もう一度乗りたい!初の愛車 ホンダ「CR-X」で学んだ気持ちいい乗り味の極意
岡崎:初代CR-Xは、まさにFFのライトウエイトスポーツカーだった。僕が買ったのは初期型の「1.5i」というグレードで、1.5リッターのSOHCエンジンは最高出力110馬力とかなり非力だった。とはいえ、車重は800kgしかなく、ホイールベースも2200mmと極端に短かったから、コーナーでは驚くほど曲がる曲がる! 峠道などもヒラヒラと抜けていくんだ。あんな乗り味のクルマって、後にも先にも経験したことがないね。
ーーFR車といえば、初代CR-Xがデビューした1983年の5月に、トヨタから“AE86型”「カローラ レビン」と「スプリンター トレノ」が登場しています。当時、ライバル関係にあった両車ですが、CR-X乗りだった五朗さんはハチロクに対し、どんな印象をお持ちでしたか?
岡崎:当時、友だちがハチロクを持っていたので乗せてもらったことがあるんだけど、第一印象は「トラックみたいな乗り味じゃん!」というものだった(苦笑)。それくらいCR-Xは、ハチロクと比べて走りが格段に軽快だったんだ。
■パワーアップの罠に陥ってしまったCR-X岡崎:極論すると、初代CR-Xはシビックのホイールベースを短くしてファストバックに仕立てた、なんの変哲もないクルマ。FRのライトウエイトオープンカーを復活させたマツダの「ロードスター」は、フィアット「バルケッタ」やメルセデス・ベンツ「SLK」、アウディ「TTロードスター」といった多くのフォロワーを生み出したけれど、CR-Xの世界観が各国の自動車メーカーに影響を与えることは一切なく、商業的にも大した成功を収めることはできなかった。
岡崎:「ヴィータ」をベースとしたオペルの「ティグラ」とか、「ゴルフ」ベースのフォルクスワーゲン「コラード」など、過去、ハッチバックから派生したクーペはいくつかあったけれど、その多くはプレミアムな仕立てで、スポーツカーと呼べるものは少ないように思う。
岡崎:確かに、ZCやVTECによってパワーアップしたんだけど、初代の1.5iが持っていた“圧倒的に軽く、圧倒的に軽快”というドライブフィールは、どんどん希薄になっていった。パワーアップするとスタビリティを高めないと危険、というのは分かるんだけど、持ち味が失われてしまったのはとても残念だよね。
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