ヨットで使うロープの端っこの処理
ウィッピング “whipping” は日本のヨット用語では「ホイッピング」なんて書かれている物もありますが、英語的な読みは「ウィッピング」です。そもそも、ウィッピングは何のためにするのかと言うと、ロープは繊維を糸に撚って、その糸を束ねて捩じったり編んだりして太くしたものがロープになるわけですが、切りっ放しのロープの端をそのままにしておくと解(ほぐ)れてくることから、端を糸などを巻いて解れ留めをすることをウィッピングと言います。 ウィッピングの語源は、ロープの端が風で鞭のようになってセイルを叩き、セイルが痛まないようにするためにロープの端留めをしたことから始まると言われていて、ウィッピング “whipping” を辞書で調べると「鞭打ち」という日本語訳が出てくるように、ロープの端が風で鞭のように暴れ、ロープの端が解れてゆく有様から、船乗りが言い始めた言葉のようです。 帆船時代の船乗りにとって、帆船の綱(ロープ)は大切なもので、切れたら繋いで使う、ほぐして細い紐として使うなど、とにかく最後に繊維でボロボロになるまで使われてきました。また、非常に長いロープ自体が非常に貴重な物だった時代に端からどんどん解けて行くのをきちんと日常的に点検して留めることは非常に大切な作業だったわけです。 現代のヨットのロープも決して安いものではありません。大切なロープの端留めをきちんとしておくことはヨットマンとして大切なことと言えますね。
ヒートシーリング
ヨットで使われているロープ類は今や全て化学繊維素材でできています。 化学繊維ということは、熱で溶けるということです。熱で溶けると聞くと、固そうな気がしますが、ヨット用のロープには固くゴリゴリの物から柔らかくしなやか物まであります。化学繊維の糸の1本1本の太さや材質によって手触りが大きく異なってきます。 また、強度も様々で今や鉄でできているワイヤーよりも強いロープも開発され、強いのに軽いというのが最近のトレンドです。 以前はポリエステルやナイロンと言われる素材のロープが主流でしたが、最近は芯材に高分子ポリエチレンなどの高強度素材が使われています。 ですから、一昔前までは大きなヨットには太いロープを使っていましたが、最近のヨットは40フィートクラスのヨットでも30フィートクラスと変わらない太さのロープを使っていたりします。しかし、見た目は同じでも高強度の化学繊維素材が使われたロープと言うことになります。
created by Rinker created by Rinker created by Rinker created by Rinker created by Rinker糸によるウィッピング
端部をカバーする
プレミアムビニールテープ created by Rinker トラスコ中山(TRUSCO) created by Rinker トラスコ中山(TRUSCO) ヒートシュリンクチューブ created by Rinker created by Rinker Fenkesicompany0 created by Rinker created by Rinker最後に…シングルブレイドのロープの処理
ロープには撚って作られたツイストロープ、編んで作られたブレイドロープの二種類があります。 ツイストもブレイドも繊維(ファイバー)を紡いで糸(ヤーン)を作り、その糸の束(ストランド)を撚ったり編んだりしたものがロープとなります。ヨット用のロープの場合には、基本的にはブレイドロープを使いますが、ブレイドロープには2種類あって、1つの素材だけでつくられたシングルブレイドと芯材と外皮材の異なる材質で編まれた二層構造のダブルブレイドがあります。上では基本的にダブルブレイドロープのウィッピングについてご紹介しましたが、シングルブレイドの場合にも同じようなウィッピングが可能です。また、シングルブレイドの場合にはウィッピング処理以外にバックスプライスというストランドを編み込んでゆく方法もあります。バックスプライスした場合、使っているロープの直径よりもスプライスした部分は太くなってしまうので、末端が太くなってしまうのが嫌な場合にはウィッピング処理をするようにします。 ウィッピングやスプライシングは地味なヨットメンテナンス作業ですが、誰でも簡単に取り組むことできるメンテナンス作業でもあります。是非、チャレンジしてみてください。
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