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OM SYSTEM OM-1 徹底レビュー 完全版 - とるなら
OM SYSTEM OM-1 徹底レビュー 完全版 - とるなら

OM SYSTEM OM-1 徹底レビュー 完全版

Adobe Lightroomで輝度ノイズ・色ノイズの補正をオフにすると上のような結果となる。ディテールは良好だが、ISO 3200~6400でカラーノイズが目立ちはじめ、ISO 12800~25600で強い影響となる。カラーノイズは補正で簡単に修正できるが、RAWのパフォーマンスはE-M1 Mark IIIと比べて高ISO感度ノイズに大きな改善は見られない。飛躍的に改善したJPEG出力を活かせるかどうかが鍵となりそうだ。

ISO感度別の作例 通常撮影 RAW

Adobe Lightroom Classic CC(ノイズ補正オフ)で現像した結果を掲載する。

カラーノイズの発生は避けられないが、ISO 6400付近まで良好なコントラストを維持している。ISO 12800付近からシャドウのノイズが少しずつ浮き始め、ISO 25600~51200で顕在化する。ISO 102400は緊急時でも使いたくないようなノイズが発生する。

やはり快適に使うことができるのはISO 6400くらいまで。ISO 12800は許容できるとしても、ISO 25600はなかなか厳しい。ISOオートの上限は基本的に「12800」に設定しておくのがおススメだ。

JPEG 手持ちハイレゾ RAW

ISO 25600までとても良好な画質だ。ISO 51200も多少の変質を許容できるのであれば十分に使える範囲に収まっているように見える。

ダイナミックレンジ ISO 200 通常 ISO 200 三脚ハイレゾショット ISO 80 ISO 80 三脚ハイレゾショット オートフォーカス AFモードの紹介 S-AF C-AF

他社と同じくAFを動作させ続けるモード。常に指定したフォーカスエリアや検出した被写体にピントを合わせ続ける。他社と異なる点として、E-M1 Mark IIなどはC-AF時が「位相差検出AFのみ」で動作する仕様だった(抜粋を下部に掲載)が、OM-1も同様のシステムを継承しているのか不明。

E-M1 Mark IIは、静止画撮影時のC-AFや追尾AF(C-AF+TR) において、瞬時にボケ量を検出可能な位相差AFのみで動作するようになったこともE-M1からの大きな進化です。この進化により、様々なスポーツシーンで主要被写体にピントを合わせ続けることができるようになりました。また、主要被写体をAFエリア内に捉え続けることが難しいシーンでは、性能が向上した追尾AF(C-AF+TR)をお使いいただくのもおすすめです。

なお、マイクロフォーサーズ用レンズでのS-AFについては、基本的にはコントラストAFで動作するようになっていますが、コントラストAFが発動する直前まで、ファーストレリーズを押していない間は位相差AFを使って情報を取るようにしています。位相差AFの情報を手がかりとして使うことで、コントラストAFでのピント抜けを改善しています。こうした工夫もあって、S-AFのコントラストAFの動作についても、従来以上に安定していることが体感できると思います。

OM-D E-M1 Mark II 進化の5大ポイント AF追従能力が飛躍的に進化

MF C-AF+TR プリセットMF 星空AF

E-M1 Mark IIIで実装した比較的新しいAFモードだ。夜間で星空を撮影するための特別なAF機能である。通常とは操作方法が異なるので、最初に説明書や実機で動作をよく確認することをおススメする。

AFターゲットモード設定
  • ALL:1053点
  • Single:1点
  • Small:9点
  • Cross:39点
  • Middle:63点
  • Large:165点
カスタムターゲットモード AFターゲット表示

地味に厄介な存在。 AFで合焦した部位を緑色の枠で表示する機能だが、他社と比べると癖が強い。初期設定は「On1」で合焦時に「一時的」に緑枠を表示する。S-AFの場合は合焦後に緑枠が消えることでフレームを確認する際に便利なのだと思う。しかし、この設定はC-AFにも適用され、AF中にも関わらず緑枠が消えてしまい、どこに合焦しているのか視認できなくなる。もちろん「On1」が便利と感じる人もいるだろうが、個人的に初期設定は「On2」が良いのではないかと思う。

