【完全保存版】窓の種類(開閉形式)38種類の特徴を解説
また、片引き窓で考える点は、 障子の「内動」「外動」 です。内動は室内側の障子が動くため、室内側の家具などの設置に気を使う必要が有り、外動は逆です。また外動は、網戸の縦框と障子の召合せ框の位置がズレることがあり、外観意匠が良くないです。同一商品でもガラス溝幅違いや、指はさみ防止など仕様でズレる事があります。また、外動は半開で使用すると網戸から虫が入りやすい等デメリットがあり、個人的には、特に指示が無ければ内動を提案します。
両袖片引き、自由片引き(バイパス窓) 特徴の要約- 片引き窓の一種で両袖窓2枚が動くものが「両袖片引き窓」、中央障子1枚が動くものが「自由片引き窓」
- 可動する位置の違いのみなので 特徴は引違い窓、片引き窓と同様
障子Wを均等3分割のにする時 「両袖片引き窓」は注意 が必要です。両袖の障子を同時に開放した時の障子同士の衝突を防止する開口制限があり、障子の半分しか開かない窓となります。障子を全開放したいなら中央のFIX部を障子の2倍以上とするか、3枚建てへ変更してください。
ヘーベシーベ 特徴の要約- 大型の引違い窓(引戸)の事、引違い窓が最大製作幅約2.5mだが、約4mで製作ができる
- ドイツ製の大型ハンドルを回すと、障子が数センチ浮き上がる
- 高価で 一般の住宅サッシにはラインナップが無く 、ビル用のアルミサッシや木製サッシとなる
2枚建ての製作最大サイズが 約W4000、H3000、障子重量約250kg まで可能です。ハンドルを回すと障子が少し浮き上がり、枠と障子の間にクリアランスが出来て気密ゴムの干渉が無くなり、サイズの割に軽い操作でスライドします。日本で販売されているヘーベシーベはどの建具業者も部品がドイツ製のため、似たような製作範囲です。3枚建て、4枚建て、6枚建てなどもメーカーによってラインナップがあり、高級ホテルで利用されるような超大開口が実現します。
また、 コストが引違い窓よりはるかに高い 事はもちろんですが、メンテナンスのコストも高いため採用には注意が必要です。動かなくなったヘーベシーベが放置されている建物をたまに見かけます。
上げ下げ窓 特徴の要約- 上下にスライドして開閉する窓。左右のスペースを取らずに開閉できるため、狭い場所でも設置しやすい
- ビルやオフィスではほとんど採用されない が、住宅はよく使われる。タイプが2種類あり、上下の障子が同時に動く連動ワイヤータイプ、それぞれ障子が個別で動くバランサータイプだが、バランサータイプが主流。
- 海外では開き窓と並びよく見かけるデザイン
採用にあたり最も注意すべき点は、 上げ下げ窓は事故が多い という点です。障子が自由な位置でストップできるように、縦枠と障子の縦框の間にバランサー(スパイラルバランサー)という消耗部品が入ります。採用の際はサッシメーカーが提示する交換目安を建物管理者や使用者に適切に伝えてください。非住宅物件では給食センターなどで良く採用されますが、毎日の開け閉め回数も多い為、特に注意が必要でしょう。
プロジェクト系窓 FIX窓(はめ殺し窓) 特徴の要約- 開閉機能を持たない固定された窓。フレームとガラスのみで構成
- 換気ではなく採光や景観の目的。 住宅では、天井近くや階段の踊り場、廊下 で使用が多い
- デザイン性が高いため、非住宅では建築物の外観を美しく見せる目的で多用される
- プロジェクト系の開閉窓で 一番よく使われる 窓種
- 上下枠に付いた開閉部品で障子が回転するように開く為、吊元側も少し開放し 室内から窓掃除が可能
- 幅の細い窓ではオペレーターハンドルタイプもよく選ばれる
- 開き部品のフリクションステイが上下枠と障子の間に隠蔽される。外開き窓は外部から丁番が見える製品がある
- フリクションステイが回転しながら動くため、 吊元側が100mm程開く 。外開き窓は丁番の為、吊元は開かない
