うさぎでもわかる微分方程式 Part03 1階線形微分方程式とベルヌーイの微分方程式
この微分方程式は、両辺を \( e^ \) で割ることで、\[\frac = e^\]と直接積分形に持ち込めるので、一般解は改めて*3任意定数 \( C \) を用いて\[\begina(x) & = \int e^ \ dx\\ & = - \frac e^ + C\end\]となるので、同次方程式の解である(1)に代入すると、\[\beginy & = a(x) e^\\ & = \left( - \frac e^ + C \right) e^\\ & = - \frac e^x + C e^\end \]と一般解を求めることができます。
1階線形微分方程式の解き方1階線形微分方程式\[\frac + P(x) y = Q(x)\]を解く際には、まず同次形の微分方程式\[\frac + P(x) y = 0\]の階を求める。この微分方程式は両辺を \( y \) で割ると、\[\frac \frac = - P(x)\]のように変数分離形に持ち込めるので、両辺を \( x \) で積分することで、一般解を任意定数 \( C \) を用いて\[\log |y| = - \int P(x) \ dx + C \]\[y = C e^\]と求めることができる。(必ず y = の形にすること!)
2.ベルヌーイの微分方程式
(1) ベルヌーイ微分方程式とは1階微分方程式が\[\frac + P(x) y = Q(x) y^n \ \ \ \left( n \not = 0, 1 \right)\]の形になっている微分方程式を ベルヌーイの微分方程式 と呼びます。
\( n \not = 0, 1 \) の理由としては、\( n = 0 \) のときは、第1章で説明した1階線形微分方程式と同じ形、\( n = 1 \) のときは\[\frac \frac = Q(x) - P(x)\]と変形することで、変数分離形にできるからです。
ベルヌーイの微分方程式は、そのままの形だと1階線形微分方程式ではないため、解くのが難しいですが、 \( u = y^ \) と置き換える ことで、\( u \) に関する1階線形微分方程式の形に書き換えることができ、(そのままの形のときより)少し簡単に解くことができます。
(2) ベルヌーイの微分方程式の解き方 例題2次の1階線形微分方程式\[\frac + y = x y^3\]について、(1), (2)の問いに答えなさい。
解説2まず、右辺の \( y^3 \) を消すために \( y^3 \) で両辺を割ります 。すると、\[y^ \frac + y^ = x \tag\]となります。
ここで、 左辺にある \( y^ \) の項を \( u \) にするために \( u = y^ \) とおく 。
すると、\( u = y^ \) の両辺を \( x \) で微分したものは、\[\frac = -2y^ \frac \]\[y^ \frac = - \frac \frac\]となるので、(1)に代入し、\[- \frac \frac + u = x\]とおきかえ、さらに 両辺を2倍 し、\[\frac - 2u = -2x\]とすることで\( u \) に関する1階線形微分方程式の形となる。
(\( a = -2 \)、つまり\( u = y^ \) とおけば \( u \) に関する1階線形微分方程式の形にできる。)
同次方程式は、両辺を \( u \) で割り、\[\frac \frac = 2\]ることで、変数分離形に必ず持ち込めますね。
両辺を \( u \) で積分すると、\[\int \frac \frac dx = \int 2 \ dx\]となるので、任意定数 \( C_1 \) を用いて一般解は\[\log |u| = 2x + e^\]となります。
ここで、一般解の任意定数 \( C \) を、\( x \) の関数 \( a(x) \) でおきかえると、\[u = a(x) e^ \tag\]となります。両辺を \( x \) で微分すると、\[\begin\frac & = a'(x) e^ + a(x) \left( e^ \right)'\\ & = \frac e^ + 2 a(x) e^\end \]となります。
この微分方程式は、両辺を \( e^ \) で割ることで、\[\frac = -2xe^\]と直接積分形に持ち込めるので、一般解は任意定数 \( C \) を用いて\[\begina(x) & = \int- 2xe^ \ dx\\ & = x e^ + \frac e^ + C\end\]となるので、同次方程式の解である(1)に代入すると、\[\beginu & = a(x) e^\\ & = \left( x e^ + \frac e^ + C \right) e^\\ & = x + \frac + Ce^\end \]と一般解を求めることができるので、\( y^ = u \) を代入し、\[\frac = x + \frac + Ce^\]とすることで元に戻せ、一般解が得られます。