AFターゲット表示の例 C-AF C-AF+TR 被写体認識 C-AF on1 C-AF on2 C-AF+TR on1 C-AF+TR on2
  • C-AF On1:検出枠は表示され続けるが、緑枠は初動のみ。
  • C-AF On2:検出枠とクラスター緑枠が表示され続ける。
  • C-AF+TR On1:検出した被写体を覆うように緑枠を表示し続ける。瞳を検出しても枠は小さくならない。
  • C-AF+TR On2:被写体検出時の挙動はC-AF On2とよく似ているが検出枠が表示されないので不安になる。

通常はOn2が使いやすいと感じるものの、C-AF+TR使用時に被写体検出の枠が表示されないのが不便だ。いずれにせよ、E-M1 Mark IIIまでのOM-Dや競合他社のように「瞳を追い続ける」ような表示方法が存在しない。

HOME設定 AFリミッター ボタンカスタマイズ(AF関連)
  • AEL:従来機では「親指AF」でお世話になる機能だったが、AF-ONが分離したことでAEL本来の機能のみで使うことが出来るようになった。
  • AF-ON:OM-1の新機能。前述通り、従来機で「AEL/AFL」の一部機能だったAF-ONが独立して使えるようになった。初期設定でAF-ONボタンに配置されている機能で、さらに設定で 顔検出を無効にしてAFを使うことが可能 だ(後述)。また、 MF時にAF-ONでAFを動作させることも可能 となっており、何かと便利な機能である。
  • 顔選択:E-M1 IIIから導入した機能で、複数の顔を検出している場合はボタンを押しながらダイヤルを操作することで任意の顔を選択することができる。場合によっては便利な機能だが、OM-1の貴重なボタン枠を一つ使って割り当てるべきかどうか悩むところ。
  • 顔・瞳検出:人物の顔/瞳の検出機能をオンオフする。それだけのためにOM-1の貴重なボタン枠を一つ使って割り当てるべきかどうか悩むところ。
  • 被写体検出:被写体の検出機能をオンオフする。ボタンを押しながらダイヤル操作で被写体を変更することも可能だ。被写体検出は撮影シーンやタイミングによって有効でない場合もあるため、瞬時にオンオフできるようにしておくと使いやすかった。
  • AFリミッター:前述したAFリミッター機能のオンオフを設定する他、ボタンを押しながらダイヤル操作で1~3の設定枠を変更可能。
  • AFターゲットモード/位置:ボタンを押すことで専用モードへ切り替わるが、サブセレクター操作で同様の結果を得ることも可能となっている。OM-1で積極的に割り当てる必要は無い。
  • HOME:前述したようにボタン操作で設定したモード/位置にAFターゲット設定を戻す機能。サブセレクター押し込みに設定できる唯一の機能だが、ボタンカスタマイズで他のボタンに割り当てることも出来る。
  • ピーキング:読んで字のごとく。ボタン押し込みのダイヤル操作でピーキングの色を変えることが出来ると良かった。
  • 拡大:読んで字のごとく。
  • MF切替:ボタンを押すことで瞬時にMFへの切替が可能。
Fnレバー MODE2 応答性 AF-S AF-C

E-M1 Mark IIIなどと同じシステムであれば、位相差検出のみで動作する。S-AFも高速だが、C-AFはさらに目に見える形で高速化する。

低照度AF フォーカス精度

2016年から使い続けているM.ZUIKI DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PROでテスト。 中央1点を使用したS-AF・C-AFで同じ被写体を10回ほど撮影した(撮影ごとにピントを外す動作を入れている)。フォーカス位置の再現性に大きな問題は見られず、像面位相差AFとコントラストAFのハイブリッドらしく良好な結果が得られた。

顔・瞳検出 顔・瞳AFのボタン設定 検出性能のチェック

同じ撮影環境でテストしたE-M1 Mark IIIと比べると明らかに検出精度が低下している。マネキンで定量的なテストしているが、キヤノンやソニー、ニコン、パナソニックなど主要なカメラメーカーは普通に検出するマネキンである。いったいぜんたいどうしちゃったのか?

