. OTS CQB コンバットスコープ 1-6x24M | 現代戦技研究会 KUSEMONO TACTICAL
OTS CQB コンバットスコープ 1-6x24M | 現代戦技研究会 KUSEMONO TACTICAL
OTS CQB コンバットスコープ 1-6x24M | 現代戦技研究会 KUSEMONO TACTICAL

【レビュー】OTS CQB コンバットスコープ 1-6x24M

そんな中、OTSがなかなか質の高い近接戦闘用のショートスコープを出していると聞いて私は大変気になった。OTSOperation Training Service:株式会社オペレーショントレーニングサービス)は、官公庁向けに海外軍用品等の輸入販売、製品開発、訓練等のサービスを行っている日本企業で、自衛官や警察官は知っている人ならお世話になっている人もいるだろう。また、東京練馬区に「 タクティカルプロショップ エリート 」という衣類や装備品等のお店も構えている。他にも日本国内では珍しい、なかなか ユニーク なこともしている企業だ。

そんなOTSのショートスコープがこの「OTS CQBコンバットスコープ 1-6×24」である。等倍~6倍という中距離までカバーしており、イルミネーションは日中でも明るく灯すことができるので、ダットサイトのように運用することができるのがウリらしい。このスコープは、陸上自衛隊でもかなり小規模ではあるが、部隊や個人で導入もされており、近年の国内はもちろん、他国との共同訓練等でちらほらと散見される。

さて1-6倍、日本製、ダットサイトのように明るいイルミネーター・・・というとVORTEX社の最高ランクスコープである RAZOR HD Gen2 と似ている。純日本人である本製品と、日本育ちのアメリカ人であるRAZOR HD Gen2とで比較しながら紹介しよう。

● RAZOR HD Gen2は25.6cm、OTS CQBは27.5cmと若干長い。

● 重量はRAZOR HD Gen2が714グラム(2018年改良版のGen2-Eは609グラム)と、この手のスコープにしてはヘビー級の重さだが、OTS CQBは520グラムと平均的なレベルにまとまっている。

● 性質は似ているが、値段はRAZOR HD Gen2が1999ドルで、OTS CQBが80000円と2倍以上の差がある。(2018年)

● 倍率変更時に使用するパワーダイヤル部。平均的なスコープのパワーダイヤルよりも軽く回せるようにセッティングされており、ちょこんと出っ張ったノブも相まって実に操作はしやすい。ただ、藪漕ぎ等で何処かにぶつけたり擦ったりを繰り返していると、知らず知らずのうちにダイヤルが動いて、倍率が変更されていたということがあったので注意してほしい。個人的にはラフで野戦的な扱いが多いので、もう少し固くても良かった。

● こちらはRAZOR HD Gen2のパワーダイヤル。手強いジャムの瓶を開けるかの如く固い。重量と並んでこのスコープの大きな欠点だ。

● 照準の上下左右を調整するエレベーション・ウインテージノブはRAZOR HD Gen2同様カバーされている。

● このノブの作りは安っぽい。下手したらパチもんスコープの方が良いのではないかと思えるくらいに。

● ノブの素材が薄い金属で少しガタツキもあるので、クリック感にあまり手応えが無く、たまにどれだけ回したかわからなくなることがある。1クリックは1/4MOAの移動量。総移動量は公表されていないが、100MOA以上はある。

1クリック1/4MOAは100ヤード(約91m)で0.63cmの移動量。

● ノブを上に引っ張ると表層のガワだけがポコッと浮き上がり、調整後の任意の位置にゼロを置くことができる。とは言え、規正位置のマークが不器用な人間がマイネームで記したようなブレブレな線で、あまり実用的とは言えない。

● 一方こちらはRAZOR HD Gen2。ロープロファイルだが大きなノブで大変動かしやすい。クリック感も精密だ。

● これが問題で、クリック感が無いのに無段階光量切換えでは無く、数字が打刻しているポジションにちゃんと合わせないと少しの衝撃でイルミネーションが点灯不良になる。また、ちゃんとしたポジションに合わせていても、射撃の反動(5.56mm弾)で点灯不良になることが散見される。

● イルミネーションを最大光量で灯した写真。実際はもう少し明るい。日中でもダットサイト感覚で問題なく使える明るさだが、あと1段階くらい明るくできれば尚良い。

● 明るさとしては、まるで太陽のようなイルミネーターが搭載されている、VORTEX RAZOR HD Gen2の明るさには到底敵わず、こちらも明るいイルミネーターとしてお馴染みのLeupold VX-R Patrolよりほんの気持ち暗いといった感じ。

