メイド・イン・ジャパンは誰をエンパワーしたのか? 日本の楽器メーカーがもっと誇るべき話
自分たちの困難と、そのなかで感じている苦しみや辛さを音楽として表現するためには、それまでにはない「新しい声」が必要になる。東の果ての島国からやってきた、性能がよくて安価で、西洋の歴史性を背負っていないツールは、理想的な武器だった。もしかしたら、日本のプロダクトは理念的にはずっと「デモクラティック(民主的)」なものだったのかもしれない。テクノロジー・ビジネス・音楽・出版など世界の最前線に触れてきた編集者、若林恵(黒鳥社)による楽器メーカーのもっと語られるべき話。
※この記事は2020年3月25日発売の『Rolling Stone JAPAN vol.10』の特集企画「いまこそ『楽器』を」に掲載されたものです。
既存のヒエラルキーを壊すために
「君たち日本人は、日本の楽器メーカーがどれだけ世界を変えたのかわかってなさすぎる。 YAMAHA DX7やROLAND TR-808、あるいはAKAI MPC1000……自分たちがそういう楽器を生み出したということに、もっと誇りを持たなきゃダメだ」。ある外国人にこんなふうに怒られたことがあるんですけど、これを言ってくれたのはルーク・ウッドさんという人で、この人が何者かというと、Beats by Dr. Dreの社長さんなんです。なので続けて、「そういう特集を雑誌でやるべきだ。そのときにはドクター・ドレーとかつないでやるから!」と言ってくれたんです。結局まだ実現できてないんですが、いつかやりたいんですよね。「音楽を変えた日本の楽器」って、Netflixのシリーズにでもなると思うんです。
Edited by Toshiya Oguma
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