むすめの朝顔
忘れ切っていた記憶が蘇る。猛暑の道路の中、でっかいランドセルとぱんぱんの手提げ袋を持って、えっちらおっちら半泣きで朝顔の鉢を持ち帰ったあの夏。あった~~~~~そういうの~~~~~! 重たかった~~~~! ベランダに出して朝コップ一杯の水を上げていた。結局盆に入る前に母親が世話をはじめてやらなくなった。あれどうなったんだっけ。観察日記を書いたんだっけ。観察日記も母親に手伝ってもらったんだっけ。もう記憶にない。種はできたんだっけ。できなかった気がする。儚くくしゃくしゃに落ちた朝顔の花と一緒に私の記憶はおぼろだ。
持って帰ってきたときから二倍の蔦を伸ばして元気に育つ朝顔に私は泣いた。絶対に枯らしたくない。学校に持っていくというミッションもあるが、単純にもう可愛いし心配だった。理屈としてはわかる。世話できないものは枯れてしまう。枯れたからとて、先生も別に怒らない。理屈としてはわかるが、いやだった。とにかくなんとか回避したかった。Googleのサジェストは連日更新された。「朝顔 生かす」「朝顔 室内 猛暑 育て方」 「朝顔 生き残り方」「自動 朝顔 水やり」
そ れ は マ マ が 毎 晩 水 を あ げ て る か ら だ よ。