Без кейворда
● ついにきました、中島みゆきの「世情」が流れる中スローモーションで加藤たちが警察に連行されていく、有名すぎるあの回です。 ○ 曲と映像のマッチングは完璧だろうと思うね。完成度、高いよなぁ…。演者さんたちもみんな演技が熱いよ。泣けて泣けて仕方なかった。 ● ひとしきり泣いた後で、つとめて冷静に語ろうとしているという状況ですよね、今。 ○ やっぱり傑作として名高いだけあって、話の流れが劇的。「教師と直談判→警察来る→立てこもり→謝罪勝ち取る→やんやの喝采→世情→連行→金八涙の訴え→愛の鞭」。この流れだもん。そりゃ引き込まれるよ。 ● 加藤の存在感、半端じゃないんですもんね。 ○ 暴力を振るおうとする仲間に「手は出すんじゃねぇ!」と一喝する加藤…。 ● 竹刀教師に「俺たちは教育の権利者だ」と筋立てて訴える加藤…。 ○ 自分らに対してだけでなく、「お袋をバカにしたことを謝れ」とも迫る加藤…。 ● 校長に謝らせてもにこりともしない加藤…。 ○ 一人だけまったく無抵抗で、淡々と連行されていく加藤…。 ● 二中へ行くと決心した時点でその後の展開が全て分かっていたかのような、そんな覚悟、ある種の達観が感じられた、毅然とした加藤でした…。 ○ ただ、連行される途中で、金八先生にだけはちょっと目線をやるんだよね。あれはグッとくるよなぁ。加藤は目の演技もすごく良くてね。この他にも、校庭に到着したクラスメイトに一瞥くれるシーンなんかでもゾクゾクするほど神懸かってたよね。 ● 全くです…うぅ。 ○ まぁ加藤の素晴らしさについては至るところで言い尽くされてるんで、ここの解説は他に譲ろう。このサイトらしいのはやっぱりちょっと変わったマニアック視点。そっちの見どころを挙げてみようか。 ● そうですね。 ○ この回が完成度が高いと言われる由縁は、もちろん加藤のスゴさは言うまでもないんだけど、周りの人々や状況についてもホントに細かく描かれている、そのところにもあると思うんだよね。それぞれの心の内や、バックグラウンドまで見えるような丁寧さで。 ● あぁ〜。二中の大山先生なんてそうでしたね。仏頂面の刑事とか鈴木宗男似の腰ぎんちゃくみたいな教師とか、とことん憎たらしい人物がいる一方で、二中側にも大山先生のような良心がちゃんといて、しかも今年定年だけど信頼を失墜させたままでは退任できないんだというところまで設定があったり。 ○ そうそう。他にも、加藤が乗せられた護送車から加藤を中心に映しながらも3B、金八、そして加藤の母親の悲壮な姿が見えるところなんてホント象徴的で見事な描き方だったし、その後、君塚校長と昔なにか大きな出来事があったと思われる元教え子の刑事が登場したのも物語に深みが出たというか、出会いと教育のロングスパンでの影響力をとても印象づけてくれたし。 ● 魑魅怒呂の収拾に当たったり報道のカメラを必死に止めようとした上林先生も、「らしさ」がしっかり出ていました。 ○ カメラのレンズ鷲掴みだもんな。上林さんは常に冷静でつかみ所のない印象があったけど、あんなふうに身体張るとは。すごく一生懸命ないい先生なんだよね。 ● あと、もちろん忘れちゃいけないのが金八先生。誰もが真似をした「加藤ぉー! 松浦ぁー!」の呼び掛けとかありましたし、加藤に手錠が掛けられるシーンでは「俺の生徒になんばしよっとか、きさん!」と博多弁で叫んでました。そして警察では金八的名言のオンパレード。「我々は毎日人間を作っているんです」を筆頭に珠玉の言葉をアツく畳み掛けてました。 ○ 最後の本気ビンタも名場面だよなぁ。あれ、武田さんのアドリブなんだって! ビンタで大正解だよね。加藤、松浦が心の中に押し留めていたものがウワッと決壊するという。大泣きして、「貴様たちは俺の生徒だ、忘れんなよ」の名セリフね。このあたりがこのシリーズのハイライト。 ● でも最後のあそこ、金八先生噛んじゃうんですよ…。「貴様たちは俺たちの生…俺の生徒だ」って。大事な大事なシーンなのに(笑)。 ○ あはは。あれはまぁ、あの勢いでは現場も止められる雰囲気じゃないだろうし(笑)。 ● あれこれ言うのは野暮ですかね。 ○ 武田さんご自身のお話でも、あのころの自分はまだ若くて器の小さい役者だったので加藤役の直江さんと張り合おうとしてテンション上げ過ぎちゃったとか、悟の父親役の役者さんが次の仕事が迫っていて録り直しができなかったとか、諸説あるようだけど。 ● はい。 ○ まぁまぁ、しかしそれも含めてやっぱりシリーズ中一番印象深い回なのは間違いないよね。 ● それはもうそうですよ。必見も必見、大必見です。 ○ ホント、僕らが改めて言うまでもないんだけど(笑)。
警察で力説! 金八珠玉の名言集- 「彼らはまだ未熟なんです。だから間違うんです。間違ったら繰り返し繰り返し、それが間違いだと教えてやる、これが教育なんです!」
- 「我々はミカンや機械を作ってるんじゃないんです。我々は毎日人間を作っているんです。人間のふれあいの中で我々は生きているんです!」
- 「教師が生徒を信じなかったら、教師はいったい何のために存在してるんですか。お願いです、教えてください!」
- 「僕は僕を教えてくれた先生に、裏切られても裏切られても生徒を信じるのが教師だと、そしてその答えは何十年後かに必ず出ると教えられました」
- 「我々教師が体ごとぶつかっていけば、彼らは必ず分かってくれるんです。そしてもっと正直に言えば、それがもしできなかったら、教師は教師を辞めるべきなんです」
- 桜中職員室で、3Bの口から「みんな一緒に卒業したいんです」のフレーズ登場。後のシリーズでも重視されるようになる大きな要素。
- 魑魅怒呂のメンバーは300人程度いる模様。
- 連行シーンで世情が流れてスローモーションになるのは、生野Dが柳井Pや脚本の小山内さんに内緒でやった演出らしい。
- 暗くなっても警察署の外で加藤と松浦の帰りを待ち続けていた3B。素敵!