Без кейворда
21年のモデルチェンジ以降初めて乗ったのだが、驚いたのはその瞬発力だ。 初代のNCは高回転域こそ回らなかったものの実は意外とキビキビと走らせることができるバイクだった。特にサスペンションストロークの長いXモデルはワインディングでも良いペースが可能だった。 しかし750ccになった時に、ファイナルがロングになったことや燃費を伸ばす方向にチューニングされたことなどから、初代の活発さは影をひそめ、代わりにリラックスした、どこかラグジュアリーな路線へと移ったように思っていた。 対するこの新型は、エンジンパワーの向上や軽量化が効いてか初代のような活発さを取り戻していると感じさせてくれた。マニュアルモードを選択しないと次々とギアを変えていくDCT搭載車だったが、それでも速くなったと感じさせるのだからそれは確かなものなのだろう。右手にダイレクトな加速感が得られやすく、以前のように「NCは他のスポーツバイクとは違う独自の乗り物だ」といった感覚はとても薄かった。ラグジュアリーな感覚は決して失われていないが、こんなキビキビ感が戻ってきたのは素直にうれしい。ディーゼルターボのようなトルクフルなエンジンを目いっぱい使えば、ノンビリツーリングだけでなく、スポーティな操作も楽しめるというわけだ。
とことん便利! 快適に距離を稼ぐ ホンダの良心 Eクラッチ元年はDCT終焉を意味するのか最後にDCTについて少し書いておこう。筆者はDCTが世に出てこのかた、その進化には驚かされることも多かったものの、しかしついぞこの機構が好きになることはなく、選択肢があるのならば常にMTを選んできた。 クラッチ操作を苦にしない程度のベテランだから、ということもあるかもしれないし、もしくはスポーツマインドを持ってバイクに接したいため、どのギアで走るかの選択肢は常に自分で持っておきたいという気持ちがあるからかもしれない。スクーターのようなオートマは決して嫌いではないのだが、DCTのようにギアが変わってしまうと、エンブレのかかり具合が変化したりして、特に低速走行時は車体が意図せずにバランスを崩したりするのが苦手だったのだ。 一方で、DCTファンがいるのも解る。アフリカツインやゴールドウイングにまで搭載されているのだから、ニーズも確かにあるのだろう。 しかしDCTが世に出てはや14年、その間にクイックシフターは劇的に進化し、そしてクラッチそのものもアシスト&スリッパークラッチなるものが一般化しものすごく軽い入力で操作できるようになった。さらにはホンダからセミオートマのような「Eクラッチ」が発表されたではないか( https://mr-bike.jp/mb/archives/42983)。こうなってくると、複雑な機構と複雑な制御が必要で、かつ高価でもあるDCTはそろそろ役目を終える時が来たのではないかとも思うのだ。 DCTファンは今のうちに買っておいた方が良いかもしれないが、一方であのEクラッチも大変楽しみではないか。 (試乗・文:ノア セレン、撮影:富樫秀明)
足着きは極めて良好。ポジションも堂々としていて窮屈な部分は無い。ライダーの身長は185cm。写真の上でクリックすると、両足着き時の状態が見られます。 メインのライトから独立して下側にあるのがハイビーム。正面から見るとわかりにくいが、若干逆スラントしていて大変にカッコ良いのである。ウインカー類はLED。 17インチホイールであることを思うと、意外やハンドル幅は広めという印象だ。スクリーンの防風性は十分以上。●NC750X DCT / NC750X 主要諸元 ■型式:ホンダ・8BL-RH09 ■エンジン種類:水冷4ストローク直列2気筒OHC4バルブ ■総排気量:745cm3 ■ボア×ストローク:77.0×88.0mm ■圧縮比:10.7■最高出力:43kW(58PS)/6,750rpm ■最大トルク:69N・m(7.0kgf・m)/4,750rpm ■全長×全幅×全高:2,210×845×1,330mm ■ホイールベース:1,525[1,535]mm ■最低地上高:140mm ■シート高:800mm ■車両重量:224 [214]kg ■燃料タンク容量:14L ■変速機形式:電子式6段変速(DCT) [常時噛合式6段リターン] ■タイヤ(前・後):120/70ZR17M/C・160/60ZR17M/C ■ブレーキ(前/後):油圧式ダブルディスク/油圧式ディスク ■懸架方式(前・後):テレスコピック式・スイングアーム式 ■車体色:グランプリレッド、パールグレアホワイト、マットバリスティックブラックメタリック ■メーカー希望小売価格(消費税10%込み):990,000円[924,000円] ※[ ] はMT
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