とちラブ朗読劇『コミチャン!』2019.03.17ソワレ
つまり、ドラマの物語が武蔵野真里を中心に全て動いていたんですよね。舞台上手にあったバーのシーンも全て彼女が中心だったし (壬生と小山はバーの存在も知らなかったんじゃ・・・w) 、出番の時間も二人よりも多かった。 テレビドラマにするとしたら、 トップに名前が来るのは確実に真里を演じたさくらさんだった と思います。彼女を脇で支えるサイドストーリー的な立ち位置にいたのが栗原さんと村上さんだったので、そう理解して受け止めるまでにちょっと戸惑いがあったのは事実です。
さくらさん、舞台でのお芝居はこれがほぼ初めてとは思えないほどの熱演で、主役としての輝きやオーラも感じられました。とても素晴らしかった。
それだけに、最初に 「栗原さんと村上さんがメインの作品」と銘打っていたものは何だったんだろう… という物足りない気持ちも正直湧いてきてしまいました。 ストーリーの中で栗さんや村上さんがメインになってくる展開ももちろんあったけど、物語の主題としては取り上げられていなかったと思います。あくまでもサイドストーリーとしてのエピソードといった印象が私には強かった。
真里のエピソードが全体的に濃く描かれていたのに対し、 壬生や小山のドラマが少しアッサリに感じた のも少し残念だった。真里が主人公だったら全然アリな展開だったと思うんですが、栗さんと村上さんが主役として見ていくとどうしても中途半端な部分は否めなかったかなぁと。
特に、壬生さんのエピソードはもう少し掘り下げてほしかった。彼がなぜ 「適当にやってればいいよ」 って色んなことを諦めてしまうような性格になってしまったのか、個人的にはもっと深いドラマを期待しただけに拍子抜けしちゃったんですよね(汗)。
最初の頃はすごく熱心に町の人たちと関わって番組作りしていたのに、いつのまにかその気持ちをどこかに置き忘れてしまったと。そこの明確な理由のドラマがもっとほしかった。最初の熱意が持続できないような心に打撃を与えたようなことが壬生の中にあったと思うんだよなぁ。 「時の流れや立場がそうさせた」 っていうのは自然な流れかもしれないけど、 主役のエピソードとしてはドラマが薄い 。町の人とのかかわりを避けがちだった割には、会えばすんなりと打ち解けた雰囲気になってたし・・・そこはすごい違和感あったかも。
あと、いつもスマホばかり見ていた理由っていうのも… 「家族の時間が取れなくなって娘から既読無視されるようになったから」 というのもちょっと弱い。 その和解のきっかけも、テレビ中継を見た娘から 「パパ、見切れてる」 ってコメントが入ったという簡単な感じだったのも少し残念だったかなぁ。クスっとできる可愛いシーンだったけど、これだけで片付けちゃうことに物足りなさを感じてしまいました。”壬生が主役”だと思ってたのでなおさらそう思ったのかも…。
真里の影響を受けて再び熱意を取り戻していく、という展開に最終的に持って行く流れなのだから、個人的には もっと壬生のトラウマ部分を深く描いてほしかったです。 舞台の場数を多く踏んでる栗原さんならば絶対そこのドラマは印象的に演じてくれたはず。栗原さんのお芝居の実力を知っていただけに、非常に勿体なかったなぁというのが正直なところでした。
もう一つ大きな違和感を持ってしまったのが、小山と父親の場面に関してです。
実は高椅神社の一人息子だった小山は、自分のやりたかったことを優先するために神社を継がずに東京へ出て行ってしまった。その後戻ってきてケーブルテレビ局『とちラブ』で働いているわけですが、そのことがきっかけで 親子の仲はギクシャクしたもの になってしまっていたようです。 真里から 「なぜ高椅神社の取材に消極的なのか」 と尋ねられたときに 「それは…」 と答えづらくしていた場面もあったので、彼の中でその一件が心の闇として気持ちの中に残っているんだろうなと感じました。
が、 視覚的な部分として違和感 があったんですよね…。というのも、小山の父親である高椅神社の宮司を演じたのが高木さんだったからというのがあって…。 誤解されたくないのは、演じた高木さんは本当に素晴らしかったし驚愕させられることも多かったということ。高木さん個人が問題なのでは決してなく、どちらかというと 見せ方の演出的な部分 で違和感を感じたんです。
