AIの電力飢餓を救うか?磁石の常識を覆す新素材、メモリ消費を1/10にする世紀の大発見
具体的には、「スピン軌道トルク(SOT: Spin-Orbit Torque)」と呼ばれる技術を利用する。これは、物質にごく弱い電流を流すことでスピンの流れを生成し、その力(トルク)で磁化の向きを回転させる手法だ。新素材が持つ生来の「傾き」のおかげで、このSOTによるわずかな力だけで、まるでシーソーを軽く押すように、磁化の向きを効率的に「上」から「下」へ、あるいはその逆へと反転させることが可能になる。
専門的には「磁場フリーSOTスイッチング(Field-Free SOT Switching)」と呼ばれるこの技術こそが、超低消費電力メモリ実現の核となるのだ。
新素材「CFGT」の驚くべき構造
(Credit: Chalmers University of Technology)
この魔法のような特性を持つ新素材の正体は、「(Co0.5Fe0.5)5-xGeTe₂」、研究チームが名付けた略称は「CFGT」だ。コバルト(Co)、鉄(Fe)、ゲルマニウム(Ge)、テルル(Te)という4つの元素から構成される合金である。
原子一層の厚みを持つ「2次元材料」CFGTの特筆すべき点は、これがグラフェンに代表される「2次元材料(2D Material)」であることだ。2次元材料とは、物質が縦横には広がっているものの、厚み方向には原子1個から数個分という、究極に薄いシート状の結晶を指す。
磁性の鍵を握る「原子の空席」AI時代の未来を照らす光となるか
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- Advanced Materials: Coexisting Non-Trivial Van der Waals Magnetic Orders Enable Field-Free Spin-Orbit Torque Magnetization Dynamics
参考文献
- Phys.org: Coexisting magnetic states in 2D material promise major energy savings in memory chips