● 最低光量はRazor HD Gen2と同じく、夜間だともう数段階暗くしてほしい明るさ。太陽輝く日中から光無き夜間のシチュエーションまで、幅広く使えるイルミネーターを持つスコープは、今のところ Leupold VX-R Patrol 1.25-4×20 以外見たことがない。

● 一方こちらはRAZOR HD Gen2のイルミネーションノブ。こちらは逆にノブの形状と合わさって、回すのに固くて痛いノブ。各段階毎にOFF機能があり、ロック機構もある。

シンプルだが多機能なレティクル

● このスコープのレティクルの説明をしよう。まず十字レティクルの横のラインはミルドットとなっている。縦のラインは独自のレティクルだ。これには、対人を想定した距離測定機能と、BDC機能(距離における弾丸の落下予測点表示)を備える。何れもスコープの倍率は最大の6倍率にして使用する。

● BDC機能に関しては、中心点の「D」を300mの距離でゼロインをするところから始める。すると、一段上の「C」が100m、一段下の「E」が400m、さらに下の「F」が600mとなる。

● 言い忘れたが、BDC機能で使用する弾丸は、陸上自衛隊で使用されている「89式5.56mm普通弾」と米軍等NATOで使用されている「5.56mm×45 SS109」の5.56mm弾を、16.5インチの銃身(89式小銃やHK416のアサルトライフルや民間モデル等が該当)で発射することを前提とされている。

● さて、ここで困るのが自衛官だ。自衛隊の射撃場は200mしかない場所や状況がある。その場合は、倍率を3倍にして「D」ではなく、「C」を中心点としてゼロインする。すると、それ以下の段は300、400、600mの落下地点になるとのこと。

● いやいやそれもムリ。長い射場でゼロインすることもできない!って人は25mの距離でゼロインすればいい。どうしても誤差は大きくなるが、5.56mm弾の弾道特性上、300mでゼロインした際と同じBDC機能を得ることができる。コチラの場合は6倍率で。

値段からは考えられないクリアなレンズ

● 写真だとわかりづらく、あくまで私の目で見た場合だが、この倍率だとレンズ周辺部の歪みは少し悪い。とは言え、とても10万以下で買えるとは思えないようなクリアな光景がそこには広がっている。

● RAZOR HD Gen2とまではいかないが、鏡筒内部があまり映らず、レンズの縁もそこまで気にならない。レティクルが空中に浮いているかのように見える美しさだ。

OTS CQB vs VORTEX RAZOR HD Gen2

※写真クリックで拡大可

● スコープの縁があまり映らず、素晴らしいクリアさのRAZOR HD Gen2にはさすがに負けるが、OTSも良い勝負をしているのがわかる。

※写真クリックで拡大可

● OTSの中央下付近に白いフレアが出てきた。このまま倍率を上げると・・・

※写真クリックで拡大可

● RAZOR HD Gen2の方も反射が目立つようになったが、OTSの方はまるで幽霊でもいるかのようにより目立つ。精密射撃をする際にこれは支障をきたす

● その他、直射日光下のフレアは、ニュートラルホワイトとクールホワイトの反射が接眼レンズ部に強めに出る。このスコープは、日光の角度や環境によって、目障りな反射が出る場合があるようだ。

使いやすく国内アフターサービスが嬉しいスコープ

● 1倍時のアイリリーフ幅はもう少し余裕がほしいところではあるが、アイボックスは広く使いやすい。素早く激しい射撃が要求されるCQB戦には良い。

● パッケージと付属品もろもろ。どこかで見たことある殺風景なパッケージだと思ったら、どうやらこのスコープの製造は、東京都赤羽にある ホビーショップ フロンティア のオリジナルスコープを製造している、長野県にある「ライト光機」が製造しているようだ。

● 長野県にあるライト光機は、NightForce等のハイレベルな実銃用ライフルスコープや、カメラ、医療用、その他アウトドア等の幅広い用途で高品質なレンズや光学機器を製造しているメーカーだ。

● だが、このスコープは実売価格で6~7万円で購入できる。レンズの品質に予算をほとんど持っていかれてる感はあるが、破格の値段だ。はっきり言ってもう2万円ほど高くても疑問に思わない。

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