シューベルト 交響曲第4番『悲劇的』D.417
第1楽章の力強さはこのコンビの良さが出た音楽です。鋭いアクセントのあるトランペットやバロック・ティンパニが良く生かされています。 序奏でのトゥッティの力強さ、主部の弦はとても情熱的 です。金管のアクセントも効果的で非常にリズミカルな音楽となっています。第2楽章は少し速めのテンポで精妙な感情表現です。木管も色彩的に響きます。第3楽章は小気味良くリズミカルです。第4楽章も速めのテンポで情熱的です。 同時に品格が感じられます。 力強く曲を締めくくります。
ベーム=ベルリン・フィル (1971年) 重厚でベートヴェンのような力強さ指揮 カール・ベーム 演奏 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ベームとベルリン・フィルの昔から人気の高い演奏です。全体的に遅めのテンポですがスケールが大きく、全集の赤でも 『未完成』の名演を思い出させるような名演奏 です。
第1楽章の序奏は素晴らしい演奏で、スケールが大きいのにシューベルトらしさも失っていません。 強い感情が入っていて味わい深い演奏 です。主部はテンポが遅めですが、 上手く疾走感を出していて、ベルリンフィルの重厚な響きはベートーヴェン的な密度の濃さ を感じさせます。重厚に聴こえて実は軽妙さもあるのが、ベームの良さで、シューベルトらしさと強い情熱を併せ持つ名演です。第2楽章も遅めですが、 じっくりと味わい深く演奏していて、とても充実感 があります。この辺りの歌いまわしはさすがベームです。これだけスケール大きく弦を響かせても、第4番にフィットしています。
第3楽章は遅めで重厚です。これは1970年代の演奏なので、今聴くとスローモーションのように聴こえます。 慣れてくれば、オーストリア的な味わいがある演奏 です。第4楽章はかなり遅いです。 『悲劇的』な淡い味わいがある演奏で、内容は充実 しています。盛り上がってくるとスケールが大きく、遅いテンポの意味が分かります。展開部も上手い表現で、丁寧に演奏されています。終盤はダイナミックに盛り上がって締めくくります。
ヘレヴェッヘ=ロイヤル・フランダース・フィル 激しい感情をストレートに表現指揮 フィリップ・ヘレヴェッヘ 演奏 ロイヤル・フランダース・フィルハーモニー管弦楽団
ヘレヴェッヘとロイヤル・フランダース・フィルの演奏です。シューベルトの初期交響曲をモダンオケで演奏すべきか、古楽器オケで演奏すべきかは迷う所ですが、ヘレヴェッヘの場合は、シャンゼリゼ管弦楽団と演奏したほうが刺激的で面白かったかも知れませんね。ロイヤル・フランダース・フィルとの演奏もピリオド奏法に近いです。ヘレヴェッヘはモダンオケでも古楽器オケでもかなりロマンティックで感情を入れた演奏が多いですけど。
第1楽章は 古楽器オケのように鋭くティンパニを打ち込んでいます 。最初の一音で引き込まれるエネルギーがあります。弦はメッサデヴォーチェを上手く使い、ロマンティックな演奏です。主部は 速いテンポで情熱的な疾走感 があります。弦のしなやかさが上手く対比されています。上品なイメージが付きまとうシューベルトの固定観念を覆すような容赦ない鋭いアクセントでストレートな演奏です。第2楽章は遅めのテンポでじっくり歌っています。オケのほうはもう少ししなやかさがあった方がいいかな、と思いますが、モダンオケのピリオド奏法としては表情豊かです。 弦も管も艶やかさがあり、響きが美しい です。
第3楽章は シャープでリズミカルで躍動感 があります。中間部は素朴ですが、なめらかなメロディラインが良く生きています。第4楽章は 上手く疾走感を出していて、シャープで小気味良い演奏 です。一方、メロディラインには艶やかさがあり、ダイナミックさと対比させています。後半の盛り上がりもダイナミックでスケールも大きいです。 この楽章は特にスリリングで名演 と思います。
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アーノンクール=ヨーロッパ室内管弦楽団指揮 ニコラウス・アーノンクール 演奏 ヨーロッパ室内管弦楽団
1991年 (ステレオ/カラー/NTSC/Region All)
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楽譜・スコア
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