現場で役立つ鉄筋量計算と拾い出しの実務知識|加工帳作成から管理まで網羅
積算の際の鉄筋拾い出しについては、設計寸法で行うことが基本である。 ・鉄筋の加工については、実際にコンクリートとの関係性を考えて必要長さを定める ・鉄筋コンクリート構造配筋標準図などを参考にする ・鉄筋のかぶり厚さ、あきや間隔、折り曲げ寸法、フック長さ、継手長さ、定着長さなどに注意する ・部位ごとにも細かく規定があるため、管理においても注意が必要である ・積算の際の鉄筋の拾い出しは、エクセルテンプレートを使うと便利です
鉄筋のかぶり厚さ水、空気、酸、塩による鉄筋の腐食を防止し、鉄筋とコンクリートとを有効に付着させること。 建築基準法施行令79条には、鉄筋に対するコンクリートのかぶり厚さについて、次のように規定されている。 ・耐力壁以外の壁、床にあっては 2cm以上 ・耐力壁、柱、はりにあっては 3cm以上 ・直接土に接する壁、柱、床、はり、布基礎の立上り部分にあっては 4cm以上 ・布基礎の立上り部分を除く基礎にあっては、捨コンクリートの部分を除いて 6cm以上
鉄筋のかぶり厚さは、コンクリート表面から鉄筋表面の最短距離のことである。 ・最小かぶり厚さと、設計かぶり厚さがある ・異形棒鋼の場合は、節やリブに注意する ・最小かぶり厚さは、建築基準法上必要とされる最低寸法である ・設計かぶり厚さは、施工精度を考慮して、最小かぶり厚さに10mmを加味した寸法である ・土に接する部分の「梁」のとき、最小かぶり厚さは40mm以上、設計かぶり厚さは50mm以上 ・ひび割れ防止の伸縮目地を考慮した場合、かぶり厚が損なわれることなく、適切なかぶり厚を確保する
鉄筋のあき・間隔JASS5では、次の3点のうち、最も大きなあきを採用するとされている。 ・コンクリートを構成するうちの最も大きな材料となる粗骨材の最大寸法25mm以上 ・粗骨材寸法の1.25倍以上 ・鉄筋径毎のあきの確保し 1.5D以上
コンクリート示方書では、次のように規定されている。 ・はりにおける軸方向鉄筋の水平のあきは 20mm以上 ・柱における軸方向鉄筋のあきは 40mm以上 ・粗骨材の最大寸法の 4/3倍以上 ・鉄筋直径以上とし、棒型振動機を差し込むためのあきを確保すること
継手の種類によってもあき寸法は異なるため、注意が必要である。 ・圧接接手であれば、ガス圧接部分であきを考慮しなくても良い ・重ね継手や機械式継手の場合は、継手部は鉄筋が重なり、カプラー等の厚み分あきが一般部より狭くなる ・継手部は、特に必要なあき寸法の確保に注意する
鉄筋の折り曲げ寸法折り曲げ角度と折り曲げ寸法は、鉄筋の折れ破断を防ぐため、所定の寸法が定められている。 柱梁基礎の主筋については、 ・SD295、SD345の場合、D16以下、最小内法直径は3d以上、標準5d以上 ・D19~D38で、最小内法直径は 4d以上、標準6d以上 ・D41で、最小内法直径は 5d以上、標準7d以上 ・SD390の場合は、D41以下で、最小内法直径は 5d以上、標準7d以上
通常は、最小値を用いてよいとされている。 ・柱梁接合部での定着は、標準値を用いらなければならない ・適切な補強を施すことで、最小値を用いることができる ・余長については、180°で4d以上、135°で6d以上、90°で10d以上必要となる
鉄筋の継手建築基準法施行令第73条には、柱、梁(基礎梁を除く)の出隅部分、煙突以外の部分に使用する部位の異形鉄筋について、次のように規定されている。 ・鉄筋の末端は、かぎ状に折り曲げて、コンクリートから抜け出ないように定着する 主筋、耐力壁の鉄筋の継手の重ね長さは、継手を構造部材における引張力の最も小さい部分に設ける場合では、 ・主筋等の径(径の異なる主筋等をつなぐ場合にあっては、細い主筋等の径)の25倍(軽量コンクリートでは30倍)以上 継手を引張り力の最も小さい部分以外の部分に設ける場合は、 ・主筋等の径の40倍(軽量コンクリートでは50倍)以上 柱に取り付ける梁の引張り鉄筋は、柱の主筋に溶接する場合を除き、柱に定着される部分の長さをその径の40倍以上としなければならない。
重ね継手は、鉄筋の種類、コンクリートの設計基準強度、折り曲げ(フック)形状ごとに応力が適切に伝わるよう、所定の長さL1が定められており、余長を含めて、必要長さを確保しなければならない。 ・圧接接手は、縮みが発生するため余裕を見て必要長さを確保する ・重ね継手は、D32 程度までの鉄筋に用いられ、D35以上の異形鉄筋には原則重ね継手を用いてはならない
ガス圧接継手は、一般にD19~D51の鉄筋に用いられる。 監理者により、技量付加試験等による次のような圧接の性能が確認される。 ・鉄筋の圧接端は、鉄筋軸に直角で平滑なこと ・鉄筋端面を突き合わせて隙間がないこと ・さび、モルタル、ペンキなどの有害な付着物を取り除くこと ・圧接箇所では曲げ加工しないこと ・圧接を行う場合の鉄筋は、同一種類間、または強度的に直近な種類間とすること ・同一種類の鉄筋で、その径または呼び名の差が 7mm を超える場合は、原則として圧接しない
継手長さについて、次のように規定されている。 ・SD295でコンクリートの設計基準強度Fcが21のときは、一般部で 40d直線、30dフック付きとする ・コンクリートの設計基準強度Fcが30のときは、35d直線、25dフック付きとする ・コンクリートの設計基準強度があがるほど、継手長さは短くなる傾向となる ・軽量コンクリートを使用する場合は、これらの数値に5dを加算する ・継手長さの計算と管理をエクセルで行う
鉄筋の定着鉄筋は柱と梁、柱と基礎など部材同士に適切に力を伝達する役割を果たすため、定着長さが規定されている。 ・定着長さとは、躯体間に十分に差し込むべき鉄筋長さをいう ・定着長さは、L2で表され、一般に継手長さより5d小さい値となる ・定着長さは、鉄筋の種類、コンクリートの設計基準強度、折り曲げ(フック)形状、下端筋の部位ごとに所定の長さが定められている ・定着長さは、余長を含めて、必要長さを確保する ・SD295でコンクリートの設計基準強度Fcが21のとき、一般部は 35dの直線、20dフック付きとする ・小梁や片持梁、片持ちスラブの下端筋は 25dの直線、15dのフック付きとする ・床や屋根スラブの下端筋は、10dかつ150mm以上が必要である