が聞く前に、教えるといいです。例えば、「毎朝新聞を読みますか」「いいえ、読みません。時間がないんです」、「ビールはいかがですか」「すみません。車で来たんです」。これで、質問した人も心配しません。こわくないです。
◆学生がNOと答えるような質問をする T:S1さんは朝ごはんを食べますか。 S1:いいえ、食べません。 T:…… S1:時間がないんです。 (T→S、S→Sで練習する)
練習B-5◆キュー出しで行う。答えの部分は、PPTなどで用意しておくとよい T:毎朝新聞を読みますか。(「いいえ/じかんがありません」を見せる) S:いいえ、読みません。時間がないんです。(リピート練習) T:ビールはいかがですか。(「すみません/きょうはくるまできました」を見せる) S:すみません。今日は車で来たんです。 (続けて1~4も練習する)
練習A-5:Vていただけませんか「~ていただけませんか」は言いづらいので、 まずは「~ていただけませんか」の部分のみ口慣らし をし、 その後「~んですが、」と組み合わせ ましょう。なお、 「~ていただ き ませんか」という誤用が散見されるため、注意して指導 しましょう。
導入:Vていただけませんか◆導入 T:(東京タワーの写真を見せる)これは何ですか。 S:東京タワーです。 T:そうですね。私は一人で東京タワーへ行きました。すごいですね。一緒に写真を撮りたいです。でも、一人ですから、誰かにお願いしなければなりません。(状況は絵で見せるとわかりやすい)何と言いますか?すみませんが… S:すみませんが、写真を撮ってください。 T:そうですね。いいです。でも、知らない人ですから、もっと丁寧にお願いしたいですね。そのとき、「写真を撮っていただけませんか」と言います。
しゃしんを とって ください。 しゃしんを とっ て いただ け ませんか 。◆FCか口頭で変換練習 T:じゃ、練習しましょう。教えます。教えていただけませんか。(リピートするよう促す) S:教えていただけませんか。 T:書きます S:書いていただけませんか T:直します S:直していただけませんか 上を何度か繰り返したら、各Sに言わせていく T:説明します。S1さん? S1:説明していただけませんか T:貸します。S2さん? S2:貸していただけませんか
導入:そんなNここでは目の前にあるものを指す 目前用法のみ扱い 、「そんな話は聞いていない」のような 話題用法は扱いません 。
◆教室の中のものを使うなどして、うまくイメージを伝える(大切なのは「その」との違い) T:私は時計が欲しいです。うーん、どんな時計がいいですか……あ、(学生の時計を指す)いいですね。小さくて、でも字が大きくて、丸くて、、、私もそんな時計が欲しいです。どこで買いましたか。 S:中国で買いました。でも…日本で買うことができないと思います。 T:ああ、大丈夫ですよ。「その」時計じゃなくて、「そんな」時計が欲しいんです。「その」時計は、それ。それだけ。でも、「そんな」時計は、うーん、小さくて、字も大きいです。そして丸いです…「それ」じゃないです。でも、「そんな」時計です。
練習C-2 導入:~んですが(前置き)◆絵などで先生と学生が話している場面を見せる T:学生が先生に話します。先生ですから丁寧に話しますよ。「先生、おはようございます。メールアドレスを教えていただけませんか。」…どうですか。 S:(笑) T:(突然学生に話しかける)「S1さん、おはようございます!メールアドレス教えてください!」どうですか。 S1:ちょっとこわいですね。 T:そうですよね。「え?どうして?」と思いますね。
レポートを おくりたい んですが 、 メールアドレスを おしえ て いただけませんか 。 練習B-6◆キュー出しで行う T:「~んですが」と「~ていただけませんか」を使いましょう。生け花を習いたいです、先生を紹介します S:生け花を習いたいんですが、先生を紹介していただけませんか(リピート練習) (同様に1~4も行う)
練習◆「~んですが」にして、丁寧な依頼文を作成する 自転車が故障しました、? アルバイトを探しています、? アルバイトを始めました、? コピーをしたいです、?
