【誤差伝播の法則】うさぎでもわかる実験の基礎 第1羽 誤差の取り扱い(誤差論)と有効数字
しかし、数がすごく大きいor小さい場合は\[a \times 10^n \ \ \ \ \ \left( \ 1 \leqq a \lt 10 \ \right)\]のように表現を行います。このように表現することで有効数字の桁数がわかりやすくなります。例えば、\( 3.34 \times 10^5 \) であれば有効数字は3桁、\( - 6.0 \times 10^ \) であれば有効数字は2桁となります。
( 決して \( 3.34 \times 10^5 \) を334000と書いてはいけません 。有効数字が3桁と6桁で全然違う結果となります。ただし、\( 2.0 \times 10^ \) を 0.0020 と書くように有効数字が変化しない書き方の場合は書き換えてもOKです。)
(3) 測定値を読む場合の有効数字デジタル値で測定結果が表示されている場合、 デジタル値の値をそのまま 有効数字としてOKです。(事前に測定器具の目盛りの単位を取扱説明書などで確認しましょう。)
一方アナログ表示の場合、 最小目盛りの1/10 の値までを読み取り、有効数字としましょう。たとえば皆さんがよく使う1[mm]刻みの定規の場合、0.1mm単位までを有効数字としてください。
(4) 各種演算における有効数字の桁数 (1) 足し算・引き算の場合たとえば19.19 + 33.4 の計算を普通にすると 52.59 になります。しかし、33.4は33.40とは限りませんよね*1。(イメージとしては33.4の後には未知の数字?が続いてる(33.4. …)と考えてください。
足し算や引き算の場合、 値の一番小さい位が大きいほう に桁を合わせます。
8.93 - 5.2 の計算の場合、値の一番小さい位がより大きい5.2(小数第1位まで)に合わせます。筆算で書くと、
(2) 掛け算・割り算・べき乗の場合掛け算や割り算の場合は、 2つの数のうち有効数字が小さい方 に合わせます。例えば、3.53×5.6の場合、3桁×2桁なので有効数字は2桁とします。
有効数字を考慮すると、\[3.53 \times 5.6 = 20\]となります。同様に3.53÷5.6を計算すると、\[3.53 \div 5.6 = 0.63\]となります。(同じく有効数字は2桁)
値のべき乗や平方根を求める際は、有効数字の桁数を 元の値と同じ にします。例えば、\[4.1^3 = 69 , \ \ \ \ \sqrt = 7.5\]となります(計算元も計算先も有効数字は2桁ですね。)。
(3) 定数や無理数などを計算に使う場合公式などに代入する場合、\( 4 \pi r^2 \) の4や \( \frac mv^2 \) の1/2のような定数がよく出てきます。
定数に誤差は絶対にないので*2、 定数は有効数字が無限大 と考えてください。
(同じく \( \sin 30^ = 1/2 \) なども定数となります。)
また、無理数の \( \pi \) や \( e \) は丸める箇所までが有効数字となります。例えば \( \pi \) を3.14とした場合は有効数字が3桁に、3.14159とした場合は有効数字が6桁となります。
どこまで有効数字を取るかについてですが、他の実験データの桁数よりも 1桁多く とれば他の有効数字などに影響を与えないので、1桁多く取ることを習慣にしましょう。
(4) 計算過程と有効数字2段階以上にわけて計算をする場合、本来取るべき有効数字より 1桁多く 取るようにしましょう。
有効数字の計算法 2つの数の足し算(or引き算)の場合 →2つの中でより 最小位の位が大きい桁 に合わせる2つの数の掛け算(or割り算)の場合→2つの中でより 有効数字の桁数が少ない方 に合わせる
数を \( n \) 乗する場合→有効数字の桁数を変えないようにする
※計算途中では 有効数字を1桁多く 取ること!