高木さんは今回の舞台で一人6役以上を演じる大活躍でした。小山の町の人は高木さんが全て担当していて、特に同じシーンで多数の役柄を声だけで演じ分けていたのは本当にすごいと思いました。 が、どの人物もどちらかというとコミカルな雰囲気があって。人物を分けることから役名の入った色分けされたベストを装着し、見た目がもう面白すぎて何度も吹き出しちゃうくらいだったんです。人物変わるたびにベストの”役名を隠していた布”が剥がされていくのも笑えたしww。
なので、高木さんはこの作品の中ではどちらかというと 「笑いの部分を担当」的な立ち位置 だなっていう視点で見てました。じゃなければあのベストは着ないと思ったし(笑)。 真面目っぽい町の人たちのシーンになっても、高木さんが演じていることでどこかクスっとしちゃうような雰囲気がありました。
だからこそ、 小山の父親役は違う人に演じてほしかった という想いがすごく強い。
小山と父親の関係はけっこうシリアスなパートで、特に最後に二人が和解の雰囲気になるところは感動する流れだったんです。が、そこに同時に ”町の人たち”も存在 することになってて…高木さん、脇に小山の父親に変身するための”神主の烏帽子”アイテムを挟んだまま登場してるんですよ(苦笑)。その見た目がかなり滑稽で、宮司姿の父親に変身した時には思わず吹き出しそうになってしまったくらいだったw。
町の人ならば雰囲気的に可笑しみがあっても許せるんですが、さすがに 小山と父親の一番肝となる大事な感動シーンであれはないんじゃないかな って思ってしまいました…。あの場面は笑いたくなかったし、素直にもっと感動したかった…。 小山の父親って、他の町の人たちとは立ち位置がちょっと違うと思ったんですよね。そこの色分けだけはキッチリしてほしかった気がするんですよ。なんなら、大野さんが父親役を演じてもよかったんじゃないのかなって今でも思ってます。
これはあくまでも 「見た目」の演出の部分に関する私個人の見解 なので、高木さんに対しては何も悪意がありません。むしろ、声色だけであれだけの人数を演じることはすごいと感動してます。 おそらく、ここの場面はラジオの方が感動できるんじゃないかなと。声だけの方が小山と父親のシーンに関しては臨場感があるような気がしました。
村上新悟さんについて最初にも書いたように、村上さんの舞台に立っている姿をこれまで見たことがなかったので、観る前からとても楽しみにしていました。 と同時に、ちょっとドキドキもしたかもw。テレビの芝居とは違った村上さんのお芝居…どんな感じなのか、どんな感想を持つのか、自分でもあまり予想がつかなかったんですよね。
まず第一声で驚いたのが、 声の張りの良さと自然に世界観に溶け込んでいた雰囲気 です。舞台に不慣れな人のお芝居だと、声や存在感が浮いているように見えてしまうこともけっこうあるのですが、村上さんには一切そういうことは感じることがなかったです。 しっかりとしたセリフの語り口調はドラマでもそうでしたが、舞台だとさらに一段と映える。滑舌も良いので言葉の内容も聴き取りやすい。それに、いい具合に体全体がリラックスしていて動きも自然でとてもスムーズに見えました。
私は2回目の回を観たのでちょっと小慣れていたこともあったのかもしれませんが、 「村上さんはやっぱり舞台俳優なんだな」 ってすごい実感した。舞台の上の世界がとても居心地が良さそうにしているように思えたし、何より生き生きしてたんですよね。テレビの芝居ではこれまで感じたことがなかったような雰囲気がそこにありました。 新しい村上さんの一面が見れた気がして、ファンとしてとても嬉しかったです。
まず、 真里との関係の変化 ですかね。 真里への最初の対応はかなり冷淡でツッケンドンw。さらには 「アナウンサーとして来たのに裏方もやらされるなんて 」とボヤく彼女に容赦なく厳しく接していたりして二人の間は最初はものすごくギクシャクしたものになってました。真里がバーのマスターに”ホの字”となったのをきっかけに (高木さんのマスターがすごい笑えたんだけどw) やる気を出し始めても小山の指導はスパルタ級。