ベルヌーイの微分方程式解き方ベルヌーイの微分方程式\[\frac + P(x) y = Q(x) y^n\]を解く際には、まず 両辺を \( y^n \) で割り 、\[y^ \frac + P(x) y^ = Q(x) \tag\]としてから、左辺にある \( y^ \) を \( u \) にするために \( u = y^ \) とおき 、さらに両辺を微分して\[\frac = (1-n) y^ \frac \]\[y^ \frac = \frac \frac\]としてから(1)に代入することで、\[\frac \frac + P(x) u = Q(x)\]とし、 両辺を \( 1 - n \) 倍 し、\[\frac + (1-n) P(x) u = (1-n) Q(x)\]とすることで、\( u \) に関する1階線形微分方程式の形に変える。
- 同次方程式の一般解を求める。
- 一般解に出てきた任意定数 \( C \) を \( x \) の関数 \( u(x) \) と仮定する。
- \( u(x) \) を求め、一般解に代入する。
- \( y^ = u \) を代入し、\( u \) の式から \( y \) の式に戻す。
3.練習問題
練習1微分方程式\[\frac + y \cos x = \sin 2x\]の一般解を求め、さらに初期条件 \( y(0) = 0 \) を満たすような特解を求めなさい。
練習2微分方程式\[\frac - \frac y = e^x y^2\]について、つぎの(1),(2)の問いに答えなさい。
(1) \( u = y^ \) とおくことで、題意の微分方程式が \( u \) に関する1階微分方程式となることを示しなさい。
練習34.練習問題の答え
解答1まず、同次方程式\[\frac + y \cos x = 0\]の一般解を求める。
同次方程式は、両辺を \( y \) で割り、\[\frac \frac = - \cos x\]ることで、変数分離形に必ず持ち込める。
両辺を \( x \) で積分すると、\[\int \frac \frac dx = - \int \cos x \ dx\]となるので、任意定数 \( C_1 \) を用いて一般解は\[\log |y| = - \sin x + e^\]となる。
この微分方程式は、両辺に \( e^ \) を掛けることで、\[\frac = e^ \sin 2x\]と直接積分形に持ち込めるので、\( a(x) \) の一般解は、\[\int e^ \sin 2x \ dx = 2 \int e^ \sin x \cos x \ dx\]を計算することで求められる。
この積分は、\( t = \sin x \) とおくと、\( dt = \cos x \ dx \)、つまり \( dx = \frac \ dt \) なので、任意定数 \( C \) を用いて\[\begin\int e^ \sin 2x \ dx & = 2 \int e^ \sin x \cos x \ dx\\ & = 2 \int t e^t \cos x \cdot \frac \ dt\\ & = 2 \int t e^t \ dt\\ & = e^t (2t - 2) + C\\ & = 2 e^ ( \sin x - 1) + C\end \]と計算できる。これを同次方程式の解である(1)に代入すると、\[\beginy & = a(x) e^\\ & = \left( 2 e^ ( \sin x - 1) + C + C \right) e^\\ & = 2 \sin x - 2 + C e^\end \]と一般解を求めることができます。
さらに、\( y(0) = 0 \) となる \( C \) を求めるために \( x = 0 \), \( y = 0 \) を代入すると、\[\begin2 \sin 0 - 2 + C e^ & = -2 + C\\ & = 0\end \]となるので、\( C = 2 \) と求められる。
よって、\( y(0) = 0 \) を満たす特解は\[y = 2 \sin x - 2 + 2 e^\]となる。
解答2微分方程式\[\frac - \frac y = e^x y^2\]の右辺の \( y^2 \) を消すために \( y^2 \) で両辺を割ります。すると、\[y^ \frac - \frac y^ = e^x \tag\]となります。
ここで、問題文の通り、\( u = y^ \) とおく。
同次方程式は、両辺を \( u \) で割り、\[\frac \frac = - \frac\]ることで、変数分離形に必ず持ち込める。
両辺を \( x \) で積分すると、\[\int \frac \frac dx = \int - \frac dx\]となるので、任意定数 \( C_1 \) を用いて一般解は\[\log |u| = - 2 \log |x| + e^\]となる。
さらに、\( C = \pm e^ \) とすると、\[\log |u| = - 2 \log |x| + \log e^ \]\[u = Cx^ = \frac\]と一般解を変形することができる。
