HSコード通則6 号の分類の原則
号(6桁のHSコード)の決定を行うためには、分類を行おうとする物品の項(4桁のHSコード)が決定している必要があります。項の所属を決定する前に号を決定することはできません。よくある間違いは、分類を行おうとする物品と似た表現の号があることから、項の所属を決定する前に、その類似の表現がある号に分類されると結論付けることです。似た表現のある号が所属する他の項に誤って分類するということはよくある間違いなので注意が必要です。
エチレン-酢酸ビニル共重合体の事例第3901.30号に「エチレン-酢酸ビニル共重合体」という号があります。しかしながら、この号に全てのエチレン-酢酸ビニル共重合体が分類されるわけではありません。第39.01項(エチレンの重合体)に分類されるエチレン-酢酸ビニル共重合体は、エチレンのモノマーユニットの重量が酢酸ビニルのモノマーユニットの重量を上回る場合のみです。 もし、酢酸ビニルのモノマーユニットの重量がを上回る場合には、第39.01項に分類されず、第39.05項(酢酸ビニルその他のビニルエステルの重合体及びその他のビニル重合体)に分類されます。このエチレン-酢酸ビニル共重合体は、第3905.21号又は3905.29号(酢酸ビニルの共重合体)に分類されます。 まず、エチレン-酢酸ビニル共重合体が第39.01項又は第39.05項の何れかに分類されるかを決定しなければ、号のHSコードは決定できません。 共重合体の分類及びモノマーユニットについては本サイトの解説記事をご参照ください。
39.01 エチレンの重合体(一次製品に限る。)3901.10-比重が 0.94 未満のポリエチレン3901.20-比重が 0.94 以上のポリエチレン3901.30-エチレン-酢酸ビニル共重合体(以下略)
39.05 酢酸ビニルその他のビニルエステルの重合体及びその他のビニル重合体(一次製品に限る。)-ポリ(酢酸ビニル)3905.12--水に分散しているもの3905.19--その他のもの-酢酸ビニルの共重合体3905.21--水に分散しているもの3905.29--その他のもの(以下略)
号の分類に当たっての原則
号の決定に当たっては、同一水準にある号のみを比較します。「同一の水準にある号」とは、号の規定中の1段落ちの号(水準1:通常HS5桁)又は2段落ちの号(水準2:通常HS6桁)をいいます。 従って、まず、一段落ちレベルでの分類を決定し、次に2段落ちレベルの分類を決定します。 2段落ちの号の範囲は、2段落ちの号の属する1段落ちの号の範囲を超えて拡大してはなりません。また1段落ちの号の範囲は、1段落ちの号の属する項の範囲を超えて拡大してはなりません。
1段落ちの分類を決定してから、2段落ちの分類を決定する号の分類への部注及び類注の適用
HS品目表に関する通則1から5までの規定は、同一項(HS4桁)中の号(HS6桁)レベルでの所属の決定についても準用します。号の分類に当たっては、文脈により別に解釈される場合を除くほか、関係する部又は類の注も適用します。 「文脈により別に解釈される場合を除くほか」とは、これらの部又は類の注が号の記載又は号注と矛盾する場合を指します。 例えば次のような事例があります。
第7110.11号及び第7110.19号の「白金」の事例71 類注4(B) 「白金」とは、白金、イリジウム、オスミウム、パラジウム、ロジウム、ルチニウムをいう。
ところが、第71.10項の細分(号)には、白金、パラジウム、ロジウム、イリジウム、オスミウム、パラジウム、ロジウム、ルチニウムがあります。ここで、7110.11 号と7110.19 号の「白金」は、71 類注4(B)の規定と矛盾することとなります。
71.10 白金(加工してないもの、一次製品及び粉状のものに限る。)-白金7110.11--加工してないもの及び粉状のもの7110.19--その他のもの-パラジウム7110.21--加工してないもの及び粉状のもの7110.29--その他のもの-ロジウム7110.31--加工してないもの及び粉状のもの7110.39--その他のもの-イリジウム、オスミウム及びルテニウム7110.41--加工してないもの及び粉状のもの7110.49--その他のもの
そこで、第71類号注2により、7110.11 号と7110.19 号の「白金」には、イリジウム、オスミウム、パラジウム、ロジウム、ルチニウムは含まないことを明確にしています。
71類号注2 第7110.11号及び第7110.19号において白金には、注4(B)の規定にかかわらず、イリジウム、オスミウム、パラジウム、ロジウム、ルチニウムを含まない。
- 通則1 関税分類の大原則
- 通則2 未完成の完成品、2以上の物質からなる物品の分類
- 通則3 二以上の項に属すると みられる場合の分類
- 通則4 どの項にも該当しない物品の分類
- 通則5 ケース、容器、包装材料の取扱い
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