被写体検出機能 C-AF+TR on1 C-AF+TR on2 マニュアルフォーカス フォーカスアシスト メニューシステム 撮影メニュー1
  1. 基本設定/画質カスタムモードの登録や保持設定の変更が可能。そのほかにRAWとJPEGの出力設定やアスペクト比などを変更できる。さらに従来のカスタムメニュー「G」ページに配置されていた一部の機能がココへ移動している。
  2. ピクチャーモード/WBピクチャーモードのプリセットや、ホワイトバランスに関する設定を変更可能だ。ホワイトバランスは従来のカスタムメニュー「G」ページから移動している。Artフィルターはピクチャーモードにまとめられているが、ニコンのピクチャーコントロールほど自由度は高くない。
  3. ISO/ノイズ低減ISO感度の上限下限の設定や、低速限界などの調整が可能。さらに高ISO感度のノイズリダクションや低ISO感度時の解像優先などを設定できる。
  4. 露出従来はカスタムメニュー「E」ページで、測光と共にまとめられていた項目が独立した。フリッカーや露出ステップ、基準値調整なども設定可能だ。
  5. 測光 これまではカスタムメニュー「E3」にまとめられていた機能群だ。さらに「AEL」ボタンが独立したことで、AELの便利な機能が追加されている。
  6. フラッシュ カスタムメニュー「F」の機能群に加えて、バウンス調光設定などが追加されている。
  7. ドライブモード シャッター方式や連写速度などの設定にアクセスすることができる。従来は撮影メニュー2やカスタムメニューに分散していた項目がまとまっているので非常に使いやすい。電子先幕モードである「低振動撮影」や電子シャッターモードである「静音撮影」の設定を素早く調整できる項目が新たに追加されている。
  8. 手ぶれ補正新機能として「手振れ補正アシスト」を利用可能だ。シャッター半押し時に、画面中央に手振れを示すインジケーターが表示される。これは半押し時・露光中も表示されるので手振れを抑える目安になると思う。
撮影メニュー2
  1. コンピューショナル撮影 OM SYSTEM独自のハイレゾショットやライブNDをはじめ、深度合成や多重露光に対応している。深度合成は従来までブラケットにまとめられアクセスし辛かった機能だが、今回は第2層から選択することができ、マイメニューにも登録可能だ。OM-1は新プロセッサによる合成処理が非常に速いため、これらの機能を使う機会は増えると思う。
  2. ブラケット撮影 従来は「ブラケット」からさらに下の階層で調整が必要だった機能群が第2層にまとめられ、アクセスしやすくなっている。ブラケットを多用している人は朗報だ。
  3. その他の撮影機能 インターバル撮影やライブコンポジット・ライブバルブなどの機能にアクセスできる。以前のライブコンポジット設定項目はカスタムメニュー「E」ページにあったりしてメニュー画面を行き来する必要があったことを考えると最適化されている。
AFメニュー
  1. AF1 カスタムメニュー「A」に含まれていたいくつかの機能がまとめられている。フォーカスモード関連のページだ。シャッターボタン半押し時の動作をC-AF/S-AFで切り替えることも可能となっている。
  2. AF2 AF補助光や被写体・顔/瞳検出に関連した設定項目がまとめられている。相変わらずC-AF時のクラスター表示は初期設定でオフとなっているので、「AFターゲット表示」の設定で「on2」に切り替える必要がある。 顔検出のオンオフは従来のようなターゲットモードで切り替えることが出来なくなってしまった。このため、素早く切り替える際はスーパーコンパネを使ったり、ショートカットボタンを配置するする必要がある。なお、被写体検出と顔/瞳検出は全く別のシステムであるため、ショートカットボタンは個別に二つ必要だ。
  3. AF3 C-AFのカスタマイズやAFリミッター・AFスキャンの調整が揃っている。状況に応じて設定を変える必要性が高い項目が多く、アクセスする頻度が多い。その割に3ページ目となっているので、通常のメニューから設定項目にたどり着くのは不便と感じる。必要に応じてマイメニューを積極的に活用したい。
