北海道ニセコ出身のシンガー・REJAY、クリスマスイブに鳴らした、喪失を抱きしめるための静かなファイトソング
2025年12月24日(水)、東京・恵比寿 TimeOut Cafè & Diner, KATAにて北海道ニセコ出身のシンガー・REJAY(リジェ)が「1st Album Grown tag Release Party」を開催した。YouTubeにアップしていた動画をキッカケにJeremy Quartus(Nulbarich)のプロデュースを受け、およそ2年間活動を続けてきたREJAY。そんな彼女が12月17日(水)に産み落とした1stアルバム『Grown tag』のリリースを記念した同イベントでは、喪失を乗り越えるため、眠れない夜をどうにか耐え抜こうとする様子が示されていた。
電飾で彩られたアンプやマイクスタンド、ドラムセットの脇に置かれたテーブルランプが、クリスマスイブに似つかわしい温かな光を放つ中、REJAYの小さな咳払いが緊張と高揚感を客席へ伝播させる。ディレイがかったギターと鼻歌のような歌唱が混ざり合うと、アルバム同様「HAZY(Prod.A.G.O)」でライブの幕が上がった。<これ以上隠せない もし願いが叶うのなら 君のそばにいたい>の歌詞からも読み取れる通り、自分の言葉一つで簡単に関係が壊れてしまう恐怖をほのかに震えたファルセットで翻訳するこの曲は、裏を返せば、おかしくなるほど恋焦がれているこの瞬間が幸福であることを暗示しているはず。それゆえに、続けてプレイされた「Too Late」の大切だったヒーローや白馬のプリンスが去っていく様を捉えたリリックや、影の部分にフィーチャーするように先刻よりも低音域が明瞭になったボーカリゼーションが、ことさらに大きな悲しみを増幅させていく。一挙手一投足に心が揺さぶられる片想いから一世一代の別れへの急転直下を書き留めたこの2曲のコントラストは、『Grown tag』がREJAYの歩みを追体験する作品に留まることなく、生活において切っても切り離せない感情を見事に言い表していることを裏付けていたのである。
REJAY(Photo by Ryuji Kainuma)
こうした出会いと離別の対比は、ライブ中盤に披露された「Remedy」から「Love you still」を連ねたひとコマにも通底するもの。まどろむようなサウンドに乗せて、<体を委ねて 全てを忘れて 陽が昇るまで踊ろう><溺れそうな夜に 息をさせて>と放ち、身体の境界線があいまいに混じり合っていく様子をドローイングしたかと思えば、次の瞬間にはもう君はいないのである。消えゆくように会場を漂った<I‘ll be okay>という締めの句は、笑ってお別れしようと強がって口にした“大丈夫”の言葉そのものだった。
Rolling Stone Japan 編集部
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