例題1 有効数字の計算(1) \( 11.4 + 5.14 \)(2) \( 10.0 - 4.55 \)(3) \( 1.5 \times 2.53 \)(4) \( \sqrt \)
解説111.4は小数第1位、5.14は小数第2位なので小数第1位に合わせる。よって\[11.4 + 5.14 = 16.5\]となる。(筆算は下に示しています。)
10.0は小数第1位、4.55は小数第2位なので小数第1位に合わせる。よって\[10.0 - 4.55 = 5.5\]となる。(筆算は下に示しています。)
1.5は有効数字2桁、2.53は有効数字3桁なので有効数字2桁に合わせる。よって\[1.5 \times 2.53 = 3.8\]となる。(筆算は下に示しています。)
2.誤差のいろは
(1) 誤差とは誤差論において誤差 \( \Delta x \) とは、測定した値 \( x \) と真値 \( X \) との差を表します。数式で表すと、\[\Delta x = x - X\]となります。
(2) 絶対誤差と相対誤差 絶対誤差絶対誤差とは、真値 \( X \) と測定値 \( x \) の差を直接表す方法です。絶対誤差のことを単に誤差と表すこともよくあります。絶対誤差を数式で表すと、\[(絶対誤差) = x - X\]となります。(上の誤差は絶対誤差を表しています。)
たとえば、真値160.0[cm]の人を158.4[cm]と測定してしまった場合、絶対誤差は\[158.4 - 160.0 = -1.6\]となり、絶対誤差は -1.6[cm] となります。
(絶対)誤差には 単位が必要 なので単位を忘れていないか確認しましょう!
相対誤差相対誤差とは、真値 \( x \) と測定値との誤差を割合で表す方法です。
- 身長160cmの人を170cmと測定し、10cmの誤差が発生
- スカイツリーの高さを63400cmと63410cmと測定し、10cmの誤差が発生
このように誤差の規模を比べたいときは相対誤差を使い、測定値と真値との誤差を割合で表します。相対誤差を数式で表すと、\[(相対誤差) = \frac< x - X> < X >=\frac< \Delta x>< X >\]となります。
たとえば、真値160.0[cm]の人を158.4[cm]と測定してしまった場合、相対誤差は\[\frac = \frac = -0.01\]となり、相対誤差は -0.01(つまり-1%)となります。
相対誤差には割合なので 単位を付けないように しましょう!(パーセントはつけてもOK!)
(3) 誤差の種類 系統誤差- 理論とか原理を誤って解釈したことによっておこる誤差(理論的誤差)
- 測定装置のバグなどによって発生する誤差(機械的誤差)
- 測定者の癖による誤差(個人的誤差)
の3つを表します。系統誤差は 誤差の原因さえ取り除くことで 完全に誤差をなくすことができます。
偶然誤差しかし 確率的に 発生するので、あとで紹介する統計的処理によって、偶然誤差を減らすことができます。
(4) 正規分布ここで \( \sigma \) は標準偏差*4を表します。
例えば、誤差が \( \pm \sigma \) 以下となる確率は、上の図の灰色部分の面積で表され、0.682(68.2%)となります。標準偏差誤差の基準としてよく使われます。
- \( x \) 軸と \( f(x) \) の面積が1(全体の確率は100%なので当たり前)
- 絶対値の小さい誤差は絶対値の大きい誤差よりも起こりやすい*5
- 絶対値が等しい誤差は(正負に関係なく)等しく発生する*6
誤差の基準として、標準偏差のかわりに確率誤差 \( r \) を使うことがあります。この \( r \) は、誤差が \( r \) 以下となる確率が50%になるようにとった値を指します。
この \( r \) を \( \sigma \) を用いて表すと\[r = 0.6745 \sigma\]となります。
(5) 最確値と誤差なので、真値の代わりに 最確値 を使います。
最確値\( n \) 個の測定値 \( x_1 \), \( x_2 \), …, \( x_n \) の最確値 \( \bar \) は下のような式で求めることができます。\[ \begin\bar & = \frac \left( x_1 + x_2 + \cdots + x_n \right)\\ & = \frac \sum_^ x_i\end \](測定値の平均が最確値と頭に入れておけばOK!)
