. 2050年になったら?6名の巨匠とAIがコラボした「“名画になった”海 展」 | サスティナブル&ローカル 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
2050年になったら?6名の巨匠とAIがコラボした「“名画になった”海 展」 | サスティナブル&ローカル 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
2050年になったら?6名の巨匠とAIがコラボした「“名画になった”海 展」 | サスティナブル&ローカル 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

あの有名絵画の風景が2050年になったら?6名の巨匠とAIがコラボした「“名画になった”海 展」

海洋プラスチックが問題になっていることは、すでに広く知られ 2022 年 4 月 1 日からプラスチックごみに関する新法案(プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律案)も施行され、問題意識は高まってきています。産業活動により排出される年間数百万トンものプラスチック廃棄物の多くは、最終的に海にたどり着き、魚を始め、海全体の生態系に悪影響を及ぼしていることも周知の事実です。そこで、「生きものを通じて世界に笑顔と感動を」をスローガンに掲げる横浜八景島が、海や川を脅かすこの深刻な問題に警鐘を鳴らすため「“名画になった”海 展」を ITOCHU SDGs STUDIO で開催することになりました。

実は、この展覧会、 2019 年に仙台うみの杜水族館で発表され、 2020 年度グッドデザイン賞を受賞しています。「 2050 年には海洋プラスチックごみの量が世界の魚の総量を超える」という予測データに基づき、海を描いた世界中の名画に、その作者のタッチを AI で再現してプラスチックごみを描き足すことで 2050 年版の名画を完成させ、プラスチックゴミで海が汚染されている状況を可視化し、来場者に驚きと実感をもってもらうきっかけづくりが評価されています。これらの絵画は、海洋清掃活動で収集された実際のプラスチックごみの画像を、「スタイルトランスファー」という AI 技術を用いて画家のタッチに変換し、シミュレーションにより算出された 2050 年の世界各地のごみの分布量に基づいて、元の絵画に描き加えられています。特別展では、 10 日間で 3 万人が来場したとのこと。

今回、都内で開催されることで、自分にできることを考えるきっかけづくりになればという思いがあるそうです。私たちの生活に便利なプラスチックですが、ごみになって海に流れ出すと、なかなか自然分解されません。プラスチックレジ袋なら、 1000 年以上かかるという研究もあります。また、 5 ミリ以下の細かいプラスチック粒子であるマイクロプラスチックも世界中の海に存在しています。

これらは、海岸に打ち寄せられたプラスチックごみが紫外線や波の影響で分解されたり、スクラブ洗顔料や一部の歯磨き粉などに含まれるマイクロビーズと呼ばれるプラスチック粒子が下水道を通じて海に放出されたりしたもの。小さいがゆえに、小魚たちが餌と間違えて食べてしまいます。その後、食物連鎖によって、大きな魚に食べられたころには、マイクロプラスチックは消化されないため、どんどん魚の体内にたまり続けます。食物連鎖の最後である我々人間は、マイクロプラスチックをたくさん食べた魚を食べることになるのです。自分たちが捨てたり、知らずに下水道へ流してしまったりしたプラスチックは、私たちの食卓に戻ってくることになります。その魚の量も、 2050 年にはごみより少なくなる予測がたてられている現実を見ることで、意識が変わるかもしれませんね。

未来の海の絵画と現在のごみから作られたスノードームの 2 部構成の展示

展示は、 2 部構成です。第一部では、「プラスチックの量が魚の量を超える」と言われている 2050 年の海をゴッホや葛飾北斎を含む、 6 名の巨匠が描いたらどうなるか、 AI 技術を用いて再現された絵画が鑑賞できます。

描き方のタッチが、 AI で再現されているためある意味、違和感がありませんが、ゴミの量に驚かされます。

奥に進んで第二部の部屋では、スノードーム「 Microplastic Globe 」が 5 つ展示されていました。スノードームの中には愛らしい海の生き物がいて、かわいいと思ってしまいます。しかし、そのスノードームのフレークには、実際に海から回収したプラスチックが用いられています。センサーに近づくと、フレークが舞い上がるのですが、そのときに海の生き物の口にフレークが入るようにデザインされていて、海の中で起こっていることを可視化しています。すでに海洋プラスチックごみの影響が報告されているカクレクマノミ、ミズクラゲ、ザトウクジラ、アオウミガメ、マゼランペンギンの 5 つの生物で表現され、ひとつひとつにどのような影響があるのか説明もついているため、海の中で何が起こっているのかがわかります。

海に流れついたプラスチックごみを海岸で見かけるだけでも、その量に驚きますが、マイクロプラスチックは目に見えないだけに、毎日の暮らしの中で意識する必要があります。「 Imagine the Future Ocean with Art 」と言葉で理解したつもりでいたものを、別の角度から改めて気づかせてくれる展示でした。海の日である 7 月 18 日まで開催中です。入館料無料なので、親子でほかの作品を見て、環境のことを考える機会にしてもいいですね。

“名画になった”海 展 開催期間: 2022 年 5 月 31 日~ 7 月 18 日 開館時間: 11:00 ~ 18:00 休館日:毎週月曜日、月曜日が休日の場合、翌営業日が休館 会場: ITOCHU SDGs STUDIO 東京都港区北青山 2-3-1 Itochu Garden B1F 料金:入館料無料 主催:株式会社 横浜八景島 https://www.itochu.co.jp/ja/corporatebranding/sdgs/20220516.html

ロハスジャーナリスト。フリーアナウンサー。 RANKING

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