小山にドヤされながら真里が中央マイクで客席に合間を縫って解説するシーンで、 「お前いったい誰に向かって話してんだよ!!」 とごもっともな強烈ツッコミを入れるのは特に笑えたww。ここのさくらさんとの台詞の掛け合いがスムーズでとても面白かったです。
本当は熱血的な一面を見せながらも、会社では壬生に影響されてか”適当男”になっちゃう小山でしたがww、真里が慣れない編集作業を必死にやっている姿を見てついに我慢できなくて手伝ってしまいます。 見てられなくなってウズウズしちゃった小山の表情が可愛くてツボ だったw。 で、この時の小山のパソコンのプログラムを打つタイピングの速さが尋常じゃないwww。どんなブラインドタッチしたらあんな高速打ち込みできんだよっ!!とツッコミ入れたくなるくらいの手さばきでww、しかもそれをシレっとした表情でやるもんだから思わず爆笑(笑)。
この一件がきっかけで、小山は壬生よりも早く真里に影響を受けて仕事に前向きになっていきます。PRする高椅神社が 『コイ(鯉)の明神様』 だと説明するくだりが出てきた時には・・・予感したよね、真里とのコイバナを(笑)。いやだって、最初雰囲気悪かった2人があるきっかけで急に関係が深まる…的なのって恋愛ドラマにありがちな展開じゃないですかww。
小山と真里が一緒に取材に行くシーンも最初とは違って良い雰囲気になってるように見えたし、これは 初めて村上さんが『恋』する瞬間の芝居が見れるんじゃないか!? 的に期待しちまった(笑)。 ですが・・・そうなりそうでならなかった(苦笑)。結局は尊敬する上司というところで止まってしまったのが個人的に残念でしたw。まぁ、今回のストーリーはそういう視点で描かれてなかったからな。
栗原さんが演じる 壬生との息の合ったセリフの掛け合い も面白かったです。 特に最初の制作会議のシーンでの真里のアイディアに対する反応は笑えた。一つ案が出てくると小山がすかさず 「でもそれは」 みたいな意見を出して、それを受けてすぐに壬生が 「却下」 を出す。この時の村上さんと栗原さんの台詞の呼吸がバッチリ噛みあっていてテンポある面白いシーンになっていました。
その他の栗原さんと一緒の場面でも、村上さんは実にスムーズにセリフを発してて。どんな芝居やセリフでも栗原さんなら受け止めてくれるっていう絶対的な信頼感があったんじゃないのかなと思いました。 ただ、二人のシーンになった時の芝居を比較してしまうと・・・舞台での場数を多く踏んでいる 栗原さんの安定感が圧倒的に際立っている のは感じました。村上さんは舞台で芝居をするのはすごい久しぶり (7年ぶりくらいらしい) だったこともあってか、台詞に感情をうまく乗せきれてないなぁと思うこともチョイチョイ…正直ありましたね。そこは少し残念に思ったんですが、今後舞台経験を重ねることができたら勘も戻るだろうし改善されるんじゃないかなぁと。
一番グッときたのが、 小山がイベント前の生放送番組の中で故郷への想いを語るシーン です。
最初の段取りでは高木さんが演じる町の人 (たしか粂川さんだったかな) が挨拶をする手筈になっていたのですが、小山の故郷に対する隠された気持ちを察した真里が急きょ彼にその役目を任すことになります。 意気揚々とカメラの前に立とうとした粂川さんが 「え!?」 って感じで動揺しまくってた姿は可愛くて笑えたけど、あんな間際はちょっと可哀想だったかなとw。でも、シーンの流れから言えばやはりそこは小山のコメントを!ってことになるよね。
急に振られた小山は激しく動揺するのですが、真里に背中を押されるように集まったオーディエンスの前に出て自分の素直な「小山市」に対する気持ちを語る。で、この時に小山は意を決したように 持っていた台本を静かに閉じて”自らの言葉”で話す んですよね…。
その一言一言に、 小山という役を通した「村上新悟の想い」 をひしひしと感じてしまったのはきっと私だけではなかったと思います。
小山は高椅神社の跡取り息子でありながら、自分のやりたいことを追及して親の期待を裏切って一度は故郷を離れました。でも、また再び故郷へ戻り地域密着型の番組を制作するケーブルテレビで働いている。 離れた時期があったからこそ感じる、故郷の優しさや温かさ…。 「その場所に帰る家がある」 といったような言葉を発していたのがものすごく印象に残りました。