最確値に対する誤差(標準誤差)上に書かれている標準偏差 \( \sigma \) は無限回測定した場合の標準偏差 \( \sigma \) に適応されますが、無限回測定することなんてできないので、測定の誤差に標準偏差をそのまま適応することはできません。
(今まで説明してきた標準偏差 \( \sigma \) は 全体のデータの標準偏差 を求めるものだったが、今回は 全体のデータの中から一部のデータを抜き取って計算する ので今までの標準偏差の公式が適用できないってことです!*7)
今回の場合、最確値に対する誤差は、標準誤差 \( s_m \) を使用します。では、標準誤差を求める方法について説明していきましょう。
まず、普通の分散(母分散) \( \sigma^2 \) を求める公式は、\[\begin\sigma^2 = \frac \sum^n_ < i = 1>\left( x_i - \bar \right)^2\end \]でしたね。
しかし、\( n \) 個のデータの平均が分かっている場合、\( n-1 \) 個のデータが分かっていれば残りのデータ1つの値は平均と \( n - 1 \) 個のデータから求めることができますね*8。\( n - 1 \) 個のデータからわかるのに \( n \) で割るのは少しおかしいですよね。なので分散 \( s^2 \) は \( n \) ではなく、\( n - 1 \) で割ったもの、つまり\[s^2 = \frac \sum^n_ < i = 1>\left( x_i - \bar \right)^2\]と求められます。この分散 \( s^2 \) のことを 不偏分散 と呼びます。
さらに \( n \) 回の測定から得られた最確値(標本平均)\( \bar \) に対する不偏分散 \( s_m^2 \) は、\[s_m^2 = \frac = \frac \sum^n_ < i = 1>\left( x_i - \bar \right)^2\]と求めることができます。あとは不偏分散の平方根を取ることで標準誤差 \( s_m \) を\[s_m = \sqrt\]と求めることができます。
(標準偏差 \( \sigma \) を使うと、\[s_m = \frac> \sigma\]と表現することもできます。)
誤差を標準誤差(や標準偏差)で表す場合、 各データと最確値の差の2乗 を誤差計算に利用していますね。2乗をすることで 誤差の正負がなくなる ので、標準誤差(や標準偏差)を誤差とする場合、誤差は絶対値となる点に注意してください。
実験結果の表し方実験結果を示す際には、最確値 \( \bar \) と標準誤差 \( s_m \) を用いて\[\bar \pm s_m\]の形にします(単位忘れないように!)。標準誤差の方は 原則有効数字1桁 にするようにしましょう。例えば、最確値が 3.6 [kg]、誤差が 0.13 [kg] であれば、\[3.6 \pm 0.1 \ \mathrm\]と表します。(誤差は絶対値なので ± となることに注意。)
測定結果の表現法と最確値・標準誤差測定結果は \( n \) 回測定して得られた最確値 \( \bar \) と標準誤差 \( s_m \) を用いて\[\bar \pm s_m\]と表現する。
最確値 \( \bar \) 、標準誤差 \( s_m \) はそれぞれ\[\bar = \frac \sum_^ x_i \]\[s_m = \sqrt< \frac \sum^n_ < i = 1>\left( x_i - \bar \right)^2 >\]と計算できる。
例題22.4, 2.6, 2.3, 2.5, 2.3, 2.8, 2.5, 2.3, 2.9, 2.4
解説2まずはたけのこの里の最確値 \( \bar \) を出していきます。\[\begin\bar & = \frac (2.4 + 2.6 + 2.3 + 2.5 + 2.3 + 2.8 + 2.5 + 2.3 + 2.9 + 2.4)\\ & = \frac \cdot 25.0\\ & = 2.50\end \]となり、最確値は2.50 [g] となります。(10個すべて足すと有効数字が3桁になる点に注意)
- 残差(測定値 - 最確値)の2乗の和を計算
- 1で求めた値を \( \frac\) 倍
- 最後にルートを取る
よって、たけのこの里の重さは、2.50 ± 0.07 [g] となる。
3.偏微分・全微分
(1) 偏微分高校までで習った微分(常微分では)と記号が若干異なるので少し気を付けてください。例えば、\[f(x,y) = 3x^2 + 5xy + 9y^2\]を \( x \) で偏微分すると、\[\frac = 6x + 5y\]となり、\( y \) で偏微分すると、\[\frac = 5x + 18y\]となります。
(2) 全微分全微分とは、関数 \( w = f(x_1, x_2, \cdots, x_n) \) の変化量に対しての、\( w \) の変化量 \( dw \) を表します。