練習A-6:疑問詞+Vたらいいですか 導入:Vたらいいですか◆疑問詞(どうやって・どうしたら以外) T:みなさんは、京都へ行ったことがありますか。 S:いいえ、ありません。 T:(京都のバス路線図を見せる)京都はバスがたくさんあります。そして、有名な金閣寺。金閣寺はここです。京都駅から金閣寺へバスで行きたいです。でも…どのバスかわかりませんね。(誰か人物の絵などを見せる)この人は、京都に住んでいます。京都のことをよく知っています。じゃ、聞きましょう。「金閣寺へ行きたいんですが、どのバスに乗ったらいいですか」。
どの バスに のっ た らいいですか 。T:京都へ行くのは、いつがいいですか。春?秋?アドバイスをもらってください。 S:いつ行ったらいいですか。 T:金閣寺と、ほかはどこへ行きますか。 S:どこへ行ったらいいですか。 T:お土産は? S:何を買ったらいいですか。
どの バスに のっ た らいいですか 。 どうやって よやくし た らいいですか 。T:「どうやって」は、やり方とか行き方とか、「~~方」を聞くときに使いますね。じゃ、旅行の会社で予約しましょう。旅行のお金はどうしますか。カード?ATM?聞いてください。 S:どうやってお金を払ったらいいですか。 T:旅行の前に、新幹線の切符をもらわなければなりません。どうやって?聞きましょう。 S:どうやって新幹線の切符をもらったらいいですか。
どの バスに のっ た らいいですか 。 どうやって よやくし た らいいですか 。 どう し たら いいですか 。 練習B-7◆キュー出しで行う T:「~んですが」と「~たらいいですか」を使いましょう。金閣寺へ行きたいです、どのバスに乗りますか S:金閣寺へ行きたいんですが、どのバスに乗ったらいいですか(リピート練習) (同様に1~4も行う)
練習- 空港へ行く道がわかりません。道を歩いている人に聞いてください。
- 駅で切符を買いましたが、おつりが出ません。駅の人に何と言いますか。
- 国へもうすぐ帰ります。日本のお土産を買いたいと思っています。日本人に聞いてください。
- 来週山に登りに行きます。何を持って行きますか。山に登ったことがある人に聞いてください。
- 今電車の中です。渋谷へ行きたいです。どこで乗り換えますか。隣に座っている人に聞いてください。
- 卒業したら、留学します。どの国がいいですか。先生に聞いてください。
- 新しいアパートに引っ越しました。ゴミの捨て方が難しくてわかりません。管理人に聞いてください。
- 先月買ったパソコンが壊れました。あなたはパソコンを買った店に電話します。何と言いますか。
T:(もう一度、京都のおじさんを見せる)もう一度、復習です。金閣寺へ行きたいです。どのバスですか。聞いてください。 S:金閣寺へ行きたいんですが、どのバスに乗ったらいいですか。 T:京都に住んでいる人は、何とアドバイスしますか。バスは101番です。 S:101番です。 T:そうですね。でも、アドバイスするとき、同じ「~たらいいです」を使います。「101番のバスに乗ったらいいですよ」 S:101番のバスに乗ったらいいですよ。
T:でも、これを京都の人じゃなくて、インフォメーションセンターの人に聞きます。インフォメーションセンターの人は、案内のプロですね。プロの人は、アドバイスしません。答えを知っていますから、指示します。「101番のバスに乗ってください」。これはもう勉強しましたね。 S:ほかに例がありますか。 T:そうですね。例えば、あなたはいい成績をとりたいです。このクラスに合格したいです。どうしたらいいですか?友達は「ちゃんと宿題をしたらいいですよ」と言います。先生は?「宿題をしてください」と言いますね。
練習C-3 スリーエーネットワーク スリーエーネットワーク『みんなの日本語 初級I 第二版』完全準拠。導入や練習の仕方、教師として知っておきたい文型のポイントなどを解説します。学習項目練習A1.~たら/~ても2.~たら、~(仮定条件)3.~たら、~(確定条件)4.~ても、~教案新出語彙新出語彙は多.
『みんなの日本語 初級II 第二版』完全準拠。導入や練習の仕方、教師として知っておきたい文型のポイントなどを解説します。学習項目練習A1.可能動詞2.わたしはNがV3.見えます/聞こえます4.Nができました(ない状態→ある状態)5.NしかV.
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