ここで、一般解の任意定数 \( C \) を、\( x \) の関数 \( a(x) \) でおきかえると、\[u = a(x) x^ \tag\]となります。両辺を \( x \) で微分すると、\[\begin\frac & = a'(x) x^ + a(x) \left( x^ \right)'\\ & = \frac x^ - 2 a(x) x^\end \]となる。
この微分方程式は、両辺に \( x^2 \) を掛けることで\[\frac = - x^2 e^x\]と直接積分形に持ち込めるので、一般解は任意定数 \( C \) を用いて\[\begina(x) & = - \int x^2 e^x \ dx\\ & = ( -x^2 + 2x - 2 ) e^x + C\end\]となるので、同次方程式の解である(1)に代入すると、\[\beginu & = a(x) x^\\ & = \left\ < ( -x^2 + 2x - 2 ) e^x + C \right\>x^\\ & = e^x \left( -1 + 2 x^ - 2x^ \right) + C x^\\ & = e^x \left( -1 + \frac - \frac + C\right) + C x^\end \]と一般解を求めることができるので、\( y^ = u \) を代入し、\[\frac = e^x \left( -1 + \frac - \frac + C \right) + \frac\]とすることで元に戻せる。
解答3誘導なしで気付きにくいかもしれないが、\( \frac = y^ \) である点に注意すると、\[\frac + xy = x y^\]となるので、\( n = -1 \) のときのベルヌーイの微分方程式のパターンである。
両辺を \( y^ \) で割る(\( y \) を掛ける)と、\[y \frac + xy^2 = x \tag\]となるので、左辺にある \( y^2 \) を \( u \) に変えるために \( u = y^ \) とおく。
すると、\( u = y^ \) の両辺を \( x \) で微分したものは、\[\frac = 2y \frac \]\[y \frac = \frac \frac\]となるので、(1)に代入し、\[\frac \frac + xu = x\]とおきかえ、さらに両辺を2倍し、\[\frac + 2xu = 2x\]とすることで\( u \) に関する1階線形微分方程式の形となる。
同次方程式は、両辺を \( u \) で割り、\[\frac \frac = -2x\]ることで、変数分離形に必ず持ち込める。
両辺を \( x \) で積分すると、\[\int \frac \frac dx = \int -2x \ dx\]となるので、任意定数 \( C_1 \) を用いて一般解は\[\log |u| = - x^2 + C\]となる。
さらに、\( C = \pm e^ \) とすると、\[\log |u| = - x^2 + \log e^ \]\[\log |u| = \log e^ + \log e^ \]\[u = C e^\]と一般解を変形することができる。
この微分方程式は、両辺を \( e^ \) で割る(両辺に \( e^ \) を掛ける)ことで、\[\frac = 2x e^\]と直接積分形に持ち込めるので、一般解は任意定数 \( C \) を用いて\[\begina(x) & = \int 2x e^ \ dx\\ & = e^ + C\end\]となるので、同次方程式の解である(1)に代入すると、\[\beginu & = a(x) e^\\ & = \left( e^ + C \right) e^\\ & = 1 + C e^\end \]と一般解を求めることができるので、\( y^ = u \) を代入し、\[y^2 = x + 1 + C e^\]とすることで元に戻せる。
5.さいごに
- 1階線形微分方程式の解き方
- ベルヌーイの微分方程式の解き方
*3 : \( a(x) = C \) としたときとは別の任意定数 \( C \) のこと。不安なら \( A \) などで改めて任意定数をおきましょう。
公開日: 2020年4月3日 更新日: 2023年5月25日 この記事を書いた人 コメント一覧 コメントはありません。 関連記事 うさぎでもわかるコンパイラ 第4羽 左再帰の除去 1時間で要点チェック! 1年後期線形代数うさぎノート うさぎでもわかる確率・統計 t分布のいろは④ 対応のない2標本の母平均検定 うさぎでもわかるオートマトンと言語理論 第08羽 総復習・正則言語の判定 うさぎでもわかる線形代数 第13羽 線形写像(後編) 核空間・像空間 線形写像の全射・単射について うさぎでもわかる計算機システム Part05 論理回路の基本編 [基本情報対応] 【数検1級対策】うさぎでもわかる線形代数 応用編第2羽 対称行列と交代行列への分解 うさぎでもわかるラスパイレス指数・パーシェ指数・フィッシャー指数 うさぎでもわかる微分方程式 Part02 同次形(u = y/x と置くタイプ) うさぎでもわかる微分方程式 Part04 完全微分方程式と積分因子カテゴリー
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