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クラッチレバーをフルストロークまで切る操作が、丁寧とはいえないオートバイ独特の仕組み!【ライドナレッジ177】

クラッチレバーをグリップに当るまでフルに切るのは丁寧なのではなく、ギヤに衝撃を与えるラフな操作になってしまう!

そのクラッチの構造が、オートバイではちょっと複雑な仕組みが組み込まれている。 エンジンを分解するとクラッチには細い円盤のようなプレートが複数枚ある。 イラストは見やすいよう簡略化してグレーが3枚、イエローが2枚で、写真では外にツメを持つ9枚と内側にギザギザを刻んだ8枚とで構成されている。

この2枚の円盤を強力なバネで圧着されていて、クラッチペダルを踏むと2枚が離れてエンジンの駆動力が途絶える。 そしてこの円盤の接触面積が大きいほど、大きなパワーでも滑ったりせず駆動を伝えることができる。 なのでオートバイのディスクブレーキのように大きな直径と接触面積の大きさが必要になる。 しかし、オートバイはエンジンも小さくそこにディスクブレーキのような円盤を組み込むスペースはない。 そこでこの接触面積を分散させる構造が、ご覧の多板式といわれる複数枚のプレートということになる。 これで余計な遠心力でエンジンのレスポンスが鈍化したりすることなく、接触面積の合計が大きなプレートと変わらず滑ったりしないクラッチとすることができるわけだ。

その多板式クラッチ、発進の半クラッチだけでなく、ミッションを変速するときにもエンジン駆動を一旦途絶えさせ、変速したらまた繋ぐという操作がある。 ミッションの変速構造を見せた画像とイラストにあるように、クラッチの内側にあるミッションは常時噛合式という各ギヤは噛み合った状態で、駆動を伝えるギヤ比の違うセットをお互いの間に刻んだ凹凸を噛ませたり放したりでセレクトする仕組みだ。 この凸凹をドッグと呼んで、これが出たり入ったりがスムーズにすることも、エンジンを傷めない基本ということになる。

1枚でも隙間ができればギヤチェンジには充分に切れている状態!

といったクラッチとミッションの構造など、詳しく理解する必要はないものの、クラッチ操作はどこを動かしているのか、そこのポイントを構造上からも納得していれば、ここからの説明が腑に落ちるはず。 とくにギヤチェンジでは、クラッチレバーをグリップラバーに触るまで切る必要がないことを理解しておこう。 多板式クラッチは、フルにクラッチレバーを切っても、フリクションとクラッチの両方に円盤が接触していなければ良いわけで、それ以上に切っても何の意味もないことになる。 ましてや走り出してからのギヤチェンジでは、複数あるフリクションとクラッチの両プレートで1組でも隙間ができていれば何の問題もない。

それよりミッションのドッグがスムーズに入れ替わるために、ギヤチェンジしたときに大きな回転差が生じない操作が大切になる。 たとえば2速から3速へシフトアップしたとき、2速で達したエンジン回転数から、ゆっくりと時間をかけてクラッチを切ると、スロットルを閉じているのでエンジン回転数はアイドリング近くまで下がってしまう。 そのアイドリング回転から3速にドッグをシフトすると、グラフから想像できるように回転差が大きく、ガチャンッと衝撃を伴うことになる。

実はミッションは超硬い素材で、とてつもない回転差でチカラまかせにシフトされてもビクともしない強靭さがあるので、そこは心配しなくても大丈夫だ。 しかしクラッチは変速した後にショックがでないよう、やんわりと若干は半クラッチ気味に繋ぐことになりがち。 そうなるとクラッチは、変速の度に滑りながら繋がるという、耐久性を左右する苛酷な状況に晒されるわけだ。

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