1-2. 信号波とキャリア / PWM波形再現
図1の信号波とキャリアを抜き出します。 図2 図中の信号波は正弦波 、キャリアは三角波の関数 (後述)を使って $$ A_s\sin(2\pi f_s t)\\ A_c\ \mathrm(2\pi f_c t) $$とそれぞれ表します。式の右側の$f_s$と$f_c$は周波数を表していて、キャリアと信号波の周波数はそれぞれ独立して扱われることがわかります。通常は信号波の周波数($f_s$)よりキャリア周波数($f_c$)のほうが高く設定されます。$f$の右下の添え字はそれぞれ信号波(Signal wave)のs、キャリア(Carrier)のcです。
三角波の関数$\mathrm$について
本記事で用いる三角波は以下の図のような形状をしています。 図3 三角波は、横軸(角度$\theta$)0→90°で縦軸0→1に上昇し、90→270°で1→-1に下降、270→360°で-1→0に上昇するといった形を取ります。上昇と下降のタイミングが正弦波と同じなのでわかりやすいかなと思います。
本記事では、この三角波の数式を $$ \mathrm\ \theta $$と表記して扱っています。
信号波とキャリアの別名称
- 英語と対になること(信号 ⇔ Signal)
- 英語と発音が似ている(Shingou, Signal)
- 「変調波」では変調された後の波なのか、変調される前の波なのかがわかりにくい
- 英語をそのままカタカナにしたもの(キャリア ⇔ Carrier)
- 「搬送波」では「信号波」と文字数が同じで視認性が悪い
扱う変数
- 信号波振幅$A_s$
- 信号波周波数$f_s$
- キャリア周波数$f_c$
「3つも変数をいじるなんて、再現が大変だ」と思いますか?実は、いじる必要のある変数は実質的にキャリア周波数$f_c$のみになります。どういうことかというと、車両ごとに大きく設定が異なるのはキャリア周波数$f_c$のみで、それ以外の変数は車両によらずほぼ共通の値の変え方 1 になるからです。実質1変数なので、PWM波形再現はそれほど難しいものではありません。
変数の記号の由来
まとめ
- 信号波には正弦波、キャリアには三角波が基本的に使われる
- 信号波とキャリアに正弦波・三角波を使う場合、数式では$A_s\sin(2\pi f_s t)$、$A_c\ \mathrm(2\pi f_c t)$と表される
- 当サークルでは採用していないが、文献によっては信号波を変調波、キャリアを搬送波と呼ぶことがある
- 基本的に扱う変数は信号波振幅$A_s$、信号波周波数$f_s$、キャリアの周波数$f_c$の3つ
- 積極的にいじる必要のある変数はキャリア周波数$f_c$だけ
- 変数の記号の由来はAmplitude(振幅)、frequency(周波数)
- 変数の値は加速とともに単調に上げていく形になります。↩