あのコメントは、セリフとしてではなくて 村上さん本人の心から滲み出たもの に私には聞こえた。村上さんじゃなければあの言葉は出てこないんじゃないかな。 この場面、ボロボロと涙を流しながら一つ一つの言葉を愛しそうに大切そうに語ってて・・・見ていて私ももらい泣きしそうになりました(涙)。あんな号泣してる姿見たの、初めてかもしれない…。 村上さんも役者を目指し、成功するまでは帰らないという固い決意で故郷を出たってどこかで聞いたことがあるので、よけい重なるものがあったんじゃないかな。たとえ離れていても…辛かったことや楽しかったことひっくるめて、 「小山市」での時間は村上さんにとってかけがえのない大切な宝物なんだろうな って改めて思いました。
最後にオーディエンスに向かって 「楽しい場所なので皆さん遊びに来てください!」 って呼びかけるセリフがあって。ここでは必死に笑顔作ろうとしてたんだけど涙止まらず状態になってたなぁ。自分の気持ちとものすごくリンクしてるんだろうなって思いました。 次のシーンに行くために少しの間客席に背を向けて一所懸命涙をぬぐっていた姿が切なくて、 とても愛しく感じました 。何とか涙は止まっても、最後のシーンの直前くらいまで鼻をすすってたのが印象的だったな。
この場面をあえて入れた大野さん、ありがとうって思いましたよ。村上さんへの愛があってこそのワンシーンだと感じたので。
舞台はこの後大団円でラストシーンとなりましたが、もしも続編があったとしたら・・・ 小山と真里は一歩進んだ関係になっているような気がしますw。 だって真里さん、バーのマスターに告白する前に振られちゃいましたから。あれはその後の展開への前振りって個人的には捉えましたぞww。
「小山博の唄」では一節歌ってましたが、前述したように 音程はかなり怪しかったww 。あ、村上さん、ミュージカルの話は厳しいなって思いました(苦笑)。まぁ、でも、ミュージカルでもソロで歌わない役っていうのもよくあるので、もしもそういう機会が来たらチャレンジしてほしいです。
でもあの ♪こい、こい、こい、恋ロード~♪ っていう歌声はめっちゃ記憶に残ったなw。
ブログランキング参加中。読み終わった後にポチしてくださると嬉しいです!
関連記事
NHK朝ドラ『エール』第25回感想(2020.05.01放送)父に捧ぐ歌 NHK朝の連続テレビ小説『エール』第5週「愛の狂騒曲」第25回(2020年05月01日放送)視聴感想。。主演は窪田正孝。ほかに、二階堂ふみ、古川雄大、薬師丸ひろ子、志村けん、ほか 『西郷どん』第6回 謎の漂流者 『まんぷく』第21回(2018.10.24放送)武士の娘 NHK朝の連続テレビ小説『まんぷく』第4週「わたしが見つけます!」視聴感想。2018年10月24日放送・第21回。出演は安藤サクラ・長谷川博己・竹内郁子・石井洋祐・松坂慶子 ほか NHK朝ドラ『おかえりモネ』第37話ネタバレ感想 かもめ NHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』第8週「それでも海は」第37回ネタバレ視聴感想。2021年7月6日放送。主演は、清原果耶。 NHK朝ドラ『カムカムエヴリバディ』第11回感想レビュー 稔の縁談話 NHK朝の連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』第3週「1942-1943」第11話ネタバレ視聴感想。2021年11月15日放送。安子編の主演は、上白石萌音 NHK朝ドラ『なつぞら』第39回感想(2019.05.15放送)自然な気持ち 備中松山城の猫城主・さんじゅーろー君に会いに行ってきました うどん脳万博 1日目 2019.03.162023年11月より千葉県在住。約20年に渡る引越生活にピリオドを打ちようやく定住となりました。 ドラマ(特にNHK朝ドラや大河)感想は気分が乗ったら連続で書きますw。 また、旅先の風景や、ご当地キャラのイベントレポなどを写真を交えて紹介しています。