. 18: 心象風景~気ままに鑑賞日記
18: 心象風景~気ままに鑑賞日記
18: 心象風景~気ままに鑑賞日記

心象風景~気ままに鑑賞日記

信長 逃げ散った者の中に、足利義昭の密使がいるはずじゃ。捉えて余の前へ引き連れて来い。その者こそ大名たちをそそのかし、我らに背かせた張本人じゃ。わしが直々に成敗してくれる。早々にとらえて引き立てい。 ナレーション 反織田同盟を作り上げ、信長を幾度か危機に陥れたその男は、通称、佐々木次郎。 信長に滅ぼされた旧南近江の守護職六角承禎の息子であった。佐々木次郎は武田家の菩提寺である山梨郡山里村の恵林寺に逃げ込んでいた。

信長 おのれ。天下を騒がせた賊を。さほどにかばい。信長を侮ったか!許さん! 寺も僧も共に焼け!

寺も僧も共に焼け!焼き殺してしまえ! ―― 読経の音 ――― ナレーション 信長の人数が、恵林寺の僧侶百五十四人を楼門の上に追い上げた。階下に芝草が積まれ、火が放たれた。 吹き上げる猛火が僧侶たちを生身のまま舐め始めた。 快川は僧侶たちの上座にいた。足下から火にあぶられながら、最後の言葉を残した。

秀吉 はははははははは・・・毛利は浮き足立っていような。はっはっはっはっは・・ 夏まで時を稼げると思うていたろうに、こうして、春早く押し寄せるのだ。はっはっは・・ 官兵衛 しかもわれらが人数を10万としています。 秀吉 2万の軍勢を10万とな。官兵衛、おぬし戦う前から毛利をきりきり舞いさせておるのう。

みみ 手下の話では、百五十人の僧を焼いた匂いが、一里四方に漂っていつまでも消えないそうです。 官兵衛 信長公は、また寺と人を焼いたか・・・。 みみ なんとも無残な御心ばえの方。この先どれだけむごたらしい人殺しをなさることか・・・。 善助 はっはっは。いやに哀れっぽいことを言うんだな。忍びのみみが。 みみ みみも人の子。むごい話を聞けば心も痛むさ。 善助 たわけたことを・・・。いくさをしているのだぞ。戦いとは殺し合うことだ。 みみ 官兵衛さまは殺さずに勝つことをいつもお考えだよ。 善助 話で済まぬから殺し合いのいくさになるのだ。 ・・・なんだぁ?妙に気弱になって・・・何かあったのか? みみ (狼狽して)ばっ、ばかをお言い・・・何にもありゃしないよ。 善助 いや、この頃急になよなよしてきた。何もなくてそんな風になるものか。 みみ 善助! 善助 はははは・・・むきになるところがますます怪しい。 官兵衛 よせ!いくさの前にいがみ合うやつがいるか。 善助 いや、別にいがみ合ってはおりませんぞ。私はただ・・・ 官兵衛 よせ。 善助 ・・・さてはよします。・・だが、殿も、ちと近頃、・・・はははは、いや、はははは、よします。 官兵衛 みみ。 みみ はい。 官兵衛 備中の七つの城を、今一度城中の様子を窺ってきてくれ。 みみ 承知!

秀吉 さて、官兵衛。やぁ、どう手をつけて行こうかのう? 官兵衛 備中の毛利方の城は七つ。宮路城、冠山城、加茂城、日幡城、松島場、庭瀬城、そして要の高松城。小城の方は一気にもみ潰して、高松城に臨むことが大事かと思われます。 秀吉 うーむ。もたもたしておっては、織田方弱しと毛利に変な元気をつけてしまうからのう。 官兵衛 まず調略をいたしましょう。 秀吉 いや、しかしな、さすがに本拠に近いだけあって、なかなかの者たちが守っておる。果して調略できるかの? 官兵衛 毛ほどの隙があるうちはやってみましょう。毛利の大軍が到着するまでには、まだ間がありますので。 秀吉 うーむ・・うむうむ、そうよな。どの城の主も所詮は毛利家への奉公人。奉公人なら、目を奪うほどの利益をちらつかせれば、心を動かすであろう。はっはっはっはっは、人というのは弱いものだ。 官兵衛 では、味方の中からも毛利側に走る者が出るやもしれません。 秀吉 おいおい、脅かすな、官兵衛。 官兵衛 味方に乱れなきか、改めてください。その間に私は、七つの城への調略を進めましょう。

みみ 七つのうち、二つだけ脈があります。 官兵衛 どことどこだ。 みみ 加茂城東の丸を守る生石少輔。槍を使わせては右に出るものがなく、采配をとっても見事な武将。ただ、流れ者のせいか、今度加茂城で同格の桂民部の下に立ったのに腹を立てています。 官兵衛 転びそうだな。 みみ ほかに、日幡城主上原元祐。小城を守らされるのを遺憾に思っています。 官兵衛 ご苦労だったな。では、残る五つの城について見聞きしたことを話してくれ。 そちらの方もできるなら、調略したい。 みみ 官兵衛さまはやはり、むごいことが嫌いなんですね。 官兵衛 みみ。ここでそんな話は無用だ。 みみ はっ、はい。 官兵衛 今は戦うときなのだ。

この回では、ナレーションの他、快川紹喜和尚の声も永井一郎さんでした。 ドラマ全体を通して、主なキャスト以外の様々な登場人物の声を受け持っていらっしゃいます。 官兵衛をおとしいれた小寺家の重臣たち、みみがたてた風説を伝える声、などなど・・・・ 声色を使い分け、ドラマの緊迫感を高めるように、巧みに演じていらっしゃいます。 素晴らしい職人技で、ドラマを根底から支えていらっしゃったこと、改めて感じました。 こうして、記録の中で、永井さんの声と技に、出会い続けていられること、幸せに感じます。 合掌。

by pik-xiwang | 2014-02-02 16:53 | ラジオ版播磨灘物語 好きなドラマや映画などの感想、言葉について思うことなど気ままに書いていきます。 by pik-xiwang S M T W T F S 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31
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