たとえば、3変数関数 \( w = f(x,y,z) \) の増加量が \( dx \), \( dy \), \( dz \) のときの増加量 \( dw \) は、\[dw = \frac dx + \frac dy + \frac dz\]と表すことができます。
4.間接測定における誤差
(1) 直接測定・間接測定たとえば体重、身長などは測定器などで 直接 得ることができましたね。このように測定器具から数値を直接測定することを 直接測定 と言います。
一方 測定器では直接得ることができず 、計算をしなければ得ることができない値のことを 間接測定 と言います。
関数測定の結果は直接測定で得ることができた値(例:\( x \), \( y \), \( z \) の3つ)の関数(例: \( f(x,y,z) \) )として表すことができます。
(2) 間接測定と相対誤差測定結果 \( w \) が\[w = f(x,y,z) = C x^a y^b z^c\]で得ることができる関数があるとします。(\( C \) は定数)
この関数の対数をとると\[\log w = a \log x + b \log y + c \log z\]と変形することができますね。
さらに両辺を微分すると、\[\frac = a \cdot \frac + b \cdot \frac + c \cdot \frac\]と表すことができます。
誤差は絶対値なので正と負と両方が考えられる。間接誤差は\[\left| \frac \right| \leqq \left| a \cdot \frac \right| + \left| b \cdot \frac \right| + \left| c \cdot \frac \right|\]と表すことができます。
(\( x^n \) は \( x \) にくらべて相対誤差の影響が \( n \) 倍となる。)
この式から、測定結果 \( w \) がそれぞれの直接測定から得られた値のべき乗の積 \( C x^a y^b z^c \) で表せる場合、絶対値の大きい指数がかかっているものほど誤差の影響が大きい*10ことがわかりますね。(言い換えると、絶対値の大きい指数であればあるほどより正確に測定する必要がある。)
もちろんもっと多変数の場合であっても同じ手順で計算ができます。例えば、金属の直径 \( D \)、長さ \( L \)、電圧 \( V \)、電流 \( I \) の4つから金属の電気抵抗を計算できる公式\[w = \frac\]について考えてみましょう。このように多くの変数があった場合でも、直接測定から得られた値のべき乗の積\[w = \frac D^2 V L^ I^\]で表せるので、\[\log w = \log \frac + 2 \log D + \log V - \log L - \log I\]とし、両辺を微分すると、\[\frac = 2 \frac + \frac - \frac - \frac\]とし、絶対値を付けて\[\left| \frac \right| = 2 \left| \frac \right| + \left| \frac \right| + \left| \frac \right| + \left| \frac \right|\]とすることで金属の直径 \( D \) は他の測定値より2倍正確*11に測定する必要があることがわかります。
例題3身長 \( h \) [m] と体重 \( m \) [kg] からBMI \( b \) を誤差0.1以下で求めたい。ただし、BMIは、\[b = \frac = mh^\]で求めることができる。
(1) より正確に測定する必要があるのは身長、体重のどちらですか?(2) 身長、体重をどれくらいの精度で測ればBMIの誤差を0.1にできるでしょうか? ただし平均BMIは20前後である。
解説3BMI \( b = f(m,h) \) は、\[b = f(m,h) = mh^\]と求めることができる。対数をとると\[\log b = \log m - 2 \log h\]となる。両辺を微分し、\[\frac = \frac - 2 \frac\]となる。
誤差には絶対値なので正と負と両方が考えられる。よって間接誤差は\[\left| \frac \right| \leqq \left| \frac \right| + 2 \left| \frac \right|\]となり、身長は体重に比べて相対誤差の影響が2倍となる。
平均身長を1.6 [m]、平均体重を 60 [kg]と仮定すると、身長、体重の絶対誤差は\[1.6 \cdot \frac = 0.0020 \mathrm \]\[60 \cdot \frac = 0.15 \mathrm]\]となるので、身長は誤差 2[mm] 以下、体重は誤差 0.15[kg] 以下で測定すればよい。