- フリクションステイは少し摩擦の効く部品で、 任意の位置で止める ことが可能(但し風のあおりには注意)。外開き窓は丁番で障子が軽く動くため、開いた状態で固定するには必ず調整器が必要
- また同様にフリクションステイは摩擦があり、開く時に突風で障子があおられづらい
- 高意匠サッシに必ずラインナップ されている
- フリクションステイで障子の上下を支持するため、ドア等でよく起こる戸先の垂れが発生しづらく、 製作範囲が広い 。高さH寸法が2500~3000まで可能な商品があり、外開き窓ならH2000程度
- オペレーターハンドルタイプが住宅では好まれる。通常、網戸を設置する場合は収納網戸か内開き網戸で、窓と網戸の開閉操作が両方必要。オペレーターハンドルの場合は固定網戸を設置しておけば網戸操作が不要
- 吊元側も開くためメイン側の 有効開口が小さくなる こと。外部ハンドル付きの進入口とする際はW寸法に注意。同じサイズなら外開き窓の方が有効は大きい
- 両開きの設定はない。両開きとする場合は外開き窓かドア系となる
また、 サッシW×H=有効面積となりません 。枠のヒレが出ているサッシがありますので注意をしてください。隠し框の高意匠サッシの場合はW×H=有効面積となります。さらに 縦すべり出し窓、外開き窓 を排煙窓として利用する場合は特に注意が必要です。詳細はこちらをどうぞ【Q&A】サッシの有効開口寸法の押さえはどこ?
外開き窓、両開き窓 特徴の要約- 縦すべり出し窓と動きが似ているため使用頻度は低く、最近の住宅用樹脂窓ではラインナップの無い商品も多い
- 両開き窓の設定 があることが最大のメリット。開放感がある
- 開き窓の一種で室内側に開く窓。使用頻度は低く、最近の住宅樹脂窓ではラインナップの無い商品も多い
- 外部に干渉物がある場合に役立つが、引違い窓、上げ下げ窓、内倒し窓も候補となる
- 開いたとき障子の角が室内に出る。海外ではよくある窓だが、 日本人にあまり馴染みがないため衝突事故に注意 が必要
- 通常換気時は内倒し、ガラスの清掃時は内開き の2種類の開閉を切り替えられる(ツーアクション窓も同義)
- 内倒し窓と内開き窓の上位互換的な位置づけ。だが価格は高く、取扱メーカーや商品が少ない
- 縦すべり出し窓に比べ、雨が降り込みづらい
- 縦軸を中心に回転する窓
- ガラスの清掃がしやすく、幅の大きな窓も開きやすいため、昔はよく使用された
- 安全性や換気が重視される現在は、 格子や網戸の設置ができない窓として利用が減少
基本的に 外部も内部も網戸の設置ができません が、室内側に大きく額縁をふかせば収納網戸や開き網戸を設置できます。または、開口制限を設けて室内側に設置します。
サッシ枠の構造は、回転軸の右左で外開き窓と内開き窓に切り替わっています。たて軸回転以外の窓は下枠には30mm程度段差があり、高低差で雨水の浸入を防ぐのですが、内外両方に開くたて軸回転窓は下枠がフラットで段差を作れません。そのため水密性をAT材のヒレゴムのみに頼っており、ゴムが劣化すると 漏水を起こしやすい です。
すべり出し窓(横すべり出し窓) 特徴の要約- 左右の縦枠に可動部品(ヒンジ)が付いた窓で、回転をしながら突き出すように開き、雨が降り込みづらい
- 上部も少し開くため室内からガラスの清掃がしやすい
- オペレーターハンドル仕様があり、 網戸を操作することなく窓の開閉 が可能。高窓もこのタイプが多い
住宅では多く採用されますが、非住宅での採用は少ないです。その原因として、突出し窓とすべり出し窓の区別がついていない人が多い事が理由の一つと考えられます。排煙窓で多用される突出し窓の方が馴染み深いので、手動でも突出し窓を選択する人が多いのだと思います。実際、操作性も清掃のしやすさもすべり出し窓の方が良いため、 手動なら突出し窓よりすべり出し窓 をおすすめします。
横軸回転窓現在ほとんどラインナップされている商品シリーズはありません。構造はたて軸回転窓を90度傾けた形式なので、たて軸回転窓も参照ください。 水密性が悪く、網戸の設置も難しく、コストも高い ため採用する理由はほぼありません。すべり出し窓や突出し窓、外倒し窓、内倒し窓などで代用されます。現在一部の特殊な窓で販売されている商品はあります。