  4. 動画AF 特にこれと言って大きな変更点は無い。
  5. AFターゲットの設定/操作 フォーカスエリアに関連した設定項目が揃っている。特にAFターゲットモード設定はデザインが切り替わっているので慣れが必要だ。カスタムターゲットモードにはアクセスし辛くなったように感じる。なぜ通常のターゲットモードと統合したのか小一時間問い詰めたい。 相変わらずマルチセレクター押し込みで「中央に戻る」機能は存在しない。このため、HOME登録で疑似的に「中央に戻る」設定を記憶させておく必要あり。
  6. MF MFやFMFアシストに関連した機能が揃っている。
動画メニュー
  1. 基本設定/画質 コーデックや画質モード、P/A/S/Mなどの設定項目が揃っている。OM-1はオリンパス系譜のカメラとしては初めて10bit 4K 60p動画に対応した。ただし、10bitを利用できるのはH.265時のみ。さらに4K動画時にALL-Iを選択することは出来ない。同時期に登場したLUMIX GH6と比べると自由度はかなり低い。
  2. ピクチャーモード/WB 動画専用のピクチャーモードにアクセス可能だ。Flat、OM-Log400、HLGを使用可能である。
  3. ISO/ノイズ低減 ISOとノイズリダクション関連の設定項目が揃っている。
  4. 手ぶれ補正 動画撮影時の補正方式と補正強度を選択可能だ。2項目しかないので、ISOページと統合しても良かったのでは?
  5. 録音/接続 従来通りの録音機能とHDMI関連の項目が揃っている。
  6. 撮影アシスト センターマーカー、ゼブラ、赤枠表示機能がある。
再生メニュー カスタマイズメニュー
  1. 操作 従来のカスタマイズメニュー「B」にあたる機能が揃っている。ボタンカスタマイズは静止画と動画に分かれており、さらに動画モードではシャッターボタンを使い録画開始することも出来るようになった。また、ダイヤル設定の中にはメニューにおけるリアコマンドダイヤルの循環設定が追加されている。
  2. 操作 その他操作に関する設定項目の寄せ集め。このメニューシステムにおいて、「メニューカーソル設定」は重要となっているので目を通しておきたい。
  3. ライブビュー表示 ライブビューに関連した項目が揃っている。従来のカスタマイズメニューで言えば「D」に当たるページだ。従来の機能に加え、「ナイトビュー」や「自分撮りアシスト」が追加されている。
  4. info表示 3ページ目と同じく、従来の「D」にあたる機能が揃っている。「シャッター半押し時の表示/水準器表示」機能が追加されている。
  5. 撮影のその他 ガイド線やマルチFnの設定を変更することが可能。従来通りガイド線の色は自由に変更することが可能だ。さらにファインダー・動画専用のガイド線を細かく設定できるようになっている。
セットアップメニュー
  1. カード/フォルダ/ファイル カードのフォーマットやスロット設定など。これと言って目新しい項目は無いが、どちらもSD UHS-II対応スロットとなったので、バックアップやリレー時にボトルネックの心配がなくなっている。
  2. 情報記録 従来通りレンズ情報として2つのボディキャップレンズが登録されている。
  3. モニター/音/接続 モニター/EVFの輝度や色の調整が可能だ。記憶が正しければ、従来まではモニターの輝度/色調整のみで、ファインダーは調整できなかったはず。HDMI出力は4K 60pまで対応している。
  4. Wi-Fi/Bluetooth 無線通信接続に関連した設定項目が集まっている。新発売の無線リモコンとペアリングする機能もこのページにある。電源オフ時のバックグラウンド通信は初期設定で「オフ」となっているので、常時接続を利用したい場合は「スマートフォンの接続設定」からバックグラウンド通信に関する設定の変更が必要だ。
  5. 電池/スリープ 従来通り、バッテリー残量や劣化度を確認することができ、低消費電力モードなどもこのページに揃っている。
  6. リセット/日時/言語/その他 従来通り。
マイメニュー