(3) 誤差の四則演算は単純じゃない!1つ目の測定結果 \( x \) から2つ目の測定結果 \( y \) を引くことで求められる値 \( x - y \) があるとします。
このとき、測定結果の誤差も1つ目の結果から2つ目の測定結果を引くと 0.3 - 0.3 だから誤差は0.0である、とするのはさすがにおかしいな、と思いますよね。
今回の例でいくと、誤差を計算する際には絶対値で考える必要があります。誤差には正と負の2つのパターンが考えられるます。なので、今回の場合は最悪の場合、\( x \) が +0.3の誤差、\( y \) が -0.3の誤差で合計0.6の誤差が生まれます。
(4) 誤差の伝播(誤差伝播の法則)例えば、間接測定 \( w \) が2つの 独立した 測定結果 \( x \), \( y \) (誤差はそれぞれ \( \delta_x \), \( \delta_y \) )の関数、つまり \( w = f(x,y) \) で求められるときの誤差 \( \delta_w \) を求めるとしましょう。
まず、\( w = f(x,y) \) を全微分すると、\[| \delta_w | = \frac \delta_x + \frac \delta_y\]となりますね。絶対値があると邪魔なので両辺を2乗します。
ここで、\( x \), \( y \) は独立してるので 互いの相関係数は0 となります。よって、\[\delta_w^2 = \left( \frac \right)^2 \delta_x^2 + \left( \frac \right)^2 \delta_y^2\]と変形ができます*12。
さらに測定結果 \( w \) がそれぞれの直接測定から得られた値のべき乗 \( w = x^a y^b \) の積で表せる場合、両辺を \( w^2 \) で割ることで\[\frac = a^2 \left( \frac \right)^2 + b^2 \left( \frac \right)^2\]と変形ができます*13。
この法則を使って直接測定で得られた値 \( x,y \) の積 \( xy \) の誤差と商 \( x \div y \) の誤差を求めてみましょう。
2つの積ということは、関数を用いて\[f(x,y) = xy\]と表すことができますね。よって誤差は\[\begin\delta_w^2 & = \left( \frac \right)^2 \delta_x^2 + \left( \frac \right)^2 \delta_y^2\\ & = \left( y \right)^2 \delta_x^2 + \left( x \right)^2 \delta_y^2\\\delta_w & = \sqrt< (y \ \delta_x)^2 + (x \ \delta_y)^2 >\end \]と計算できます。
また、商 \( x \div y \) は関数を用いて\[f(x,y) = \frac\]と表すことができますね。よって誤差は\[\begin\delta_w^2 & = \left( \frac \right)^2 \delta_x^2 + \left( \frac \right)^2 \delta_y^2\\ & = \left( \frac \right)^2 \delta_x^2 + \left( - \frac \right)^2 \delta_y^2\\\delta_w & = \sqrt< \left( \frac \delta_x \right)^2 + \left( \frac \delta_y \right)^2 >\end \]と計算できます。
測定結果 \( w \) が \( x \), \( y \), \( z \) の3つの直接測定の結果の関数\[w = f(x,y,z)\]で表されるとする。このとき、誤差 \( \delta_w \) はそれぞれの誤差 \( \sigma_x \), \( \sigma_y \), \( \sigma_z \) を用いて\[\delta_w^2 = \left( \frac \right)^2 \delta_x^2 + \left( \frac \right)^2 \delta_y^2 + \left( \frac \right)^2 \delta_z^2 \]\[\delta_w = \sqrt< \left( \frac \right)^2 \delta_x^2 + \left( \frac \right)^2 \delta_y^2 + \left( \frac \right)^2 \delta_z^2>\]と計算できる。
さらに測定結果 \( w \) がそれぞれの直接測定から得られた値のべき乗 \( w = C x^a y^b z^c \) の積で表せる場合、\[\frac = a^2 \left( \frac \right)^2 + b^2 \left( \frac \right)^2 + c^2 \left( \frac \right)^2 \]\[\delta_w= w \sqrt< a^2 \left( \frac \right)^2 + b^2 \left( \frac \right)^2 + c^2 \left( \frac \right)^2 >\]と表すことができる。