突出し窓(手動) 特徴の要約- 上枠に可動部品(丁番)、下框にハンドルが付いた突き出すように開く雨が降り込みづらい窓
- 機能は「すべり出し窓」と似ています。住宅では操作性の良さ、清掃のしやすさからすべり出し窓がほとんど選ばれます
- 下枠に可動部品(丁番)、上框にツマミが付いた手前に倒す窓。室内からガラスの清掃が容易
- 雨が降り込みづらく、外部の視線を防ぎやすい形式で、住宅のトイレや浴室などで昔から良く採用
製品を選択する場合に確認すべき点は2点です。まず操作部品が指をかけて引っ張るタイプの「トップラッチ」かボタンを押す形式の「タッチラッチ」かです。トップラッチは昔から使われている部品です。また、内倒し窓は室内からのガラス清掃が可能ですが、メーカーによっては 角度制限があり、完全に内に倒れない場合 が有ります。開閉角度の確認が必要です。
排煙窓(外倒し窓、内倒し窓、突出し窓) 特徴の要約- 排煙窓とは火災時に煙を排出する目的で設置される高窓の総称
- 操作方式 「排煙錠」「手動排煙オペレーター」「電動排煙オペレーター」 の大きく3つ
- 排煙窓の窓種は「外倒し窓」「内倒し窓」「突出し窓」が主流だが、引違いやルーバー窓も可能
- 排煙錠:最も安価なタイプで住宅サッシなどで採用される。垂れ下がったボールチェーンを引張り開閉が出来る。突出し窓では利用できない。非住宅で採用する事はほとんどない
- 手動排煙オペレーター:最も採用が多い操作方式。中でも一般的なワイヤー式は壁に取り付けた操作ボックスのボタンでワンタッチで開放し、ハンドルを回し閉鎖できる
- 電動排煙オペレーター:開放も閉鎖も電動で操作できる装置。手動だと窓が遠く、ワイヤー長さが足りない場所や、操作性が悪い場所で採用。また、大規模物件の多連窓でさまざまな動作システムや、防災システムと連動させる場合にも使用。手動に比べてかなりのコストUP。煙感知器連動で開放のみ必要な場合は、開放は煙感連動電動で手動閉鎖のタイプを利用すれば、電動よりはコストが下がる。
- 外倒し窓:雨が降り込みやすい。網戸は室内固定網戸。外部に庇や軒がある場合に有効面積で注意。連窓数も比較的増やしやすい為、 最も使用されている
- 内倒し窓:外倒し窓よりは雨が降り込みづらい。網戸が外付けで外観意匠は良くないが室内からガラスの掃除が可能。上枠レベル=天井レベルの場合に有効面積に注意。外倒し窓と同様で、 連窓数は比較的増やしやすい
- 突出し窓:雨が降り込みづらい。網戸は室内固定網戸。最近では良く採用される形式だが、各規定や指針に突出し窓の有効面積に関する記載が無く物件毎に確認必要。突出し窓は多少コストが高い。 連窓数の制限は厳しいが、逆に閉鎖のハンドル操作は比較的軽い
またもう一つ確認するのは、サッシ枠周りの排煙金物(ダンパーや滑車、ワイヤーなど)が 「露出タイプ」 か 「隠蔽タイプ」 かです。一部のサッシでは選択出来ない場合も有りますが、選択できる場合は下記の通りです。
- 露出:安価だが意匠性で劣る 。室内に金物が露出するため網戸設置の為に50mm程度額縁のふかしが必要。内装無しの納まりや、無目ありの意匠では付け部材が必要となる。意匠性を求めない建築物や、見えづらい高窓で使用。金物単品のコストも安いが、連窓数も増やしやすいため、窓数が多いと価格差は大きくなる
- 隠蔽:金物が見えないため 意匠性は高いがコストも高い 。金物が無いため、網戸を枠にベタ付けできる。また露出とは逆に、排煙金物のコストも高く、連窓数の制限も厳しい
また、これはプロジェクト系窓共通事項ですが、 サッシW×H=有効面積となりません 。標準サッシは枠からヒレが出ているため注意をしてください。隠し框サッシの場合はW×H=有効面積となります。
ガラスルーバー窓 特徴の要約- 複数の水平なガラス板を並べ、操作ハンドルを回すことで開閉操作が可能