E-M1Xで初導入され、E-M1 Mark IIIにも存在したマイメニューはOM-1でも健在。通常のメニュー画面でRECボタンを押すことで任意の機能をマイメニューに登録できる仕組みは秀逸だ。登録できる機能は「5ページ」×「7行」=「35項目」である。特に使う頻度が多い機能やページが入り組んでいる場所にある機能を登録しておきたい。メニューボタンで優先的にマイメニューからスタートできる設定もある。(カスタマイズメニュー2 メニューカーソル設定)

カスタマイズ 連写・ドライブ 連写速度 フラッシュ AF/AE 連写速度 メカニカル★ 可能 可能 1-10fps 静音撮影★ 可能 可能 5-20fps SH1 不可 固定 60/100120fps SH2? 不可 可能 25/50fps ProCap 不可 可能 5-20fps ProCapSH1 不可 固定 60/100120fp ProCapSH2 不可 可能 25/50fps

メカニカルシャッターの最高速度は「10fps」で、E-M1 Mark IIIのような「15fps」には対応していない。フラッシュ同調時のメカニカルシャッターを使った高速連写では不利となるが、それ以外でメカニカルシャッターの「AF/AE固定15fps」が有利となるシーンはそう多くないと思われる。

  • M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO II
  • M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
  • M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
  • M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
  • M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO
  • M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO
バッファ・バッファクリア 連写速度 RAW 10fps 139枚 20fps 108枚 120fps 92枚 50fps 96枚

一時的にメモリに貯めることができるRAWは約90枚で、それ以上の連写撮影時はSDカードへの書き込み速度が重要となる。今回はSD UHS-IIの中では最も書き込み速度が速いSONY TOUGH Gシリーズを使用してテストした。測定するのは一定時間内で撮り続けた際の撮影枚数をチェックした。

5秒 10秒 15秒 10コマ秒 49 100 153 20コマ秒 101 186 235 60コマ秒 139 197 251 100コマ秒 140 197 249 120コマ秒 140 194 248
  • 10コマ秒 公称値通りの連写速度で撮影することができ、その後もバッファが詰まることなく撮影を続けることが可能だ。バッファクリア時間はほぼゼロである。
  • 20コマ秒 5秒間の撮影であれば公称値通りの撮影枚数を稼ぐことが出来る。ただし、5秒を超えるとバッファが詰まりはじめ、最終的に10コマ秒程度までパフォーマンスが低下する。
  • 60コマ秒 5秒までにバッファが詰まり(おそらく2秒前後)、公称値通りの撮影枚数は記録できない。以降は10コマ秒までパフォーマンスが低下する。
  • 100コマ秒 やはり5秒までにバッファが詰まり、結果的に撮影枚数は60コマ秒と変わらない。
  • 120コマ秒 100コマ秒と比べてさらにバッファが詰まりやすい。そして最終的な撮影枚数は60/100コマと同程度だ。

ちなみに、各メーカーのSD UHS-IIをテスト(120fps RAW)したところ、以下のような結果となった。

5秒 10秒 15秒 Sony 140 194 248 Kingston 134 186 240 Transend 128 177 222 Lexer 110 126 154 Cobalt 141 197 252

ベストを尽くすのであればProGrade DigitalのCOBALTやSONYのTough G Seriesがおススメだ。とは言え、手ごろな価格のKingstonやTranscendと大きな違いがないので、コストパフォーマンスを求めるのであればKingstonやTranscendで良いと思う。

静音撮影モード オートISO

従来通りISOオート時の上限・下限を設定可能だ。OM-1は高ISO感度の性能が向上したためか、上限値の初期設定が「25600」となっている。これはE-M1 Mark IIIの初期設定「6400」と比べて2段分高い数値だ。それだけ高ISO感度耐性に自信があるのだろう。

プロキャプチャーモード

E-M1 Mark IIから実装しているプロキャプチャーモード(シャッター全押しから半押しまで一定時間を遡って記録することが可能)はOM-1で大きな進化を遂げた。機能的には従来通りだが、従来機で35枚までだった遡及枚数が70枚まで倍増している。一瞬のシャッターチャンスを捕捉するための撮影枚数が倍となったのは非常に大きい。

ただし、前述した通りバッファは倍増したと言えず、70コマを使いきると次の撮影までにバッファクリアの時間が必要な点には注意が必要だ(最速SD UHS-IIカードでも90コマ分のバッファを処理するのに9秒間かかる) 状況に応じて連写速度とプリ連写枚数を調整する必要がある。

ローリングシャッター

非積層型CMOSセンサーでもE-M1 Mark IIIの4/3 20MPセンサーやEOS R5の45MPセンサーも健闘している。E-M1 Mark IIIの時点で多くの被写体は十分良好と感じていたので、OM-1の幕速はほぼ完璧と言えるだろう。特に20万円台でこのようなパフォーマンスのミラーレスが手に入るのは魅力的だ。

