源氏物語『桐壷・光源氏の誕生(前の世にも御契りや〜)』のわかりやすい現代語訳・解説
はじめよりおしなべての (※9)上宮仕へ し給ふべき際にはあらざりき。 (※10)おぼえ いとやむごとなく、上衆めかしけれど、わりなくまつはさせ給ふあまりに、さるべき御 (※11)遊び の折々、何事にもゆゑある事のふしぶしには、まづ参上らせ給ふ、ある時には (※12)大殿籠り 過ぐして、やがて候はせ給ひなど、あながちに御前去らずもてなさせ給ひしほどに、おのづから軽き方にも見えしを、この御子生まれ給ひて後は、いと心異に思ほしおきてたれば、坊にも、ようせずは、この御子の居給ふべきなめりと、一の皇子の女御は思し疑へり。
かしこき (※13)御蔭 をば頼み聞こえながら、 (※14)おとしめ 疵を求め給ふ人は多く、わが身はか弱くものはかなきありさまにて、なかなかなるもの思ひをぞし給ふ。
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