- ガラス板の角度を変え、風の流れを自由に調整可能。 視線を遮りつつ換気 が行える
- 住宅では昔から良く採用されるが、 気密性、断熱性、防犯性で劣る ため、メーカーの商品ラインナップから消えつつあり採用数も減っている。非住宅物件では採用されない。
- 動作はガラスルーバー窓に似ており平行なガラスが、操作ハンドルを回すことで開閉するが、一枚のガラスサイズが大きく、アルミのフレームがある。 小さい突出し窓が縦に並んだような窓
- 障子の角度を変え、風の流れを自由に調整可能。フレームがある為ガラスルーバーよりは気密性、断熱性が高い
- 採用数も少なく、住宅サッシでは最近は見かけず、ビル用サッシでも少なくなっている。よほどこだわりがある場合以外は窓種の代替が出来ないか検討
- ガラスでできた厚みのあるブロックを並べて作られる窓
- デザイン・意匠性で選択されるが、ブロック間には鉄筋があり 防犯性が高く、目隠し、遮音性 などもメリット
ガラスブロックは構造的に中空層がある為、断熱性能が高いと一般的に言われます。実際、筆者が冬にガラスブロックを確認したことが無い為アンケートをとりました。結果:結露する→75% 結露しない→25%地域や室内の湿度などの影響も大きい為、一概には言えませんが、 フロートガラスよりは断熱性能が高い が結露はするようです。また、通常はガラスブロック専用のサッシ枠にブロックを施工します。ガラスブロック専用枠は樹脂製などは無くアルミサッシのみなので、枠の結露は注意が必要です。
ガラリ、可動ガラリ、防水ガラリ(縦ガラリ) 特徴の要約- 設備などの給排気目的で設置される、ルーバーや羽根を均等に配置したサッシ
- ガラスはないが、プロジェクト系窓に分類される。住宅で使用されることはほとんどない
- 可動ガラリは羽根が閉鎖するガラリの事で、スチールサッシに防火ダンパーを付けて使用する事が多い
ガラリでの最重要事項は、有効開口率、有効開口面積です。目安ですが、多くの ガラリが有効開口率30~40%前後 、つまり1㎡のサッシであれば0.3~0.4㎡が有効面積です。サッシのWHや羽根の形状でも開口率は大きく変わりますので、窓番毎に確認が必要です。
- WHサイズを変更。最も一般的
- 有効開口率が大きな製品に変更
- 羽根の形状を変更
- 羽根のピッチを変更
次に検討すべきは、 ガラリに設置するネット の種類です。
- 防鳥網:エキスパンドメタル又クリンプネットなどのSUS材で目が10mm程度
- 防虫網:いわゆる、窓についている網戸を固定しているもの。ダクトの吸排気で目詰まりしやすい。樹脂もSUSもあり
次に、 ダクトとの接続納まり の確認が必要です。チャンバーボックスは建具工事で設置する例が多いです。取合いをシールで納めるためメンテの為にガラリの羽根が脱着式になっているか確認が必要です。
次に 防火設備 について、アルミサッシは可動ガラリもありますが防火設備では無く、あまり使用されません。アルミガラリで防火性能が必要な場合は、サッシとは別でダクト内で防火処理する必要があります。
最後に、ガラリは防水性が無く強風が吹けば、かなり水が吹き込みます。 雨水吹き込みがNGの場合は「防水ガラリ」 を採用します。「縦ガラリ」とも呼ばれ複雑な形状の羽根が縦に並んでおり、迷路形状で雨水の浸入を防ぎます。複雑な形状のためアルミ量が多く高価な商品です。意匠的に横ガラリにしたい場合は、縦ガラリの外部に横材を化粧で設置しますので更に高価になります。
その他 特殊窓 出窓壁面から突き出している窓の総称で、実質の窓種はFIX窓、引違い窓、開き窓などの組み合わせです。デザイン、断熱性、結露から 時代とともに少なく なっています。ビル用サッシではラインナップが無くなりつつあり、住宅用サッシでも新商品の樹脂サッシではラインナップが無いのが現状です。もし、どうしても製作したい場合は窓の組み合わせですので、作る事は可能です。しかしもともと高い出窓を標準品の組み合わせで製作となるとかなり高価になると考えられます。