参考

蛍光灯は1秒間に120回点滅(西日本)を繰り返している。毎秒120回の点滅中、撮像時に1回の点滅がフレームに写りこんでいるため、単純計算で8.3msと言ったところである。E-M1 Mark IIIやE-M1Xが16.6msだったことを考えると約2倍の速度である。これはフラッシュ同調速度が1/50秒から1/100秒まで改善している点と一致する結果だ。

ちなみにISO12800を超えると蛍光灯の点滅が2回写りこむようになる。これは16.6msであり、E-M1 Mark IIIの通常時と同程度のパフォーマンスだ。ISO感度を上げすぎるとローリングシャッターの幕速が低下する点に留意しておこう。と言っても、マイクロフォーサーズでISO12800以降を(画質の観点から)積極的に使う気はしない。

まとめ

良かったところ
  • 外付けフラッシュFM-LM3付属
  • 新型バッテリー
  • IP53対応のマグネシウム合金ボディ
  • E-M1Xのように大きなグリップ
  • 念願のAF-ONボタンと独立したAELの機能が充実
  • 高解像EVF・LCD
  • USB-PDによる給電動作中のバッテリー充電に対応
  • JPEGのノイズリダクション画質が良くなった
  • ハイレゾショットなど合成機能の高速処理化
  • 応答性と測距点の密度が高いAF
  • エリアや距離のカスタマイズが可能なAF
  • 被写体検出AF
  • 幅広いカスタマイズに対応
  • 新構造・新構成のメニューシステム
  • AF/AE追従 50fpsでRAW出力の連続撮影に対応
  • AF/AE固定 120fpsでRAW出力の連続撮影に対応
  • 最大70コマまで遡及してRAW出力可能なプロキャプチャーモード
  • E-M1 III比で2倍のセンサー読み出し速度

デジタルカメラのコアとなるイメージセンサーとプロセッサが一新され、E-M1XやE-M1 Mark IIIを「旧世代」と一蹴できるポテンシャルを備えている。特に「スピード」が強化され、クアッドピクセル方式の位相差AFに対応しているにも関わらず、E-M1 Mark III比で2倍の読み出し速度を実現。さらに2倍以上の連続撮影速度で追従AFを利用でき、ハイレゾショットなどの合成処理も高速化している。

悪かったところ
  • マイクロフォーサーズとしては高価
  • マイクロフォーサーズとしては少し大きめのサイズ
  • グリップ上部のボタンが押し辛い
  • コマンドダイヤルが操作し辛い
  • マルチセレクター押し込みの機能が少ない
  • ドライブ・フォーカスモードの呼び出しに対応するボタンが少ない
  • 起動速度が遅い
  • ISO感度ノイズ耐性は従来通り
  • ダイナミックレンジは従来通り(ややハイライト重視)
  • カラープロファイルのプリセットに大きな変化なし
  • AFが前景に引っ張られやすい
  • 顔/瞳の検出能力がE-M1 III比で低下
  • 連写時の写真をまとめる機能が無い
  • 新メニューシステムの操作性が悪い
  • CFexpress非対応でバッファクリアが遅い
  • ISOオート低速限界設定のショートカット機能がない

もう一つの大きな問題点がバッファクリアだ。バッファそのものはRAWで90枚前後撮れるので問題無いと思うが、撮影後にバッファからSD UHS-IIへの書き込み時間が長すぎる。高性能なSD UHS-IIを使ったとしても最長で10秒程度のバッファクリアが発生してしまう。最大70コマを遡及して保存できるプロキャプチャーモードを使うと、次の撮影までに待ち時間が発生してしまうのが地味に痛い。 それに連写における一連のカットをまとめて管理できないのも面倒だ。一度の連写で100コマ前後の画像データが記録され、それを一括してレート付け・コピー・削除することが出来ない。120fpsの連写に対応しているのだから、その後の管理や整理まで意識したデザインであって欲しい。

RAWの画質(ISOやダイナミックレンジ)に大きな改善が見られないのは残念だが、センサーの読み出し速度やクアッドピクセル方式のAFを実現しつつ、E-M1 IIIと同等の画質を維持できているのであれば御の字だ。また、ソフトウェアによって現像結果が異なるという話も聞くので、そのうち比較テストを実施したい。 JPEGの処理はかなり改善しているが、カラープリセットがほとんど従来通りである。競合のパナソニックをはじめ、ソニーやパナソニック、ニコンなどはここ数年で大きな進化を遂げている。そこまでの進化を求めないにしても、E-P7に搭載した「カラー/モノクロ プロファイル」を搭載していると良かった。