誤差の四則演算における間接誤差測定結果 \( w \) が \( x \), \( y \)(誤差 \( \delta_x \) , \( \delta_y \)) の結果から間接的に計算できるものとし、\( x \), \( y \) は互いに相関関係がないものとする。このときの測定結果 \( w \) 誤差 \( \delta_w \) は、
(4) \( w = x \div y \)(割り算)\[\delta_w = \sqrt< \left( \frac \delta_x \right)^2 + \left( \frac \delta_y \right)^2 >\](足し算と同じ)
※(1)~(4)はすべて 誤差の伝播法則 で導出することができます。
例題4身長 \( h \)、体重 \( m \) がそれぞれ 1.640 ± 0.004 [m]、51.0 ± 0.3 [kg] で与えられる際のBMI \( b \)を誤差を含めて計算しなさい。
解答4まずは最確値を求める。最確値の計算は普通に計算すればよい。\[b = \frac = \frac = 18.96\]となる。(計算のため有効数字を1桁余計にとった)
次に誤差を求める。身長の誤差 \( \delta_h = 0.004 \)、体重の誤差 \( \delta_m = 0.3 \) を誤差伝播の式に代入すると、\[\begin\frac & = \left( 4 \cdot \frac \right)^2 + \left( \frac \right)^2\\ & = \left( 4 \cdot \frac \right)^2 + \left( \frac \right)^2\\ & = \left( 4 \cdot 5.9 \times 10^ + 3.5 \times 10^ \right)\\ & = 5.9 \times 10^\end\]となる[有効数字1桁]。(1桁多く計算ではとっています)
5.さいごに
6.参考文献
*2 : 例えば \( 4 \pi r^2 \) の4が3.9になったり4.1になったりすることは絶対にありませんよね。
*4 : 標準偏差 \( \sigma \) は、分散 \( \sigma^2 \) の平方根を取ることで求めることができます。
また、分散はそれぞれのデータの差を2乗したものの平均\[ \frac \sum^n_ (x_i - \overline) \]もしくは、「それぞれのデータの2乗したもの」から「データの平均を2乗したもの」を引く、つまり\[\frac \sum^_ x_i^2 - \left( \frac \sum^_ x_i \right)^2\]を計算しても求めることができます。( \( \overline \) は平均です。)
*8 : 例えば、5つのデータの平均が3で、4つのデータが2,2,4,4であれば残り1つの値は\[3\times 5 - (2+2+4+4) = 3\]と求められますよね。
*10 : 例えば、\( f(x,y) = x y^2 \) で計算できる測定結果の場合、\( x \) にかかっているのは1乗、\( y \) にかかっているのは2乗なので、\( y \) にかかる相対誤差の影響は \( x \) の2倍となります。
*12 : 相関関係が0であれば \( x \), \( y \) の共分散も0になるので \( \delta_x \delta_y \) のように別の2つの誤差の積で表される項が0になる。よって \( \delta_x^2 \), \( \delta_y^2 \) の項だけ残る。
公開日: 2019年9月27日 更新日: 2022年5月25日 この記事を書いた人 コメント一覧 コメントはありません。 関連記事 うさぎでもわかる線形代数 第07羽 基底をジュースで考えよう!+基底の交換 (論文紹介) メガネ不要の3Dディスプレイ Tensor Display(テンソルディスプレイ) うさぎでもわかる確率・統計 カイ2乗分布のいろは① 母分散の推定 うさぎでもわかる確率・統計 t分布のいろは③ 対応のある2標本の母平均検定 離散数学 関数の個数の数え上げ猛特訓(解説付き) うさぎでもわかる確率・統計 指数分布 うさぎでもわかる信号処理・制御工学 第13羽 離散フーリエ変換(DFT) うさぎでもわかる信号処理・制御工学 第12羽 離散時間フーリエ変換(DTFT) うさぎでもわかる解析 Part26 広義2重積分・ガウス積分 iPhone 11 ナイトモード比較!!カテゴリー
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