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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free." 複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 報道、記録、文化のために

葛藤も不安も、恋愛もあった…伝説から史実へ。「手塚治虫とトキワ荘」中川右介

  • 作者: 中川右介
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2019/05/24
  • メディア: 単行本
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日本のマンガは、このアパートから生まれた。 手塚治虫、藤子・F・不二雄、藤子不二雄A、石ノ森章太郎、赤塚不二夫 ……若き日の巨匠たちが集った聖地・トキワ荘。 日本のマンガ出版史を描き切る決定版評伝。

東京都豊島区椎名町にあった木造二階建てのアパート、トキワ荘。 1950年代、ここに住んだ手塚治虫の後を追うように、 藤子不二雄A、藤子・F・不二雄、石ノ森章太郎、赤塚不二夫らが居住したことで、 このアパートはマンガ史に残る「聖地」となった。 戦後、日本のマンガ雑誌が、月刊誌から週刊誌へと変貌していく過程で、 トキワ荘に集ったマンガ家たちがたどった運命、 そして、今もトキワ荘が伝説となって語り継がれるのはなぜか。 膨大な資料をもとに、手塚治虫とトキワ荘グループの業績を再構築し、 日本マンガ史を解読する「群像評伝」!

彼らはみな東京以外で生まれ育った。 マンガ家になろうと東京に出てきたとき、どうして同じアパートに住んだのか。 まるで神の見えない手に導かれたかのようだ。 しかし、広い東京で偶然ということはありえない。誰かが、彼らを一箇所に集めたのである。 「マンガの神様」と称された手塚治虫なのか。どこかの雑誌の編集部なのか。 『手塚治虫とトキワ荘』は、この「誰か」を突き止めようということから出発した。 〈「青春と読書」2019年6月号より抜粋〉

面白いけど伝説に彩られ過ぎな「トキワ荘物語」を、どう厳密な事実に基づいた「正史」とするか。完全ではないが一つの試みだろう。 ただ…この本を評論するのに正直自分は、ふさわしくないと思う。 というのは各種のプロレス本なんかもそうだけど(笑)、この有名なトキワ荘を巡る物語―群像劇なので証言者も多数だ―に対して、かなり自分は いろんな本やドキュメンタリーなどを見たり読んだりしている。 そのせいで、1から説き起こした通史本を読むと、正直大抵のことは知ってるんですよね。ただし、この一冊でトキワ荘のことを知りたいという人には、 そういう部分は欠くべからざる情報なわけで、初めから受け止め方にギャップはある。 そういう意味で、自分はこの本に熱狂するには、エピソードや話の流れを『知り過ぎて』しまっていたけど、本来的には「一冊でトキワ荘の歴史を知る」という第一義的な意味においても、なかなか堅実な作りがされた本だとは思います。

伝説と正史という話でいえば、「トキワ荘をめぐる物語」は、ほとんどが クリエイターとその周辺にいた人が語ってきた。つまりお話を大げさに、ドラマチックにすることの専門家…有り体に言えば嘘つきの集団ということだ(笑)。 だからこそこの物語が面白くなったんだけれども、それはそれとしてそうゆう部分を、ちゃんとした事実に戻すという作業も行なっている。そして当然、少なくとも私個人が知ったり、再確認したり、既に知識としては知っていたことだけど改めて印象に残った事実もある。

・藤子不二雄が 手塚治虫と初めて会った時のことは、「まんが道」でも詳しく書かれているけど、 当然それは 藤子側から見た描写に過ぎない。徹底的に手塚治虫を神格化したとも言えるこの作品では、手塚の創作性に最初から最後まで二人は圧倒されて、自分の未熟さを恥じているのだが、手塚側から見れば持ち込まれた「ベン・ハー」などの原稿を見て驚愕し、こりゃとんでもない書き手が現れると「怖れ、期待し」「最初から僕のライバルだった」と証言している。これは最近、twitterで映像が少しバズったね。 これな

藤子不二雄先生が原稿を持って、初めて手塚治虫先生を訪ねた時の印象を手塚先生が語る。「うん、上手いじゃないか」と適当に言っておいたけど、内心では「すごい人が来た」と…その後「原稿なんか描けやしませんよ」。お会いした時からライバルですよ、今でも大きなライバルなんです。@retoro_mode pic.twitter.com/BQzhN8kbsa

— JUNK (@XMbHWFpbX) August 4, 2019

・ジャングル大帝の最終回を藤子不二雄A先生が手伝い、クライマックスシーンではチャイコフスキーの悲愴が流れた 、という 話も漫画道で描かれているが、これは出版社で缶詰状態で書かれていたので、そこを偶然「つげ義春」が訪れていた。もちろん当時の安孫子素雄をつげが知るわけもなく、互いになのるでもなかったらしい。

  • 作者: 藤子不二雄(A)
  • 出版社/メーカー: 小学館
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  • 作者: 藤子不二雄A
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  • 作者: 藤子不二雄
  • 出版社/メーカー: 中央公論社
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・トキワ荘の貧乏物語は、 客観的に見れば売れるのが遅かった赤塚不二夫から発信されたものが多い。石森章太郎と特に仲が良く、売れっ子石森を手伝っていたのだが、友人関係から続くトキワ荘の漫画の「手伝い」はまさに相互扶助の手伝いで、アシスタント代は発生していなかったのだ。今から思えば理不尽かもしれないが、この本の作者は「金銭関係が発生しなかったから、 二人は対等の友人関係でいられた。もし支払いがあったらギャグ漫画家の赤塚不二夫は生まれず、石森プロの有能なアシスタント赤塚不二夫だったかもしれない」と指摘している。

・石森の世話をするために上京して、 喘息で若くして亡くなったお姉さんは確かに美人でトキワ荘の皆の憧れだったそうだ。 で、実はこのお姉さんも…あくまで石森章太郎がその後小説という形で書いた記述だが…以下引用する。

  • 作者: 石ノ森章太郎
  • 出版社/メーカー: 清流出版
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