総合評価

満足度は85点。 良いところもあるが、それ以上に”フラッグシップモデルとして”気になる部分が多い。特に前景に引っ張られやすいAFは要改善と感じるし、C-AF+TRの改善にもそろそろ着手して欲しい。バッファクリアは(ハード面の問題なので)どうにもならないと思うが、せめて連写時の画像データを一つにまとめる機能くらいは付け欲しいところだ。同様にメニューシステムの操作性や機能性もブラシュアップが必要である。この価格帯で全てに完璧を求めるのは難しいと思うので、せめてフラッグシップモデルらしいAFを期待したい。

色々と言いたいことはあるが、それでも「OM-1でなければ」「オリンパス(OM SYSTEM)でなければ」撮れない、撮りにくいシーンはあると感じる。50/120fpsのRAW連写は貴重であり、70枚も遡及してRAWデータを保存できるプロキャプチャーモードは驚くほど便利だ。一部のフルサイズ、APS-Cでプロキャプチャーモードと似たような機能を備えつつあるが、それでも「追従AF50fps」「70枚の遡及」「通常と同じ画質」で撮影できるカメラは見当たらない。 さらに応答性の高いAFは(現状だと)使い方次第でフルサイズやAPS-C以上に食いつくことが可能である。さらに今後のファームウェアアップデート次第でAF性能が大化けする可能性は十分にある。

全体的に見て、20万円のカメラに驚くほどの機能性を詰め込んだカメラだが、限られたリソースの中で色々と煮詰まっていない部分が多いと感じた。AFアルゴリズム、メニューの操作性、カスタマイズの自由度やシステムなどは要改善点がある。OM-1のパフォーマンスに魅力を感じてE-M1 Mark IIIなどから乗り換えを検討する人も多いと思うが、現在(ファームウェア1.0)の長所と短所は購入前に理解しておきたい。 今後、この価格で手厚いファームウェアアップデートを期待できるのか不明だが、OM SYSTEMの将来を左右する試金石だと思うので、ここは頑張って欲しいところ。特に前景に引っ張られるAFは早めに対処されると嬉しい。

同価格帯のフルサイズやAPS-Cと比べて

(思いついたことを羅列しているので纏まりがありません。)

積層型CMOSセンサー搭載のフラッグシップモデルと言うことで「Z 9」「α1」「EOS R3」などと比べられがちだが、OM-1の価格はフルサイズミラーレスで言うところのミドルクラスだ。比べるとしたら「α7 IV」「Z 6II」「EOS R6」などである。 同価格帯のフルサイズミラーレスと比べると、最上級かそれに近いハードウェアを備えていることが分かる。高解像・高倍率の電子ファインダー、高解像の背面モニター、積層型BSI CMOSセンサー、最新プロセッサ、マグネシウム合金ボディ(IP53対応)などなど。さらに1053点のクロスタイプ像面位相差AFに対応し、フレーム全域を位相差AFでカバーしているのも一つのポイントとなる。

例えばα7 IVはOM-1よりも良好な追従AFだが(特にトラッキングAF)、連写時の追従性や応答性はOM-1ほどではない。また、電子シャッターの高速連写に対応していたとしても(例えばEOS R6)、レックビューだったり、ローリングシャッターの影響を受けやすいカメラが多い。この価格帯でスピードとAF性能の両立を考えているのであれば、OM-1は小型センサーながら検討すべき価値がある。

高画素フルサイズからクロップすることで、実質APS-C・マイクロフォーサーズの画角や撮影倍率を得ることができる。6100万画素のα7R IVユーザーだが、確かにそのような側面はあると思う。 ただし、クロップ時のピント精度はそううまくいかない。マイクロフォーサーズ並みにクロップした際の測距点は限られており、1点AFのサイズも大きい。特にマクロ撮影や大口径レンズ、超望遠レンズを使った際の浅い被写界深度を素早くコントロールするは難しい。比較してOM-1はマイクロフォーサーズのセンサーサイズで1053点のAFを実現している。同じ撮影距離で同じ被写体を同じ焦点距離のレンズで撮影しているとしたら、細かくピント位置を調整できるのはOM-1である。

参考情報

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